食事代や飲み会代も経費になる?「仮想通貨取引」で経費にできるものまとめ

仮想通貨取引で得た収入にかかる税金を減らすには、経費を漏れ無くすべて計上することが、最も重要で簡単な方法です。
取引に利用している携帯電話、マイニング用に購入したパソコン、情報収集のために参加した飲み会代など、仮想通貨取引で支出した費用は、どこまで経費として計上して良いのでしょうか?
経費として認められるポイントと、経費に計上できる費用についてまとめました。
目次
利益が20万円を超えたら税金がかかる
まず抑えておきたい点は、国税庁よると仮想通貨で手に入れた利益は「雑所得」に区分され、利益が20万円を超えると確定申告をしなければならないということです。
仮想通貨取引をしている人で以下のいずれかに該当する方は、確定申告が必要になります。
- 会社員などの給与所得者で、給与所得以外の所得(利益)が20万円超
- 仮想通貨取引以外に所得(利益)がない場合は、仮想通貨での利益が38万円超
- 給与収入が2,000万円超
- 年の途中で退職するなど、年末調整がされていない給与所得がある
- 所得控除額を超える源泉徴収されていない退職所得や給与所得がある
- 公的年金から所得控除をして残額がある
会社員などの給与所得者で、仮想通貨での利益が20万円以下の方や、仮想通貨取引以外に所得がなく、仮想通貨での利益が38万円以下の方は確定申告の対象ではありません。
なんで経費が重要なの?
経費が多ければ仮想通貨取引で得た収入にかかる課税額を減らすことができます。なぜなら、税金が売上(収入)ではなく利益に課税されるものだからです。
利益は「収入 ー 経費」で求められ、経費が増えれば同じ収入でも課税の対象となる利益の額が減少するということです。
では、仮想通貨取引で経費にできるものには、どのようなものが該当するのでしょうか。参考資料として、「仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)」というものが国税庁HPで平成29年12月1日に発表されました。
この情報では、仮想通貨に関する所得計算方法等の中で経費として例示されているものは以下のものだけです。
- ビットコインの取得価額(仮想通貨の原価)
- マイニングをした場合のマイニングに要した費用
上記以外で仮想通貨取引で経費にできる可能性があるものをご紹介していきます。
光熱費や携帯代が経費になる「家事按分」
光熱費や携帯電話代など、仮想通貨取引でも私用でも利用する費用を「家事関連費」といいます。
家事関連費のそれぞれの項目別の「事業にかかった割合」を「按分比率」といい、経費を算出する上で必要な数字となってきます。
経費にできる金額は以下の式で求められます。
経費金額 = 家事関連費 × 按分比率
このような一連の流れを「家事按分」といい、仮想通貨にかかる経費を計上する際に非常に大切になる考え方です。家事関連費をまるまる経費として計上すると、後に税務署から指摘されることになるので気をつけましょう。
仮想通貨取引に関わることの多い経費を以下にまとめたので、家事按分を踏まえた上でみていきましょう。
水道光熱費
自宅を作業場所としている場合は、光熱費の家事按分が必要となります。
光熱費のうちの電気代は一部経費として認められることがありますが、水道・ガス代は仮想通貨取引に必ずしも必要なものではないとして認められないことがあります。
通信費や携帯代
仮想通貨取引には当然インターネットが必要となってくるので、通信費や携帯電話代も経費として計上可能です。なお、スマホやパソコンを私用と兼用している場合は、仮想通貨の取引に使っている時間とそれ以外の時間をしっかりと区分して家事按分することが必要となります。
パソコン本体などのデバイス
仮想通貨取引を行うためには、パソコンまたはスマホなどのデバイスが必須です。つまり、パソコンやスマホ本体、仮想通貨取引に関連する付属品の購入代金は、経費として計上可能です。
購入価格が高額なものは、減価償却資産として計上する必要があるという点に注意しましょう。
家賃や土地代
自宅を作業場としている場合は、実際に作業しているスペース分の家賃や、個体資産税を家事按分して計上できます。
情報収集などの食事飲み会
一見単なる友人との飲み会に見えるかもしれない領収書も、それが仮想通貨のための情報収集会であったならば経費として認められることがあります。
セミナーなどは他の経費と比べても高額な傾向にあり、高いものだと50万円ほどするものもあります。勉強会やセミナーなど仮想通貨取引に直接関係するものは経費として認めることが多いようです。
この際の往復交通費や差し入れに要した費用も計上可能です。ただし、このような経費は税務調査の際によく調べられることになりますので、「誰と・いつ・どこで・なんのために」支出した費用なのか、証拠を提示できるようにメモなどを残しておきましょう。
レシートや領収書の裏や、会計ソフトの備考欄などに記載しておくとわかりやすいです。
書籍代、コンサルティング費用、税務費用
仮想通貨取引を行うための情報収集として購入した書籍や、確定申告や事業に関連する相談として必要だった費用も、経費として認められます。
経費として認められるポイント

そもそも経費とは「事業を行うために必要な支払いをしたもの」であり、どこまで経費で落としていいのかという明確な基準はありません。
仮想通貨取引をしている方においては、仮想通貨取引(事業)のために支出したことを証明することができるかどうかが経費として認められるかどうかのポイントです。
迷うものがあれば、自らで判断せず税理士に相談することをおすすめします。
領収書がないときはどうする?
経費を計上するためには、領収書などの保管が必要になります。もし、領収書をなくしてしまった場合には、以下の4点の情報が記載してあるものであれば領収書の代わりとして利用できます。
- 支払先
- 日付
- 支払金額
- 支払内容
上記4点を満たすものとしてレシート、クレジットカードの利用明細、出金伝票、ネット通販の確認メールなどが挙げられます。ただし金額が大きいものや特殊なものを購入した場合は税務署からのチェックも厳しくなるので、このような証明書類は必ず保管しておくようにしましょう。
おわりに
異常とも言えるスピードで耳にする機会の増えた仮想通貨ですが、急激な社会の関心に法律整備が追いついておらず、税務署でも職員全員が把握しているわけではないというのが現状です。
そんな中で何が経費になって何が経費にならないなど、仮想通貨の税金のことがわからないというのは仕方のないことでしょう。疑問点があれば自己判断するのではなく、お近くの税理士に相談してみてはいかがでしょうか。
税理士に無料で相談できる「みんなの税務相談」も活用してみてください。
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