暗号資産先物取引の損益計上について
USDT建て暗号資産先物取引の損益について確認させてください。
取引所が閉鎖しており取引履歴を取得できませんが、メールから入金履歴とロスカット通知(ロスカット価格・数量)は確認できます。ただし、エントリー価格は不明です。
① ショートポジションについて、所得税基本通達48の2-4の5%ルールを適用し、ロスカット価格の5%をエントリー価格とみなして損益を算定することは可能でしょうか。
例えば1BTCが5,000USDTでロスカットされた場合、250USDTをエントリー価格として▲4,750USDTの損失とする考え方です。レバレッジ取引のため、この損失額が実際の入金額を上回る場合があります。
② ①が難しい場合、「USDT入金→先物取引・ロスカット→再入金→先物取引・ロスカット」という履歴をもとに、ロスカットによって実際に失われた入金額を損失として算定することは可能でしょうか。
どのような算定方法が適切か、ご教示いただけますと幸いです。
税理士の回答
暗号資産先物取引における取引履歴喪失時の損益算定について回答いたします。
① 5%ルールの適用について(推奨できません)
適用は極めて困難であり、税務調査で否認されるリスクが高いです。暗号資産の5%ルール(概算取得費)は、売却額に対する「取得価額(買った値段)」が不明な場合の特例です。ショートポジションにおけるロスカット価格は「買い戻し価格(取得価額)」であり、今回不明なのは「エントリー価格(売却額)」となるため、制度の適用前提と矛盾します。また、実際の入出金ベースでの損失を上回る架空の損失を計上することは税務上認められません。
② 入金額をベースとした損失算定について(こちらが適切です)
実務上、こちらの算定方法が現実的かつ妥当と考えられます。取引所の閉鎖等により正確な履歴が取得できない場合、客観的証拠に基づく合理的な推計計算が求められます。入金履歴やロスカット通知によって「資金が全額失われた(残高がゼロになった)」事実が客観的に証明できるのであれば、「総入金額-総出金額」を実際の損失額として申告するアプローチは、税務署に対しても合理的な説明がつく方法かと存じます。
今後の対応
推計計算の根拠となる送金履歴、クレジットカード明細、取引所からのメール履歴などは、税務調査時の重要な客観的証拠となるため、すべて確実に保存しておくことをお勧めします。
回答は以上となります。
ご参考になりましたら幸いです。
本投稿は、2026年08月09日 10時22分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







