出張先での取材を兼ねた観光の交通費や食費について
小説家の先輩のイベントに行かなければならず、東京に出向きました。イベントのチケット代と東京まで出向いた交通費と宿泊費は経費に計上できるとは思っています。
めったに東京に行かないということで、取材を兼ねて東京1泊の予定を3泊(節約のために知り合いの家に2日間泊めてもらう)にして美術館と博物館、記念館に行きました。
このときの美術館と博物館と記念館のチケット代は、小説やエッセイに必要なので、経費にできると思うのですが、この三日間の宿泊先から美術館などに行く交通費は、小額なのですが、全額経費できるのでしょうか?それとも交通費も家事按分50%なのでしょうか?私自身はすべて取材の気持ちはありますが、知り合いの家に泊まっていることもあって「観光じゃないのか?」と言われると家事按分50%になるのかわからなくなりました。
あと、この期間の朝昼の千円前後の食費は経費になりますか?これも全額できるのか、家事按分50%なのか知りたいです。よろしくお願いします
税理士の回答
山口勝己
宿泊先から取材地(美術館など)への交通費は、その移動が100%取材目的であれば全額経費(家事按分なし)にできます。
一方で、期間中の1人で食べる朝昼の食費は、原則として経費にできずプライベートの生活費(家事費)となります。
税務署から「観光ではないか」と指摘されないための判断基準と、それぞれの費用に関する具体的な取り扱いを解説します。
1. 宿泊先からの交通費:全額経費(按分不要)
知り合いの家に泊まっている場合でも、そこからの移動目的が「取材(美術館・博物館・記念館への訪問)」であるならば、その交通費(電車代やバス代など)は全額を経費(旅費交通費など)として計上できます。50%に按分する必要はありません。
全額経費にできる理由は、業務(取材)を行うために直接必要不可欠な移動だからです。税務署への対策・証明方法ですが、「観光ではなく取材である」と客観的に証明する必要があります。そのため、訪れた美術館などの半券(チケット)を保管してください。日報やメモに「〇月〇日:〇〇美術館訪問。新作小説の背景設定・時代考証のための取材」など、どの作品のどの部分に活かすための取材だったかを具体的に記録しておきます。
2. 朝昼の食費:原則として経費対象外(0%)
滞在期間中の朝食や昼食(1,000円前後)は、全額・按分問わず、原則として経費にできません。
経費にできない理由は、食費は「東京にいなくても、自宅にいても発生する生活費(家事費)」とみなされるためです。例外的に経費にできるケースとしては、編集者や他の作家、情報提供者(取材対象者)と打ち合わせを兼ねて食事をした場合(この場合は「接待交際費」や「会議費」として全額または実態に合わせて経費にできます)。単独での食事であっても、その地域の特殊な郷土料理を食べるなど「食レポや小説の描写に絶対に不可欠な試食」といえる特殊なケース。通常のチェーン店や一般的なカフェでの食事は、取材の気持ちがあっても経費化は困難です。
3. その他の費用の注意点
美術館・博物館・記念館のチケット代は、全額経費(取材費・研究費など)にできます。ただし、こちらも交通費と同様に「どの作品のための資料集めか」を説明できるようにメモを残してください。
東京までの往復交通費・1泊目の宿泊費は、先輩のイベント出席が今後の仕事(執筆・人脈作り・情報収集)につながるものであれば、全額経費(旅費交通費)にできます。
知り合いの家に泊まった2泊目・3泊目に関しては、宿泊費自体が発生していないため計上するものはありません。
もし今後、今回の取材を基にした作品が完成した場合は、その掲載誌や書籍、Web公開されたページのコピーなどを確定申告の資料と一緒に保管しておくと、税務調査が入った際の一番の強い証明(証拠)になります。
本投稿は、2026年05月14日 06時43分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。






