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スマホ確定申告が進化、「PC行き宣告の絶望」解消目指す 国税庁「ニーズは高い」

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スマホ確定申告が進化、「PC行き宣告の絶望」解消目指す 国税庁「ニーズは高い」
スマート確定申告の案内画面

年が明け、確定申告の時期が近付いてきました。2018年分の確定申告からスマートフォンで申告書が作れるようになり話題になりましたが、一定の条件を満たす一つの会社に勤める会社員だけに限られ、インターネット上では「すぐに『パソコン行き』を宣告されてしまう」「使えない」という落胆の声が上がりました。

この声に対し、国税庁は「ニーズが高いということが分かった」と奮起し、19年分は副業をしている人など対象を大きく広げました。システムも改善し「今年こそ利便性を感じてもらう」と意気込みます。スマート確定申告は本当に使いやすくなったのでしょうか。(ライター・国分瑠衣子)

●システム開発費と改修費は9億円

電子申告をざっくりと説明すると、確定申告書をパソコンやスマートフォンで作成して、さらにe-taxのシステムで送信する、すべてがデジタルで完結するやり方や、確定申告書の作成まではパソコンやスマートフォンで行い、その後は紙で提出するやり方など、様々なものがあります。

2018年分の確定申告をした2222万人のうち、自宅などから電子申告をしたデジタル完結型は、542万人にとどまりますが、申告書の作成など、部分的なものも含めると、約7割に達するとのデータもあります。

2018年分の確定申告について、スマートフォンで作業を行った人は、36万6000人でした。国税庁個人課税課は「基になるデータがないため、多い、少ないという評価をすることは難しい」と説明します。しかし、18年分の確定申告の時期にはインターネット上で「雑所得があると使えないとは」「対象にならないとすぐに『PC行き』を宣告されてしまう」など失望の声がありました。

この意見に対し、担当者は「初年度はスモールスタートで始めたが、多くの人に必要とされていることが分かった」と前向きに受け止め、改良を加えました。

2019年分のスマート確定申告の大きなポイントは、副業をしている人も利用できるようにした点です。働き方が変わり、副業を認める企業が広がっている中で、大きな一歩と言えます。副業以外でも2カ所以上の勤務先から給与収入がある人、年金収入など雑所得がある人、生命保険の一時金などの一時所得、災害減免法による所得税の税額控除などが新たに対象になります。

2018年分の確定申告をした人約2222万人のうち、給与所得者(46.7%)と雑所得者(26.3%)が対象になり、約7割の人がスマートフォンで確定申告ができるようになります。昨年に比べて「PC行き」を宣告されることは少なくなりそうです。

画面の「見せ方」も工夫しました。スマホ専用画面を増やし、画面の小さなスマートフォンでも分かりやすいように、文字数を極力少なくしました。また「はい」「いいえ」などで簡単に答えられるような質問にして、入力する回数も少なくなるようにしました。副業をしている人の場合、収入金額や源泉徴収税額など6項目を入力すれば完成します。事前準備としてマイナンバーカードか、税務署が発行するIDとパスワードが必要になります。

確定申告に関するパソコンとスマートフォンのシステム開発費と改修費は約9億円で、日立製作所が開発しました。画面を見ると、単純な作りに見えますが、想像以上にお金がかかる印象です。

●iPhone、Android端末でマイナンバーカードの読み取り可能に

さらに国税庁が「e-Tax利用拡大への大きな弾みになってほしい」と期待を寄せるのが、マイナンバーカードを使ってiPhoneとAndroid端末で確定申告ができるようになることです。1月31日からは、おサイフケータイのイメージでマイナンバーカードを端末にかざせば、申告書を作成、送信できます。事前にマイナンバーの個人専用サイト「マイナポータル」に登録しておくと、よりスムーズです。

パソコンでマイナンバーカードを読み取るためには、ICカードリーダライタが必要でしたが、スマートフォンはカードをかざすだけなので、リーダライタを買わずにすむというメリットもあります。

また、電子申告を普及させるため、2018年分からはマイナンバーカードに加えて、税務署が発行するIDとパスワードを使ったe-Tax送信ができるようになっています。申請から発行まで時間がかかるマイナンバーカードと比べると、ID・パスワード式は発行が簡単なので利用する人が増えています。

18年分の確定申告では自宅などから国税庁のホームページで申告書を作成し、e-Tax送信した人は124万人で、前年に比べ倍増しました。担当者はこのID・パスワード方式が利用増を後押ししていると見ています。

●「赤ちゃんがいるお母さんにこそ使ってほしい」

国税庁個人課税課の担当者は「おそらくサラリーマン家庭で、最初に確定申告をする時は、子どもが生まれた年なのではないでしょうか」と話します。妊娠、出産には通院や医療費がかかるため、医療費控除の確定申告をします。混雑する時は数時間待ちのこともある確定申告の会場に乳児を連れていくのは大変です。

季節柄、インフルエンザウイルスにかかったり、風邪をひく可能性もあります。担当者は「赤ちゃんがいるお母さんにこそスマート確定申告を使ってもらい、自宅が確定申告会場になるという便利さを感じてもらいたい」と強調します。

多くの人に知ってもらうため、個人課税課では職員が手作りで「あなたのスマホが税務署に!」などとスマート確定申告の手順を説明した動画を作り、動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿し地道なPRを続けます。

1月にはさらに新しい動画をアップする予定です。所得税等の確定申告書を提出する人は、2015年分から年々増加しており、2018年分は前年比1.1%増の2222万人になりました。提出する人が増えているだけに、利用者からどんな反応があるのか注目されます。

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