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元国税局職員の芸人による税務調査体験談「税理士に所得を隠したら重加算税はどうなる?」

元国税局職員さんきゅう倉田です。好きな童話は「おおきなかぶ」です。

最近は、インターネットを用いたサービスの提供や有価証券の売買が盛んです。会社員も、買い物かごを持った主婦も、靴磨きの少年も、寸暇を惜しんでスマホをピコピコしています。

しかし、副業として何かしら事業や取引を行っている人の中には、確定申告をないがしろにしがちな人も多くいます。副業がなければ、そもそも確定申告をする必要がないので、やり方もわからないし、必要だという認識にも欠けるのでしょう。

または、「どうせバレないだろう」「バレても大した金額ではないから良いだろう」などと考えるのかもしれません。

今回は、こうした副収入を税理士に隠して脱税した場合の顛末をご紹介します。

副収入などの「あぶく銭」は申告漏れが起こりやすい

仮想通貨やシェアリングサービスの普及は、豊かな人間を増やし、生活の利便性を向上させましたが、国からすれば所得の把握が困難になりました。誰が副業をしていて、どのくらい所得があるのかがわからない状況となっています。

そのため政府は所得の課税逃れに対応するために、アメリカやイギリスに習い、取引仲介業者に対して顧客情報照会制度の整備を急いでいます。

現在の仮想通貨もそうですが、昔から労働と関係なく得られた「あぶく銭」は、納税を忌避する気持ちを誘発するようです。

税理士に所得の一部を隠していたら・・・

昔むかし、あるところに、株の利益を申告しなかった納税者がいました。彼には顧問税理士がいましたが、株式を売買して利益があったことを報告せずに、所得税の確定申告のみを依頼していました。つまり、税理士に対して、所得の一部を隠していたわけです。

確定申告の際に、売上を除外したり、架空の経費を計上すると、重加算税が賦課されることは何度も述べましたが、それには意図的な不正が必要です。たとえば裏帳簿を作ったとか、証拠書類を改ざん・破棄したとか、取引先にお願いして書類を偽造したなど、明らかなズルがこれに当たります。

しかし、所得を圧縮する意思はあったものの、税理士に報告しなかったという事実だけで、重加算税を賦課できるのでしょうか。

株式投資の利益のみを意図的に脱税

会社員であるAさんは、3億3000万円ほどの株式の売買による利益を申告していませんでした。顧問税理士は、Aさんが株取引を行っているのを知っていて、かつAさんの生活水準の高さが給与所得に見合っていないと感じていたため、株式の売買で利益が出ているのであれば、申告と納税が必要である旨を、再三にわたり伝えていました。

だから、Aさんも申告と納税の義務があることをしっかりと認識していました。しかし、Aさんは株式売買で大きな利益があることを税理士に隠し続けたため、税理士は、株の利益を含めない金額で、確定申告書の作成を行うことになったのです。

なおAさんは、他の所得に関する資料は、正しく提出しており、株の利益のみを脱税する明確な意思を持っていたと考えられます。税法では、重加算税について次のように定めています。

過少申告をした納税者が、事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装していたときは、その納税者に対して重加算税を課する(国税通則法第68条より)

重加算税が賦課されると納税額は1.35倍に

申告内容にミスがあれば、過少申告加算税を賦課されて、納税額は新たに納めることになった税金の10%相当額が課せられます。ただし、新たに納める税金が50万円を超える場合には、その超える部分には15%相当額が課せられます。

もし、申告自体が不正と認定されて重加算税が賦課されると、納税額は新たに納めることになった税金の35%相当額が課せられます。つまり、納税額は1.35倍になってしまうということです。

不正かどうかの判断は、調査官の裁量によるところも大きいのですが、書類を偽造したり、裏帳簿を作ったりしていれば、不正申告は明確です。ただし、書類は正しく作っていたけれど、帳簿に転記するときにうっかり抜け落ちてしまったような場合は、判断が難しくなります。

今回のケースの場合は、税理士に隠していたこと、税理士に「株の利益はありませんか?」と尋ねられても、何年にも渡り「ない」と嘘をついていたことが争点になります。このような税理士に対する積極的な隠蔽はどうなるのでしょうか。

通常納税者は、税理士に対してわざわざ「不正をしてます」とは言いません。また、「不正をしたいんですけど」と持ちかけても、税理士は相手にしないでしょう。脱税のほう助を行って税理士資格を失うリスクを取るほどのリターンがないからです。

重加算税が賦課されるケースとは

ごく稀に、脱税を指南したり、税務署職員を買収して調査情報を流す税理士がいたと報道されることもありますが、それは極端な例であって、悪質な納税者とは付き合いたくないというのが税理士の本音です。

税務調査で、重加算税を賦課するような不正を見つけられても、税理士は知らないことがほとんどですし、これくらいのことならあるだろうと、タカを括っているところもあるようです。税務調査で明らかになっても、痛手を被らない可愛い不正もあるからです。

ただし、今回のように、税理士が再三確認を繰り返した上で、それでも利益を隠すような行為であれば、信義則にも反すると言えるでしょう。

最終的に、税務調査を受けたAさんは、所得を過少に申告することを意図していた、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をしたとして、重加算税の賦課要件を満たすとされました。一般的な重加算税の要件として列挙しているものには当てはまりませんでしたが、不正と認定するのが相当と判断されたわけです。

Aさんは、3億円を超える所得を隠しておいて、重加算税を賦課されるとなったら「それはおかしい」と意義を唱えたという、なんとも恣意的な考え方の持ち主でした。不正を行い、バレたら不正ではないと、のたまう。不正は明らかなのに、争えば争うほど、職員の人件費がかさんでしまいます。

バレてしまった以上、速やかに重加算税と延滞税を納めて、以後は正しい申告を行ってほしいものです。

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