役員貸付金の使途秘匿金認定について
役員貸付金として処理していて利息もきちんと受け取っている支出についても使途秘匿金認定で40%追加課税などされる事はあるのでしょうか?特に振込先が本人ではなく請求書や領収書などの書類も無い場合はそうなる可能性が高いのでしょうか?
税理士の回答
結論から申し上げますと、「役員貸付金として処理し、利息も徴収している」という形式をとっていても、使途秘匿金として40%の追加課税を受けるリスクは十分にあります。
特にご質問にある「振込先が本人以外」かつ「書類がない」という状況は、税務当局から見れば非常に不自然であり、「貸付金という形を借りた、実態を隠したい支出(裏金やリベート等)」と疑われる典型的なパターンです。
1. なぜ「貸付金」でも使途秘匿金になり得るのか
使途秘匿金(租税特別措置法第62条)の定義は、「法人が支出した金銭のうち、相当の理由なく相手方の氏名、住所、支出の事由を帳簿に記載していないもの」です。
・形式 vs 実態: 帳簿に「役員貸付金」と書いてあっても、税務署が「これは実態として役員に貸したものとは認められない(役員を介した第三者への秘匿した支払いである)」と判断すれば、貸付金という科目は否認されます。
2. 否認リスクが高まる「3つのアウト」
ご提示いただいた状況は、以下の理由からリスクが極めて高いと言えます。
① 振込先が役員本人ではない
通常、役員への貸付であれば役員本人の口座に振り込むか、本人の受け取りサインが必要です。本人以外の第三者(または法人)に振り込んでいる場合、税務署は「役員を介さず直接その相手に支払うべき性質の金銭(外注費や紹介料など)」を、貸付金という仮面を被せて隠しているとみなします。
② 請求書・領収書などの書類がない
「なぜその相手に、その金額を支払ったのか」という原因証拠がない場合、支出の正当性を証明できません。貸付金であれば、少なくとも金銭消費貸借契約書が必要ですが、それがあったとしても「なぜ振込先が別人なのか」を合理的に説明できなければ、使途秘匿金の要件を満たしてしまいます。
③ 「利息の徴収」は免罪符にならない
利息を払っていることは「貸付金としての体裁」を整える要素の一つに過ぎません。脱税や不適切な支出を隠すために利息というコストを支払っている(アリバイ作りをしている)と判断されれば、利息の事実は無視され、使途秘匿金としての認定が優先されます。
本投稿は、2026年04月17日 14時13分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







