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海外不動産を活用した節税スキームとは?節税効果はどのくらい?

国内不動産は年月が経つとともにその資産価値も低下しますが、実は海外不動産についてはその限りではありません。そこで注目されているのが海外不動産を活用した節税スキームです。この記事では、海外不動産における節税効果について解説します。

目次

不動産が節税になる仕組み

海外不動産の節税について解説する前に、まずは不動産自体が節税対策になる理由について簡単にご説明します。

減価償却費は魔法の経費

建物や機械などの資産を「減価償却資産」いい、使用するにつれて価値が減っていくとの考えから、耐用年数に応じて経費化(減価償却)します。

減価償却費は先に一括で支出した経費を、分割で計上していく仕組みのため、キャッシュアウトせずに経費計上することができます。そのため、不動産投資家の間で減価償却費は「魔法の経費」とも呼ばれています。

たとえば、木造新築住宅であれば法定耐用年数が22年なので、単純にいうと購入代金を22回に分けて毎年経費として計上することになります。なお、土地については時の経過で価値が下がらないとされているため、減価償却はできません。

中古物件はさらに節税効果大

新築物件の耐用年数は木造で22年とある程度長い期間で償却していくことになりますが、中古物件の場合は法定耐用年数が短くなるため、短期間で多くの減価償却費を計上することが可能です。

たとえば、築23年の木造アパートの場合、すでに法定耐用年数の全てを過ぎているため、法定耐用年数は実際の新築時の法定耐用年数の20%である、4年間という短期間で一気に減価償却費を計上できます。

一度に経費として計上できる金額が上がるため、単年度の節税効果は大きくなるのです。

赤字がでたら損益通算できる

不動産所得で赤字がでた場合、他の所得と損益通算ができるので、会社員で給与所得がある人など他に所得が多い人や法人にとっては、とても有効な節税手段となるのです。

なぜ海外不動産なのか

海外不動産は「使用年数が日本より長い」という特徴があります。これが、海外不動産が注目されている理由の一つとして挙げられます。

中古物件に対する評価の違い

日本の不動産市場については、昭和のバブルの頃であれば、不動産価格が高騰していたため、新築価格よりも高く売れることもありましたが、近年では都内の都心部を除くと中古物件については大幅に値下がりします。

特に、法定耐用年数が近づいている物件については、建物に評価がつかず土地値だけで取引されることも少なくありません。

日本の場合、新築志向がとても強く「中古=古い」というイメージが強いため、築年数が経過するにつれ売却価格も下がってしまうので、せっかく節税効果が得られても、売却した時に損失が出てしまう可能性があるのです。

対して、アメリカなどの海外不動産については、1つの建物を何十年も使い続ける傾向があり「中古=古い」というマイナスイメージではなく、「中古=実績」と捉え、状態のよい中古物件は「信頼性の証」として認識されるため、中古物件の価格が新築とあまり変わらないケースもあります。

日本で建物価格1,000万円の木造住宅を購入したとして築23年で売却すると、建物部分についてはほぼ0円に近い評価額となってしまいますが、アメリカなどの海外不動産については築23年でも建物自体に問題がなければ、1,000万円またはそれ以上で売れる可能性が高いのです。

このように、中古物件に対する評価の違いが、海外不動産を活用することの大きなメリットといえます。

節税効果の簡易シミュレーション

不動産投資で高額所得を得た人を例にとって、実際の節税効果を検証してみましょう。

まず、課税対象所得が4,000万円で、築23年の海外不動産1,000万円を購入したとします。減価償却費は1年250万円、4年間で合計1,000万円を計上することができます。

課税対象所得4,000万円から250万円を差し引くと3750万円となり、所得税率40%をかけると、所得税額は次のように100万円の節税となります。

  • 4,000万円×40%=1,600万円
  • 3,750万円×40%=1,500万円

このように、1年で100万円の節税効果があることがわかります。(※便宜上、控除などは考慮せずに計算しているため、概算の金額となります。)

