【NPO・福祉関係者必見】ソーシャルビジネス支援資金とは - 節税や実務に役立つ専門家が監修するハウツー - 税理士ドットコム

税理士の無料紹介サービス24時間受付

通話無料 0120537024

  1. 税理士ドットコム
  2. 資金調達
  3. 資金調達のハウツー
  4. 【NPO・福祉関係者必見】ソーシャルビジネス支援資金とは

【NPO・福祉関係者必見】ソーシャルビジネス支援資金とは

ソーシャルビジネスとは、社会問題の解決を目的としたビジネスのこと。このソーシャルビジネスを始める上での大きな課題の一つとして「資金調達」が挙げられます。

実際、日本政策金融公庫総合研究所が2014年に行ったアンケートによると、ソーシャルビジネスにおいて社会性と事業性を両立していく上での課題として、「人手の確保」や「売上の増加」に加えて、「運転・設備資金の確保」が挙げられています。そこで注目されている融資制度として、日本政策金融公庫の「ソーシャルビジネス支援資金」があります。

目次

ソーシャルビジネス支援資金とは

ソーシャルビジネス支援資金とは、2015年2月から始まった、日本政策金融公庫が提供するソーシャルビジネス専用の融資制度です。この制度は、地域で福祉などの社会的課題の解決を目指して活動するNPO法人や事業者など、ソーシャルビジネスの担い手を支援するために作られました。

ソーシャルビジネスの範囲

日本政策金融公庫が行うソーシャルビジネス関連の融資は、2015年度で7700件程度でしたが、2017年度では1万件を超え、年々実績を伸ばしています。

日本政策金融公庫にとって、ソーシャルビジネス支援は力を入れている分野であり、融資以外の経営サポートなどの支援を行うほか、NPO法人以外の事業者であっても、保育サービス事業や、商店街の活性化を目的とした喫茶店など、事業内容の社会貢献性を評価して融資することがあります。

ほかの資金調達手段との比較

そもそも、ソーシャルビジネスを行う上で、必要な資金を調達するには、主に「補助金・助成金」「会費や寄付」「金融機関からの借り入れ」の3種類の手段が考えられます。

まず、補助金・助成金についてですが、国や地方自治体が資金提供元となった返済不要の資金です。これらの補助金・助成金は使用目的が制限されていることや、支給される時期が決まっているため、必要なタイミングで手に入れられる資金とは限りません。

会費や寄付は、集めた資金の使用目的が自由であることや、寄付を募る活動を通して、自分たちの行っている事業のPRにも繋がります。しかし、あくまで人々の善意で集まる資金であるため、事業を行う上で十分な金額を集めにくい点や、知名度がないと資金が少額になってしまう点がデメリットとなります。

必要なタイミングで必要な資金を調達する方法として考えられるのは、金融機関からの借り入れです。融資による資金調達の場合、資金繰りが安定するのはもちろんですが、返済のために資金計画や事業計画を作成する必要があるため、経営に対する意識の向上につながるなど、資金調達以外のメリットもあります。

なお、金融機関にもさまざまな種類がありますが、ソーシャルビジネスでの融資を考えているならば、まずはソーシャルビジネス支援資金の活用を検討してみるといいでしょう。

 補助金・助成金金融機関からの借り入れ会費や寄付
メリット・返済義務がない・経営への意識づけが強まる
・必要なときに資金を調達出来る
・まとまった金額を調達しやすい
・集めた資金の使いみちが自由
・事業のPRにつながる
デメリット・使いみちが制限されている
・支給時期が決まっているため、資金が必要なときに調達しにくい
・返済義務がある
・民間金融機関だと融資を受けづらいこともある
・調達金額がどれくらいになるか見当がつかず、少額になることもある

