雇用するだけで最大90万円!三年以内既卒者等採用定着奨励金とは?

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雇用するだけで最大90万円!三年以内既卒者等採用定着奨励金とは?

若者の離職率の高さを表す「七五三現象」という単語を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。新卒で採用した後、3年以内で中卒の「7」割、高卒の「5」割、大卒の「3」割がやめてしまうという統計結果です。

さてこれらの学生は離職した後どうなるのでしょうか。第二新卒という体で募集している企業も多々ありますが、新卒募集に比べると募集数は圧倒的に少なく、非正規従業員に流れていく学生が多いのが現状です。

そこで第二新卒の雇用を促進するために打ち出されたのが、この「三年以内既卒者等採用定着奨励金」です。雇用するだけで奨励金がもらえるとってもお得なこの制度、どんな制度なのか詳しく見ていきましょう。

目次

  1. 「三年以内既卒者等採用定着奨励金」とは
  2. 3年間雇用するだけで「最大90万円」がもらえる
  3. 労働局に書類を提出するだけで「手続きはかんたん」

「三年以内既卒者等採用定着奨励金」とは

「三年以内既卒者等採用定着奨励金」とは、特定の条件を満たした従業員を雇用するだけで奨励金がもらえる制度です。この制度は平成28年から導入された新しい制度で、平成31年3月31日までに募集を行い、4月30日までに対象者を新卒として雇った事業主に対して支給されます。

もちろんパートや契約社員などの非正規労働者としてではなく、直接雇用であること、期間の定めがないこと、役員以外の他の形態の従業員より高い責任を負って事業に従事する正規労働者として雇用した場合です。

この制度は、今までは新卒採用のみを採用してきた企業に対し、第二新卒育成のための研修費を補助することで、第二新卒の採用を促すのが目的です。

通常の新卒に対しても研修を行っておらず、OJTのみを行っている企業の場合、OJTも研修として認められます。要は通常の新卒と同じように扱えばいいのです。

過去に似たような制度で「三年以内既卒者採用拡大奨励金」というものがあり、その時はハローワーク、新卒応援ハローワーク経由のみの募集に限られていましたが、今回の「三年以内既卒者等採用定着奨励金」ではリクルートやマイナビ、といった就職サイト経由での募集も可能になり、募集の幅が広がりました。

3年間雇用するだけで「最大90万円」がもらえる

「三年以内既卒者等採用定着奨励金」には採用する対象者によって「既卒者等コース」と「高校中退者コース」という2つのコースに別れており、採用をする企業が「中小企業」か「それ以外の企業」かによってそれぞれ奨励金額が変わってきます。

対象者を1年以上定着させると、1年定着後、2年定着後、3年定着後にそれぞれ奨励金が支給されます。中小企業の場合は2人目の対象者を採用した場合にも奨励金が支給されます。

また若者の採用・育成に積極的であると認められた「ユースエール認定企業」の場合には、1年定着後の奨励金に10万円が加算されます。

つまり、ユースエール認定企業が三年以内既卒者等採用定着奨励金制度を用いて高校中退者を3年間雇用すると、90万円が支給されるのです。

対象者の条件

中学校・高校・大学・専修学校・外国の学校、公共職業能力開発施設、職業能力開発総合大学校の卒業者、または中退者で、技術、技能を培うことができていない人、という観点から過去に同一の事業主の元で1年以上正規雇用された経験がない人に限ります。また事業主か取締役の3親等以内の親族は対象外です。

既卒者コース

3年以内に学校を卒業した「既卒者」・3年以内に学校を中退した「中退者」が応募できる新卒求人の募集を行い、その求人に応募した既卒者・中退者を新卒と同じ業務内容、業務形態で雇用すること、また過去3年度間に既卒者・中退者が新卒として応募できる求人を行っていないことが条件です。

高校中退者コース

3年以内に高校を中退した中退者が応募できる高卒求人の募集を行い、その求人に応募した高校 中退者を高卒と同じ業務内容、業務形態で雇用すること、また過去3年度間に高校中退者が高卒として応募できる求人を行っていないことが条件です。

企業の区分

中小企業と認定されるには、対応する業種で、資本金もしくは出資の総額が基準金額以下、または常時雇用している労働者数が基準人数以下である必要があります。

業種資本金か出資の総額常時雇用する労働者数
小売業・飲食業5000万以下50人以下
サービス業5000万以下100人以下
卸売業1億円以下100人以下
その他の業種3億円以下300人以下

企業の条件

対象者の雇用が始まる前日の6ヶ月前から1年6ヶ月が過ぎるまでの期間を基準期間といいます。この基準期間に事業主都合で従業員を離職させている、賃金を支払っていない、高齢者特別措置法を講じていない、保険料を滞納している、助成金の支給に関する書類を保管していない、などの条件に当てはまると奨励金は支給されません。詳しくは以下PDFの「奨励金の不支給要件」をご覧ください。

今まで第二新卒や高校中退者の募集を行っておらず、親族の採用でなければ、あとはやるべきことをやり、過去に不正行為などを行っていなければ不支給になることはないでしょう。

労働局に書類を提出するだけで「手続きはかんたん」

三年以内既卒者等採用定着奨励金の流れは以上の図のように行われます。

労働局に新人求人の募集時と、第1~3期の支給申請時に書類を提出することで奨励金が支給されます。当期が終わった後2ヶ月間の支給申請期間に奨励金を申請しなければ、支給されないという点には注意が必要です。

申請時に必要な書類は以下の通りです。なおこの制度に関係する書類は5年間保存しておく必要があるのでご注意ください。

新人求人の募集時に提出する書類

・新卒求人の募集要項
・今回の募集の前3年度間に募集した、新卒を対象とした募集要項

第1期の支給申請時に提出する書類

・対象者との労務契約を確認できる書類(または写し)
・対象者の卒業、退学と時期が確認できる書類
・対象者の支給対象期の出勤状況が確認できる書類
・賃金が支払われたことが確認できる書類
・誓約書
・ユースエール企業の場合は認定通知書の写し
・その他支給要件を確認するために必要な書類

第2期・第3期の支給申請時に提出する書類

・対象者の支給対象期の出勤状況が確認できる書類
・賃金が支払われたことが確認できる書類
・前期の支給決定通知書
・その他支給要件を確認するために必要な書類

終わりに

今年から始まったばかりの新しい制度であることもあり、知名度はあまり高くなく、普及もまだまだ進んでいない「三年以内既卒者等採用定着奨励金」ですが、若者を採用したいと考えている企業にとってはまたとないチャンスです。この機会に第二新卒の採用を考えてみてはいかがでしょうか。

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