譲渡所得は保有年数によって税率が変わります。税率が低くなる6年目に売却するとして、それまでの節税効果は100万円×4年(減価償却期間)=400万円です。

海外不動産の場合は、6年程度では価格が下がることはほとんどないため、購入時と同じ1,000万円で売却できたとします。

長期譲渡所得の場合、所得税率は15%なので1,000万円の譲渡所得に対して150万円の税金が発生することになりますが、すでに400万円の節税効果が発生しているため、差し引きで250万円節税効果の方が上回るのです。

このように、たとえ譲渡所得税が発生したとしても、節税効果の方が高いため、現金で保有しているよりも海外不動産に投資した方が、最終的にはお得なのです。

租税回避阻止のための国際的な動き

非常に魅力的な海外不動産の節税スキームですが、資産を海外に移して脱税や租税回避をする富裕層が国際的にも深刻な問題となっていることから、国を跨ぐお金の動きを正確にチェックするための基準や制度が整い始めています。

共通報告基準CRS

OECD(経済協力開発機構)が、CRSという共通基準を設けることとなり、富裕層の間でも注目を集めています。

CRSとは、簡単にいうと世界各国の銀行口座の情報について、相互に自動的に交換して資産を把握することで、いわゆるパナマ文書のようなタックスヘイブンを取り締まるための監視を目的としています。

海外不動産についても、今後はお金の流れが細かくチェックされるため、確定申告をご自身で行っている投資家の方は、ミスなどにより税務調査のリスクが高まる可能性が考えられます。

そのため、できれば、これを機会に税理士に全てを委託することも検討したほうがよいかもしれません。

国外送金等も税務当局が把握

海外の銀行との間の国外送金等については、一定金額以上を送金する際に金融機関が「送金調書」という書類を作成して税務署長に提出する制度があります。

国外送金等調書が税務署長に提出されると、税務署から「国外送金等に関するお尋ね」が送られてきて、内容次第では税務調査の対象となる可能性があるため注意しなければなりません。

マイナンバー制度の導入

すでにご存知の通り、日本では2016年からマイナンバー制度が導入され、確定申告書にもマイナンバーを記載するようになりました。

マイナンバーによって、銀行口座の情報など資産の動きの把握が容易になるため、今後は確定申告書の内容と実際の口座のお金の流れを照合して確認される可能性が出てくるでしょう。

海外不動産に投資すると、海外口座との間で送金等が行われる可能性が高いので、所得については正確に申告するよう徹底しなければなりません。

今後は税制改正の可能性も

海外不動産を用いた節税スキームについては、会計検査院から疑問を呈する所見が出ています。

現状では、海外不動産についても日本の不動産と同様の法定耐用年数をベースに減価償却がされていますが、会計検査院の所見では、海外不動産が日本の不動産の耐用年数と使用期間が合わないと指摘しているのです。

そのため、減価償却費が家賃収入を上回って赤字が発生し、損益通算によって本人の所得の引き下げなどに使われていることを懸念しています。

以上から、今後は海外不動産の減価償却方法について、財務省において検討を行っていく必要があるとの見解を示したのです。

2019年の税制改正大綱では、まだ海外不動産の減価償却に関する改正は出ていませんが、今後の税制改正によっていつ変更が生じてもおかしくない状況であるといえます。

今後、海外不動産を利用して節税を検討する際には、税制改正についても目を光らせてチェックする必要があるでしょう。

おわりに

海外不動産は中古不動産市場が活発で、キャピタルロスがほとんどないため、上手に活用すれば今のところの税制では問題なく節税効果を得られます。

ただ、海外不動産の申告は複雑で、税務調査のリスクもあるため、昨今の租税回避阻止に向けた国際的な動きを考えると、できる限り税理士に依頼したほうがミスや漏れから税務調査に入られるリスクを軽減できるでしょう。

海外不動産を保有している場合は、国内と外国の双方で二重に税金が課税されないよう調整する「外国税額控除」という制度もありますが、税理士に依頼していないとこういった控除制度についても漏れてしまう可能性も考えられます。

また、相続税対策も含めて検討するなら、海外よりも相続税評価額が低く抑えられる国内の不動産のほうが有利な場合もあるので、やはり一度税理士に相談してみるとよいでしょう。

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