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元国税局職員の芸人による税務調査体験談「修正申告で重加算税が賦課されるかはどこで決まる?」

元 国税局職員 さんきゅう倉田です。ハリーポッターの使える魔法の中で一つだけ使えるとしたら選ぶ魔法は「目の前の敵の住民税を増やす魔法」です。

国税局や税務署が行う税務調査の結果、納税者の皆さんはどうなるかというと、確定申告の内容が否認されて追徴課税されるわけですが、これはただ払えばいいわけではありません。

ミスや不正に対するペナルティがあります。それが「過少申告加算税」と「重加算税」です。今回は、仮装・隠ぺいに該当するような不正が合った場合に賦課される「重加算税」について解説します。

売上ノートの合計と口座入金額の大きなずれ

建設工事業を営んでいるAさんに対し、所得税の税務調査が行われました。

調査官が、Aさんの自宅兼事務所へ赴いたところ、売上が振り込まれる2つの預金口座の通帳と毎日の工事の詳細が記載されたノートの提示を受けました。

ノートには、工事の内容以外にその工事の売上金額も記載されていたため、調査官はこれを持ち帰り、すべての売上金額を合計しました。

5年分合計したそうです。とてつもなく時間がかかったことでしょう。

その合計金額を、預金口座の売上と思しき入金と突合したところ、大きくずれがありました。預金口座への入金が少ないのです。

主要な取引先であるB社からの入金以外は、簿外の口座に入金されている、あるいは、現金で受け取っていると推定されました。

その金額は、年間500万円ほどになりました。

明らかになったずさんな経理処理

調査官は、ノートを基に作成した売上集計表を持って、再度、Aさん宅に臨場し、売上金以外のものが売上金として集計されていないか念のため確認しましたが、Aさんは「大体合ってる」と答えました。

つまり、集計された金額はすべて売上であり、預金口座との乖離は、売上除外と推定されます。

調査官が、売上集計表の金額が、確定申告書の売上よりも多いことを指摘すると、Aさんは「酒を飲みながら申告書を作っていたので分からない」と正直に言いました。

さらに、Aさんは、経費に関する領収書をほとんど破棄していました。基本的に、支払った瞬間に、破棄していたそうです。一部、保存されていた領収書についても集計することなく、収支内訳書には、何ら根拠のない数字を大雑把に、つまり、「旅費交通費12,000,000円」とか「接待交際費3,000,000円」などとデタラメに記入していました。

そこで調査官は、この状態では事業所得の金額を正しく計算することができないため、売上集計表の金額と預金口座から引き落とされていた経費っぽい金額を使って、Aさんの「所得率」を算出し、所得の金額を再計算して修正申告をすることを提案しました。

このときの所得率(売上ー経費/売上)は28.29%になりました。

どんなときに重加算税は賦課されるのか?

調査によって、真の売上と推計の経費が算出されたわけですが、このような場合に、重加算税は賦課されるのでしょうか。

関係法令:国税通則法第68条《重加算税》第1項

国税通則法第68条《重加算税》第1項は、納税者が事実を隠ぺい、仮装していたときは、重加算税を課する旨規定しています。この隠ぺい、仮装にはどんなものが該当するかというと、

  • いわゆる二重帳簿を作成
  • 帳簿、決算書類、契約書、請求書、領収書を、破棄又は隠匿
  • 帳簿書類の改ざん、偽造、虚偽記載、帳簿書類の意図的な集計違算により仮装を行っている
  • 取引先に虚偽の帳簿書類を作成させる
  • 本人以外の名義又は架空名義で取引を行っている

などで、「その意図を外部からも覗い得る特段の行動」が要件とされています。

Aさんが、売上の一部を確定申告書に記載していなかったのは、ノートにおいて明らかです。提出した2つの通帳に記載された金額のみを申告し、それ以外にも売上があったことを認識していたにも関わらず、それを除外していました。

これについては、重加算税の要件を満たしていると判断され、賦課されました。しかし、経費についてはどうでしょう。

税務調査で困ったら税理士に相談しましょう

所得率によって再計算された経費は、収支内訳書の経費の金額を大きく下回っていました。Aさんが適当に書いた経費は過大だったのです。

意図的に経費を増やすということは、払う税金が少なくなりますので、やはり、重加算税が賦課される可能性があります。いわゆる「架空経費」です。

Aさんは領収書を破棄して恣意的な経費の金額を記入しただけでなく、その経費の金額によって、毎年の社会保険料控除や基礎控除の合計額を下回るような所得金額に調整していました。

しかし、このことを持って、重加算税の要件を満たすかというと、決してそうではなく、架空経費の計上のためにAさんが請求書を偽装したり、領収証を偽装したり、従業員を水増ししたりした事実もなく、重加算税は売上にのみ賦課されました。

一見して「不正」、税務調査で言うところの「仮装・隠ぺい」の事実が合ったように思える場合でも、納税者が正しく論拠を持って主張すれば、一度行われた処理が是正されることもあります。

自らに知識と時間がない場合でも泣き寝入りすることなく、税理士に相談するのがおすすめです。税務調査の途中や、調査が終わってしまっても、税理士の先生が親身になって助けてくれる可能性が残っていますから。

経費管理や確定申告を楽にしたいなら、

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