融資の対象となる人

ソーシャルビジネス支援資金に申し込めるのは、以下の条件に当てはまる人になります。

  1. NPO法人
  2. 保育サービス事業を営む人(NPO法人以外)
  3. 介護サービス事業を営む人(NPO法人以外)
  4. 社会的課題の解決を目的とする事業を営む人(NPO法人以外)

「社会的課題の解決を目的とする事業を営む人」とは

「社会的課題の解決を目的とする事業を営む人」とはあいまいな表現ですが、融資実績を見ると、多種多様な分野に渡ります。

【例】
高齢者の介護、子育て支援、女性活躍支援、障がい者の就労支援、商店街の空き店対策、被災地復興、自然・環境保護、途上国支援、過疎地域の活性化 など

定義について、日本政策金融公庫が広めに解釈してくれる傾向があるため、営んでいる事業によっては、思いがけずにソーシャルビジネスとして支援を受けられることがあります。飲食店や警備業など、一見社会福祉にあまり関連が無いように見える事業でも、社会貢献性が認められれば融資に至ることもあるでしょう。

融資限度額

担保がない場合とある場合とでは、融資限度額や条件などが変わります。まず、担保がない場合の融資限度額は2通りあります。

税務申告を2期以上行っている人が利用できる「担保を不要とする融資」の場合、担保不要で代表者のみの保証で、4800万円まで融資が可能です。なお、個人で営業している場合は保証人は不要です。

次に、新たに事業を始める人、または事業開始後で税務申告を2期を終えていない人が利用できる「新創業融資制度」の場合は、担保・保証人不要で3000万円まで融資が可能です(うち運転資金は1500万円まで)。

担保がある場合の融資限度額は、7200万円で融資が可能となっています(うち運転資金は4800万円まで)。

また、NPO法人の場合は、利率を上乗せすることで代表者保証が不要になります(「新創業融資制度」を除く)。

返済期間

返済期間は、担保の有無に関わらず、使途が設備資金の場合は20年以内(うち元金返済の据置期間2年以内)、運転資金の場合は7年以内(うち元金返済の据置期間は2年以内)となります。

融資の利率

事業内容やNPO法人であるかどうか、担保あり・なしなどで、融資の利率は細部化されています。たとえば事業内容が保育サービスで担保ありの場合では0.30〜1.70%と、ほかの金融機関と比べても低金利となっています。

下記は、2018年10月11日現在の利率です。利率は変動するため、実際の金利はその都度日本政策金融公庫のホームページで確認しましょう。

事業内容利率(担保なしの場合)利率(担保ありの場合)
保育サービス1.16〜2.20%(特別利率B・特別利率C)0.30〜1.70%(特別利率B・特別利率C)
介護サービス1.16〜2.20%(特別利率B・特別利率C)0.30〜1.70%(特別利率B・特別利率C)
認定NPO法人1.66〜2.45%(特別利率A)0.76〜1.95%(特別利率A)
社会的課題の解決を目的とする事業1.66〜2.45%(特別利率A)0.76〜1.95%(特別利率A)
上記以外の事業2.06〜2.85%(基準利率)1.16〜2.35%(基準利率)

融資の手続きの仕方

ソーシャルビジネス支援資金の融資を受ける場合の手続きは、以下のとおりです。

1.日本政策金融公庫の支店窓口で相談
まず、電話や窓口でソーシャルビジネス支援資金の融資を受けたいことを相談します。

2.必要書類の作成
申し込みの際に必要となる書類は主に、借入申込書・創業計画書(事業を始める場合)・見積書(設備資金が必要なとき)です。

3.申し込み・必要書類の提出・面談の実施
必要書類を支店に提出し、申し込みが完了すると、1〜2週間ほどで担当者との面談が行われます。

4.結果の通知・融資の実行
面談後、融資審査が行われ、その結果が1〜2週間以内に電話または郵送で伝えられます。その後、契約手続きが行われ、指定された銀行口座に融資金額が振り込まれます。

ソーシャルビジネス支援資金は、申し込みから融資実行まで約3週間〜1か月ほどかかります。そのため、資金調達が厳しくなるぎりぎりの段階で申し込むのではなく、余裕を持って手続きを行いましょう。

なお、融資のために必要な手続きは、日本政策金融公庫が設けているほかの融資制度と共通となっています。各種融資や日本政策金融公庫については、下記リンクを参照してください。

