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不動産投資による節税は個人より法人の方が有利!その理由は?

著者: 竹内 英二 不動産鑑定士・中小企業診断士

個人による不動産投資と法人による不動産投資では、どちらがより節税できるのでしょうか?個人富裕層に対する個人への累進課税の強化と法人税率の緩和傾向がある昨今、法人による不動産投資の優位性がさかんに主張されています。

これから不動産投資を行うのであれば、法人による不動産投資も検討したいところです。今回は、法人による不動産投資の基礎知識についてご紹介します。

目次

不動産投資は別会社をつくることがおすすめ

中小起業の経営者の場合、法人を使った不動産投資というと、すでに自分が経営している会社での運用を思い浮かべる方が多いと思いますが、実際には新たに不動産管理会社を作り、その法人で不動産投資をすることが多いのです。

なぜなら通常、他に事業を行っている一般事業会社だと、設備投資の借入期間は20年が最長です。ところが、他に事業を行わず、不動産投資だけを行う法人であれば、35年の長期の不動産投資ローンを組むことが可能だからです。

そのため、会社に余剰資金がない場合、相続対策を行うためには、不動産管理会社を作り、その会社でローンを組んで不動産投資を行うことがおすすめです。

法人と個人の税金の違いは何?

法人と個人との間では、不動産の購入時に発生する不動産取得税や登録免許税に差がありません。また、不動産を保有中の固定資産税や都市計画税にも差はありません。

差があるのは、個人の所得税法人の法人税になります。個人の場合、所得税および住民税率が最高で約55%です。法人の場合は、所得金額が800万円超なら実効税率は約35%となります。

さらに法人は、個人よりも経費で認められる範囲が広いため、保有期間中は法人の方が税率も低く、節税効果が高いと言えます。

不動産売却時は個人の方が有利

不動産の売却時に売却益が出た場合、個人には譲渡所得に対する所得税、法人には利益に対する法人税が発生します。

売却では、個人の場合、所有期間が5年超であれば長期譲渡所得となり、所得税および住民税の税率が20%となります。これは法人税の実効税率よりも小さい値です。

また、法人の場合、消費税課税事業者であれば売却時に建物に消費税がかかります。土地建物を総額で取引した場合には、消費税を計算するために土地と建物の金額を分ける必要が生じます。

通常、法人で不動産投資を行っても、不動産の評価額についてはほとんど気にする必要はありません。ただし、売却のときは、再評価して土地建物価格を正しく評価した方が、消費税の節税をできることがあります。

特に築古の物件を売却した場合は、建物の市場価格は低いです。これを固定資産税評価額で土地建物価格を割り付けてしまうと、建物価格が実際の市場価格よりも高く算出されてしまうことが多く、実際に価値以上に建物消費税を払ってしまうことがあり得ます。

法人による不動産投資は、売却時は法人税や消費税に関し、個人よりも不利になる可能性があるため、売却時は注意が必要です。

節税効果の高い物件は?

不動産投資では建物の減価償却費による節税が可能になります。減価償却費は建物付属設備の耐用年数が15年前後で設定されているため、なるべく築浅物件を購入した方が、減価償却費は大きく、節税効果が長く続きます。

また、節税効果だけを考えれば、同じ利回りの物件でも、土地建物価格の中で建物価格の割合が高い物件ほど、発生する減価償却費が高く節税効果が高いです。なぜなら、土地は減価償却できないからです。

例えば、同じ1億円の物件を購入しても、土地が2千万円で建物が8千万円の物件と、土地が8千万円で建物が2千万円の物件では、前者の物件の方が建物価格の割合が高い分、その後の減価償却費が大きく節税にはなります。

ただし、土地価格の割合が低い物件は、土地代が安い郊外にある場合が多いです。郊外の物件は、空室リスクも高くなるため、投資のリスクは高まります。そのため、節税効果だけを求めて建物価格割合の高い物件に投資を行うと、結果的にリスクの高い物件を手にすることが少なくありません。

投資リスクを抑え、かつ、節税効果の高い物件ということであれば、都心部の築浅物件を選ぶのが望ましいと言えます。

個人所得によって、どちらが有利かが決まる

所得税および住民税率は、課税所得が900万円を超えると法人よりも個人の方が税率は高くなります。

そのため今の給与所得を含め、不動産投資を行って個人の課税所得が900万円を超えるようであれば法人による不動産投資を行った方が節税になります。すでに課税所得が900万円を超えている人であれば、個人で不動産投資を行ってしまうと、さらに税率が上がる可能性があるため注意が必要です。

おわりに

法人か個人で不動産投資を行うかの判断は、今の個人所得をベースに考える必要があります。法人は累進課税ではないため、利益が増えても税率が上がることはありません。いちど法人を選択してしまえば、投資金額のレベル別に節税方法を分けて考える必要もない点も、法人による不動産投資のメリットといえます。

また、税金面に関しては、売却以外は法人の方が概ねメリットがあります。不動産管理会社という選択肢を含めて、法人による不動産投資も検討してみましょう。

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