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パナソニックのテスラ株「24億円→4000億円」売却が話題 税金はどのくらいかかる?

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パナソニックのテスラ株「24億円→4000億円」売却が話題 税金はどのくらいかかる?
パナソニック本社(Googleストリートビューより)

家電大手のパナソニックの株式売却が話題を呼んでいる。保有していたアメリカの電気自動車(EV)大手のテスラの全株式を売却したというのだ。

同社が6月25日に提出した有価証券報告書(第114期)によると、2020年3月末時点の公正価値(保有額)は808億9700万円だったが、2021年3月末時点ではゼロとなっていた。

報道によると、パナソニックは2010年当時、テスラ株の約2%に相当する分を約24億円で取得。今回の売却額は約4000億円とされており、約10年間保有した結果、大きなリターンを得る形となった。

大きな事業資金を得たパナソニックとしては、できれば全額そのまま懐に入れたいところだろうが、売却益にはどれほどの税金がかかるのだろうか。新井佑介税理士に聞いた。

●決算短信にテスラ株売却の兆候は表れていた

決算短信(5月10日付)から、パナソニックによるテスラ株の売却情報を直ちに読み取ることは相当難しかったと思います。

事後的に同社の短信を見てみると、連結キャッシュフロー計算書上、持分法投資およびその他の金融資産の売却として4000億円のキャッシュインフローを確認でき、包括利益計算書上、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産情報として、テスラ株の売却益相当額を確認できます。

同社は日本基準ではなく国際財務報告基準(IFRS)適用企業であるため、テスラ株の売却益は日本基準のように損益計算書にて投資有価証券売却益として認識されません。そのためテスラ株売却について短信から直ちに読み取ることは難しかったと思います。

その後、6月25日に提出された有価証券報告書の連結財務諸表注記にてテスラ株が売却されたことが、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融商品の前期比較情報より明らかになったことで、市場が今回のディール(売買)を理解しました。

実際に同社の株価チャートを分析してみると、5月10日から24日にかけて軟調な値動きでした。これは市場が直ちにテスラ株売却情報を直ちに把握することが困難であったことがうかがえます。

●テスラ株売却益にかかる税金は「約1000億円」

今回の売却により生じた4000億円のキャピタルゲイン(株売却益)については、法人税等が課税されます。

同社のタックスプランニングについては図りかねますが、一般的には約3割を事後的に納税する必要があるため、納税資金を考慮すると再投資可能資金は「3000億円」程度でしょうか。

同社は戦略的に成長事業に対して当該資金を再投下する方針であり、市場も反応しているようです。

コロナ禍における金融緩和により、上昇トレンドの順張り相場が続いています。テクニカル分析(将来の取引価格の変化を過去の値動きから予想・分析する手法)を重視する現物株メインの個人投資家も多いと思います。

今回の件は、日本基準とIFRSの会計基準差異や短信と有価証券報告書のIRの時期的なタイミングのズレもあり、かなり難しいケースでしたが、ファンダメンタル分析(財務諸表、景気動向、金融政策などの変化が市場全体に与える影響を分析する手法)の重要性も再認識する機会となったと思います。

また、同社の投資行動は、個人投資家の立場に置き換えると、高値相場の中で割高と判断した銘柄を利確(利益確定)し、売却して得た資金を次の成長銘柄へ再投資したともいえます。その意味でも同社のディールは個人投資家目線からも大いに参考になるものではないでしょうか。

【取材協力税理士】
新井 佑介(あらい・ゆうすけ) 公認会計士 税理士
AAG代表。内国法人唯一の高速取引行為者、ダルマ・キャピタル株式会社CFO。慶応義塾大学経済学部卒業後、KPMGを経て現職。
事務所名 :AAG新井綜合会計事務所
事務所URL:https://www.aag-group.co.jp/

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