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確定拠出年金を一時金で受け取って2年半後に退職金を受け取る場合の退職所得控除について

現在60歳(勤続36年)になったばかりの者です。確定拠出年金(加入期間36年)約13,000,000を2年半後にもらえる予定の退職金約16,000,000と同時に受け取るか、まず、確定拠出年金を先に受け取り、2年半後に退職金を受け取るか悩んでおり質問をさせてください。別々に受ける場合、まず確定拠出年金を受領する時、8,000,000+(700,000×16)=19,200,000となるので課税されない。2年半後に退職金を受け取る時、退職所得控除は8,000,000+(700,000×18.5)=20,950,000となり、(13,000,000+16,000,000)に対し(29,000,000-20,950,000)/2=4,025,000に課税され(4,025,000×0.2-427,500)×1.021=385,428が所得税になりますか?2年半後に同時に受け取る時と所得税は同じという考え方はあっていますでしょうか?

税理士の回答

ご提示の計算の考え方は、概ね正しい方向ですが、退職所得控除額の「通算ルール」や「課税計算上の扱い」に若干の誤解があります。
確定拠出年金(企業型DC)と退職金を同時または別々に受け取る場合では、課税額に差が出ることがあります。

【退職所得控除額の考え方】

退職所得控除額 =
・勤続20年以下部分:40万円 × 勤続年数
・勤続20年超部分:70万円 × (勤続年数-20年) + 800万円

あなたの場合:
36年勤務 →
800万円 + 70万円 × 16年 = 1,920万円

確定拠出年金の加入期間も36年とすると、同額(1,920万円)が退職所得控除額として使えます。


【 同時に受け取る場合(合算課税)】

退職金と確定拠出年金が「同一年中に支給」される場合、
原則として通算して1つの退職所得として課税されます。

例:
退職金1,600万円 + DC1,300万円 = 2,900万円
退職所得控除:1,920万円
課税対象: (2,900万円 - 1,920万円) ÷ 2 = 490万円
所得税率20% →
490万円 × 20% - 427,500円 = 552,500円
復興特別所得税含め 約56万円前後(概算)



【別々に受け取る場合】

確定拠出年金を先に受け取る → 2年半後に退職金受領

ただしこの場合、退職所得控除額の通算ルールに注意が必要です。

退職所得控除は「同一人が受ける退職所得」について最初に受け取ったものから控除を使用し、
次に受け取るものの控除は「勤続年数が重なる期間を除いた年数分」で再計算されます。

つまり、
• 先にDC(36年分)を受けると、控除枠をすべて使い切る形になります。
• 後の退職金については「同じ勤続期間に対応する退職所得」とみなされ、控除が重複適用されません。

その結果、2回に分けると控除が2重適用されない分、税負担が増えるリスクがあります。


【実務的な取り扱い】
税務上は、
• DCと退職金の支給主体が「同じ勤務先(同一法人)」の場合 → 通算される
• 支給主体が異なる場合(例:企業年金連合会や運営管理機関から支給) → 通算しない扱いもあり得る

ただし「同一勤務に基づく退職所得」と判断される場合は、税務上通算されることが多いです。

上田誠先生、ご回答ありがとうございます。【別々に受け取る場合】確定拠出年金を受け取る⇒2年半後に退職金受領の場合の所得税額は、確定拠出年金受領時は0で、退職金受領時は、16,000,000÷2=8,000,000となり、(8,000,000×0.23-636,000)×1.021=1,229,284になると言う理解であっていますでしょうか?

本投稿は、2025年10月28日 10時27分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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