平均課税とは?所得が変動したり一時的に収入が増えたときに知っておくべき節税制度

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平均課税とは?所得が変動したり一時的に収入が増えたときに知っておくべき節税制度

監修: 屋 倫平 税理士

仕事の種類によっては、ある年だけ所得額が大幅に増える場合もあります。所得税は、超過累進税率によって決まるので、収入の変動が激しい職種では数年単位で合計したときに、税負担が不公平になってしまうことがあります。

こうしたことを考慮して、所得税では「平均課税制度」を設け、平等に税金を課せられるように制度化しています。

このページでは、平均課税制度の適用条件から、計算方法や手続き方法について解説します。

目次

平均課税制度とは

平均課税制度」とは、一時的に所得が増えた人の税金を緩和するための制度です

所得税の税率は、所得が多くなるほど税率が高くなる超過累進税率が適用されます。このため、収入の変動が激しい人の税金の負担が重くなりすぎることが懸念されます。

これを防ぐために、変動制のある所得や臨時的な所得については、特定の条件を満たす場合に平均課税制度によって、納税額を緩和することができます。

平均課税制度の対象となる所得

平均課税制度の対象となる所得には、「変動所得」と「臨時所得」の2種類があります。

変動所得

変動所得とは「事業所得、雑所得」のうち、自然環境などの条件によって所得が変動する可能性のあるものを言います。

  • 印税、原稿料、作曲料による所得
  • 漁獲やのりの採取による所得
  • はまち、まだい、ひらめ、かき、うなぎ、ほたて貝、真珠、真珠貝の養殖による所得

臨時所得

臨時所得とは「事業所得、不動産所得、雑所得」のうち、複数年間の所得を一括して受け取る場合のものを言います。

  • プロ野球選手などが受け取る契約金(3年以上の期間契約を結んだ場合の契約金で、その金額が報酬年額の2倍以上のもの。)
  • 不動産などを他人に使用させるための権利金や頭金(3年以上の期間契約を結んだ場合に、その金額が年額の2倍以上のもの。ただし、譲渡所得に該当する場合を除く。)
  • 公共事業の施行などに伴い事業を休業や転業、廃業することにより、3年以上の期間分の事業の所得などの補償として受ける補償金の所得
  • 鉱害その他の災害により事業などに使用している資産について損害を受けたことにより、3年以上の期間分の事業の所得などの補償として受ける補償金の所得

平均課税制度を適用できる条件

変動所得や臨時所得に当てはまる所得を得ていても、すべての人が平均課税制度を選択できるわけではありません。所得者の状況によって条件は変わるので、ケースごと確認しておきましょう。

過去2年間に変動所得額がない方

前年・前々年と過去2年間に変動所得がない場合は、平均課税の適用要件として「本年の変動所得と臨時所得の合計額が総所得金額の20%以上を占めていること」が必要です。

本年の変動所得額が過去2年間の平均金額を上回る方

前年・前々年に変動所得がある場合でも、その合計額の2分の1が本年の変動所得の金額に満たない場合もあります。わかりやすく言うと「過去2年間の平均額よりも、今年の変動所得が多くなっている人」です。この方は、上記「前年・前々年に変動所得がない方」と同じ条件を満たすことで平均課税制度を選択できます。

本年の変動所得額が過去2年間の平均金額を下回る方

前年・前々年に変動所得があり、かつ、その合計額の2分の1が本年の変動所得以上になる場合もあります。この方は本年の臨時所得の金額が総所得金額の20%以上あることで平均課税制度を選択できるようになります。

平均課税の納税額の計算方法

平均課税制度でどのくらい減額できるかの目安は、その変動所得と臨時所得の20%(5分の1)の金額に対して、その金額の超過累進税率をあてはめて算出した金額を5倍にすることで計算できます。

変動所得が1000万円のケースを例として簡易的に計算してみましょう。

  • 平均課税制度を利用した場合
    1000万円 × 20% = 200万円
    (200万円 × 10% - 9万7500円) × 5 = 51万2500円
  • 平均課税制度を利用しない場合
    1000万 × 33% - 153万6000円 = 176万4000円

上記のように、納税額に約120万円の差があることがわかります。

実際には、以下のような複雑な計算が必要になるので、税理士など専門家に相談するようにしましょう。

  1. 平均課税所得金額 = (変動所得額 - 前年・前々年の変動所得 × 50%) + 臨時所得額
  2. 課税総所得金額 - 平均課税対象金額 × 4/5 = 調整所得金額
  3. 調整所得金額に所得税率を適用して求めた税額 = 調整所得金額に対する税額
  4. 課税総所得金額 - 調整所得金額 = 特別所得金額
  5. 特別所得金額 × 平均税率(調整所得金額に対する税額 ÷ 調整所得金額) = 特別所得金額に対する税額
  6. その年の課税総所得金額に対する所得税額 = 調整所得金額に対する税額 + 特別所得金額に対する税額

平均課税の手続き方法

平均課税を適用するには、「変動所得・臨時所得の平均課税の計算書」を記入・作成し、確定申告書に添付して提出しましょう

変動所得・臨時所得の平均課税の計算書

参照)国税庁|変動所得・臨時所得の説明書

おわりに

平均課税制度を適用するかどうかで納税額は大きく変わってきます。まずは要件を満たすかどうか確認し、適用可能な場合には、確定申告時に忘れずに手続きしましょう。

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