趣味の範囲内の場合の出納帳記入と住民税について
契約社員で趣味で同人活動をしています。
ただ、本当に活動は2年または5年に1度くらいの
趣味の範囲です。
・この程度でも今年イベントの為だけに買ったプリンター、画材などの費用は経費と考えてよいのでしょうか?
購入したプリンターはイベントの無料配布などのポストカードやシールを作成するためだけに使用しています。
前に何処かで趣味の範囲内だと経費にはならないと聞いたことがあり、出納帳に記録するか悩みます。家計簿くらいでいいのでしょうか。
・また、この趣味の範囲の状態で住民税の申告が発生した場合、
雑所得のその他に売上を記入すれば良いのでしょうか?
上記の理由としましては、現在売る予定が無かった
今年の活動と関係のない2年前のイラストが売れてしまい、
今年活動した経費を含んでいい場合は赤字なのですが、
別々と考えると黒字になり申告が必要だなと気付きました。
住民税の申告が必要かどうか教えていただきたいです。
分かりにくい文で大変申し訳ございませんが、
宜しくお願い致します。
税理士の回答
良波嘉男
結論
①「趣味の範囲内」でも、売上が発生している以上、その年の収入に直接対応する支出は“必要経費”にできます。ただし、将来の活動用・売上と無関係な支出まで広げるのはNGです。
②住民税の申告は「必要になる可能性が高い」です。
売上が少額でも、雑所得として黒字が出るなら住民税申告は原則必要になります。
理由
① 趣味でも経費になるのか
税務の判断基準は「趣味か事業か」ではなく、「その収入を得るための支出か」です。
今回、
今年、2年前のイラストが売れた(=今年の雑所得)
その売上を得るために直接必要だった支出がある
この関係が説明できれば、その支出は雑所得の必要経費に含めてOKです。
② プリンター・画材は経費になる?
条件付きでYESです。
イベント用ポストカード・シール作成専用
私用・家庭用に使っていない
今年の売上と関連性が説明できる
この条件を満たすなら雑所得の必要経費として計上可。
※ ただし
次回イベント用
将来用の制作
まで含めるのはリスク高なので、今年の売上と合理的に結びつく範囲までにしてください。
出納帳は必要?家計簿でいい?
結論
簡単な出納帳(メモレベル)を作るのが安全です。
家計簿だけ →税務上は弱い
日付/内容/金額/売上との関係が分かる表
Excel・手書き・スマホメモでも構いません。
③ 住民税の申告は必要?
結論
必要です。
理由
雑所得は給与と合算して住民税の課税対象
所得税の「20万円以下申告不要」は住民税には適用されません
つまり、
所得税:申告不要でも
住民税:原則申告必要
雑所得の考え方(今回のケース)
OKな考え方
今年売れたイラストの売上
それに対応する経費(今年支払分)
→ 同じ「雑所得」として相殺OK
NGな考え方
売上は今年
経費は「別の年の活動だから除外」
年度をまたいでも今年の収入に直接対応する支出なら経費に含められます。
申告の書き方(住民税)
所得区分:雑所得(その他)
売上:今年売れた金額
経費:今年支払った必要経費
差引:黒字 or 赤字
※ 雑所得が赤字でも給与と損益通算はできません(ここ注意)。
ご返答ありがとうございます。
趣味の範囲内でも売上が出れば経費にできるのですね!
将来用などは基本的に行っていないのでそこも問題ないと思います。
また、プリンターは家庭用と活動用で分けているのでそこも大丈夫かと思われます。
『今年売れたイラストの売上
それに対応する経費(今年支払分)
→ 同じ「雑所得」として相殺OK』
とのことですが、今年売れた2年前の作品には"対応する今年分の経費は梱包・配送料のみ"なので、その金額を雑所得として記入までは理解はしたのですが、
今年分の同人活動の経費は別として考えたほうが良いのでしょうか。
(※トータルで考えてはいけないという認識をしています)
同人活動とトータルにすると赤字ですが、
上記の通り対応する経費が違う為、別々にすると黒字になります。
・トータルにせず別と考えて申告する場合、
同人活動のほうは記入せず
2年前売れた作品(売上)とその作品を送るために使った経費(必要経費)のみ記入で問題ないでしょうか?
・また今後の参考にお聞きしたいのですが、トータルで考えてはいけない場合
例えば、2年前の作品が今年に売れ、そのお金で同じ年にイベントに参加した場合、同じ活動という形で差し引きしても問題ないのでしょうか?
(分かりにくく、同じ質問を繰り返していたら大変申し訳ございません)
良波嘉男
結論
今年売れた2年前の作品の売上については、その売上に直接対応する今年の経費(梱包・配送料)のみを差し引いて雑所得として申告するのがよろしいかと思います。
今年行った同人活動の経費(イベント準備・印刷・画材等)は、今年の売上と直接対応しない限り、今回の売上とは相殺しません。
したがって、相談者様のケースでは
「トータルで赤字だから相殺する」という処理は難しい
結果として黒字申告になる可能性が高い
という整理になります。
理由
雑所得はその年に生じた収入と、それに直接対応する必要経費のみを差し引くという原則で計算します。
2年前に制作した作品が今年売れた
今年支払った経費のうち作品発送のための梱包・送料 → 直接対応あり
今年のイベント準備・新作制作費 → 直接対応なし
このため、今年の同人活動全体の経費をまとめて差し引くのは、税務上説明が難しいです。
ご質問①への回答
トータルにせず別と考えて申告する場合、どう記入すればよいか
→整理は以下で 問題ありません。
雑所得として記入するのは今年売れた2年前作品の売上
その作品を送るために使った梱包費・配送料のみ
今年の同人活動で売上が一切ない、将来販売目的でもない場合は、その経費は申告書に記入しなくて差し支えありません(家計簿・メモとして管理する程度で足ります)
ご質問②への回答
2年前の作品が今年売れ、そのお金で同じ年にイベント参加した場合は?
ここは判断の分かれ目です。
原則
売上と経費の因果関係が説明できるかが基準です。
問題になりにくいケース
今年売れた作品と今年のイベント参加が同一ジャンル、同一活動、継続的な同人活動として説明できる場合
同じ雑所得内でまとめて計算できる余地があります。
注意が必要なケース
たまたま売れただけ
売上とイベント参加の関連が弱い
年に1回以下の単発活動
→この場合は売上対応分のみ経費にするのが安全です。
私の説明が下手なのにも関わらず、
親身になって回答してくださりありがとうございます!
すごく分かりやすくて助かります!
今年分は2年前のイラスト分の売上と経費のみ申告しようとおもいます!
今後もこういうことが起こると思うので参考にしていきたいと思います!
この度はありがとうございました!
本投稿は、2025年12月18日 16時37分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。






