障害基礎年金の所得制限について
障害基礎年金1級を受給中の者です。20歳より前の傷病のため、受給するには所得制限があります。
現在の所得は給与のみで、約100万円給与所得が上がると所得制限を超える状況です。その他に定期的に所得は得ていません。
そのような状況の中先日、長年貯めてきた投資信託・特定口座(源泉徴収あり)を解約し、約300万円が振り込まれました。
ここで質問ですが、この300万円を税務署はどのように処理し、年金事務所に報告するのでしょうか?もし給与所得と同じ扱いで処理する場合、所得制限に引っ掛かり障害基礎年金の受給は止まる形になるでしょうか?
税理士の回答

石割由紀人
障害基礎年金の所得制限において、投資信託の解約金がどのように扱われるかについて以下の点を確認します。
1. 所得制限の対象となる所得
障害基礎年金の所得制限における「所得」は、税法上の課税対象となる所得が基準となります。具体的には以下が含まれます:
- 給与所得(源泉徴収後の金額ではなく、課税所得)
- 不動産所得、事業所得、配当所得、利子所得など
- その他の雑所得
投資信託の解約による利益(譲渡益)は、「譲渡所得」として扱われる場合があります。ただし、源泉徴収ありの特定口座の場合、譲渡益は既に源泉徴収されており、確定申告が不要な場合がほとんどです。
2. 投資信託の解約金に関する処理
特定口座(源泉徴収あり)の場合、譲渡益は以下のように処理されます。
- 税務署には金融機関から報告されますが、確定申告を行わない場合、年金事務所への報告や所得制限の計算に影響を与えません。
- ただし、確定申告を行い他の所得(給与など)と損益通算を行った場合や、住民税の申告をした場合には、所得が再計算され、障害基礎年金の所得制限に影響を与える可能性があります。
3. 障害基礎年金の受給停止リスク
以下の条件に応じて結果が異なります。
1. 確定申告を行わない場合
源泉徴収ありの特定口座の解約益は所得制限には含まれません。このため、給与所得のみが所得制限に該当し、受給停止リスクはありません。
2. 確定申告を行った場合
解約益が譲渡所得として計算され、他の所得(給与所得など)と合算される場合、所得制限を超える可能性があります。この場合、障害基礎年金が停止されるリスクがあります。
4. 今後の注意点
- 確定申告を行わず、源泉徴収の範囲内で処理される場合、解約益は障害基礎年金の所得制限に影響を与えません。
- 住民税の申告も影響を与える可能性があるため、地方自治体への住民税申告についても確認してください。
- 所得制限に近い状態である場合、今後の収入や投資解約について慎重に計画を立てることをおすすめします。
石割先生
大変理解しやすいご説明ありがとうございました。
自分の場合確定申告は行わないケースのため、障害基礎年金の所得制限に影響がないことが理解でき安心しました。心から感謝いたします。ありがとうございました。
本投稿は、2024年12月10日 15時51分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。