融資事例

では、このソーシャルビジネス支援資金はどのような団体で活用されたのでしょうか。実際に日本政策金融公庫が公開している融資事例を紹介します。

出版業や障害福祉事業を行うA社の場合

出版業や障害福祉事業を行うA社では、顧問税理士からの紹介をきっかけに、ソーシャルビジネス支援資金による融資を受けることになりました。事業の性質上、売上から実際の入金までに時期を要するため、それまでに必要となる運転資金や、業務拡大時の設備資金として利用しました。

幼児教育や子育て支援を行うB合同会社の場合

子育て支援を行う事業を営んでいるB合同会社では、幼児教育の教室を新しく開校するための工事費用などについて、ソーシャルビジネス支援資金を利用し、融資を受けました。また、行政からの受託事業に関わる際のつなぎ資金としても、利用しています。

女性活躍を進めているC社の場合

イベント・商品企画事業のほか、飲食店事業、弁当宅配事業を行っているC社は、カフェの厨房の増設のための設備資金として、ソーシャルビジネス支援資金を利用しました。地元の活性化と女性活躍推進を目標にしていることから、社会貢献性が評価され、融資が行われました。

おわりに

ソーシャルビジネス支援資金の対象となる事業は意外と広いものです。NPO法人はもちろん対象になりますが、NPO法人以外の形態で事業を行っている場合でも、事業の社会貢献性が認められれば、一般の民間金融機関と比較してかなり低利率で融資を受けることが可能です。

ただし、借り入れにあたっては審査があるため、場合によっては融資を受けることができない場合もあります。また、創業計画書をはじめとする書類作成などの手間もかかります。

そのため、実際に融資を申し込む際には、日本政策金融公庫からの資金調達に強い税理士に相談することをおすすめします。

資金調達に関する他のハウツー記事を見る

もっと見る

協力税理士募集中!

税理士ドットコムはコンテンツの執筆・編集・監修・寄稿などにご協力いただける方を募集しています。

募集概要を見る

ライター募集中!

税理士ドットコムはライターを募集しています。

募集概要を見る

資金調達に関する税務相談Q&Aをみる

  • 融資コンサルタントの手数料

    現在フリーランスで活動しており、創業融資の申請を考えています。 融資コンサルタントからもサポートのお話を頂いているのですが、行政書士さん単独でお願いするより手...
    税理士回答数:  2
    2018年12月16日 投稿
  • 日本政策金融公庫への融資申し込みについて

    日本政策金融公庫への融資申し込みを考えています。 2年間,メルカリやヤフオクで,手作りのファブリック製品を販売して来ました。 60歳から厚生年金を受給し,その年...
    税理士回答数:  2
    2018年12月15日 投稿
  • 社長の報酬金額の件

    現在会社運営がうまくいっておらず、メインの借入先、金融公庫と銀行の元金の支払いを停止していただき、利息のみはらっております。この措置の間に経営改善し、来期は元金...
    税理士回答数:  3
    2018年12月07日 投稿
  • 連帯保証人について

    日本政策金融公庫に申し込むのに,連帯保証人は,厚生年金受給者で,パートで働いています。連帯保証人がパート勤務でも保証人になれますか?
    税理士回答数:  2
    2018年12月07日 投稿
  • 太陽光設備が法人契約、融資が個人契約の場合の税務対応

    ・融資を受けて、太陽光設備を購入するものですが、融資が個人名義の場合でも、  申告上は、問題ないでしょうか?  個人名義は、代表社員の名義で融資を受けます。 ・...
    税理士回答数:  1
    2018年12月05日 投稿

顧客満足度の高い税理士を無料でご紹介します。

このようなニーズがある方は、お気軽にご相談ください。

  • 税理士を変更したい
  • 初めての税理士を探したい
  • 相続税の申告をしたい
  • 会社設立・開業をしたい
  • 個人事業主の節税・申告をしたい
税理士選び〜契約までをサポート
通話無料 0120537024
  • 最短当日
  • 24時間受付
  • 年中無休
  • 全国対応