年末の「ふるさと納税祭り」 100億円還元も、注意点は?
税金・お金

年末はふるさと納税の駆け込みシーズン。「100億円還元」をうたったり、返礼品につくAmazonギフト券の「倍増」を打ち出したりするポータルサイトも出るなど、盛り上がりを見せている。
来年は総務省の引き締めに伴って「うまみ」が大きい返礼品が減る見通しで、そのことも駆け込みに拍車をかけている可能性がある。「年末のふるさと納税祭り」といった様相だが、タイミングを誤ると税制上のメリットを来年受けられない可能性もあり、注意が必要だ。
●Amazonギフト券を「倍増」
「お急ぎください!」
こうサイトでうたっているのは、ポータルサイト「ふるなび」。Amazonギフト券を返礼品以外の特典として渡すことを、ウリにしている。クレジット決済などの条件を満たせば12月31日までの期間限定で、通常1%のAmazonギフト券を2%に倍増させるとしている。
さらに自治体によっては最大11%への増量も実施。たとえば群馬県富岡市に1万2000円の寄付をすると、返礼品「上州麦豚ロースしゃぶしゃぶ用」(500g)に加え、1320円分のAmazonギフト券がもらえる。
別のサイト「さとふる」も、12月31日までの期間限定で「100億円還元キャンペーン」をスタート。寄付額の最大10%分のAmazonギフト券がつき、たとえば北海道八雲町に1万円の寄付をすると、いくら醤油漬け(計600g)と1000円分のAmazonギフト券が手に入る。
「100億円」といえば、「100億円あげちゃう」で話題をさらったスマホ決済サービス「PayPay」を彷彿とさせる規模だ。
●12月末に寄付が集中
ポータルサイトが年末にかけて寄付の呼びかけを強化するのは、所得が確定する12月末に寄付が集中する傾向があるためだ。
1月1日〜12月31日の1年間に稼いだ所得の確定値は、12月末に会社から配られる源泉徴収票を見ることでわかり、それをもとに計算すれば、控除の恩恵を受けられる「上限額」が判明する。上限額は所得や家族構成などにより、一人ひとり異なるものだ。
そのうえで、上限ギリギリまでふるさと納税をする人が出てくるという構図で、あるポータルサイトでは、12月末が年間で最もサイトのPVが高い時期だという。
●慌てると「落とし穴」も
ただ、年末ギリギリに申し込むと「落とし穴」にハマる可能性もある。
申し込みを年内にしても、決済(入金)のタイミングによっては年明けに寄付したことになるからだ。その場合、せっかく上限ギリギリまでねらって寄付したはずが、翌年分の寄付として扱われる。すると、控除の恩恵を受けるのは再来年にずれこんでしまう。
また、自治体によっては12月の早い段階で今年分の申し込みを締め切っているところもあるという。寄付先の自治体や支払い手続きにかかる時間を確認せず、「年が明ける前に!」と寄付を急ぐことは避けたほうがよさそうだ。