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【廃業してもやり直せる】再チャレンジしたい人の資金調達の手段とは?

過去に倒産や廃業歴がある経営者は、金融機関からお金を借りにくいという現状があります。しかし、一度失敗した経験があるからこそ、その失敗を踏まえ、より優れた経営者になることができる可能性も十分にあるでしょう。

実は、過去に倒産や廃業を経験した経営者に対し、国や自治体、民営機関では、再チャレンジを応援するさまざまな支援策を用意しています。

目次

日本政策金融公庫の「再挑戦支援資金」とは

政府系金融機関のである日本政策金融公庫では、「再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)」という融資制度を設けています。これは、過去に廃業歴のある人を対象とした融資制度です。

日本政策金融公庫では、個人・小規模事業者向けにサービスを展開する国民生活事業と、中小企業向けに展開する中小企業事業に分かれていますが、その両事業において、「再挑戦支援資金」を扱っています。以下でその内容について紹介します。

利用できる人

「再挑戦支援資金」を利用できる人は、以下の条件をすべて満たす必要があります。

  • 廃業歴等を有する個人または廃業歴等を有する経営者が営む法人であること
  • 廃業時の負債が新たな事業に影響を与えない程度に整理される見込み等であること
    (過去の廃業により、多額の負債を抱えており、完済のめどが立たない人、破産手続きを行ったが免責決定を受けられなかった人は融資が難しいとされます)
  • 廃業の理由・事情がやむを得ないもの等であること
    (たとえば、許認可が必要な事業で無許可営業したり、法律に違反するような行為で廃業になった場合は、対象になりません)
  • 新たに開業する人、または開業後概ね7年以内であること

融資内容

具体的な融資内容は以下のとおりになります。

 国民生活事業中小企業事業
資金の使いみち新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金及び運転資金
融資限度額7200万円以内(うち運転資金4800万円)7億2000万円(うち運転資金2億5000万円)
利率(年)基準利率   1.16〜2.85%
特別利率A   1.86〜2.45% ※1
特別利率B   1.61〜2.20% ※2
基準利率  1.11〜1.50%
特別金利(1) 0.71〜1.10% ※3
特別利率(2) 0.46〜0.85% ※4
返済期間
(設備資金)
20年以内(うち据置期間2年以内)
返済期間
(運転資金)
7年以内(うち据置期間2年以内)
担保・保証人相談の上決定
※金利については、2018年10月11日現在のもの
※1 女性または35歳未満か55歳以上の人で運転資金及び設備資金(土地取得資金を除く)
※2 技術・ノウハウ等に新規性がみられる人の運転資金及び設備資金(土地取得資金を除く)
※3 女性、若年者(35歳未満)または高齢者(55歳以上)が必要とする資金(土地にかかる資金を除く)について2億7千万円までの分
※4 技術・ノウハウ等に新規性がみられる資金(土地に係る資金は除く)であって、一定の製品化及び売上が見込めるものについて2億7000万円までの分

参考:日本政策金融公庫|再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)

担保・保証人の条件については、優遇措置が設定してあります。たとえば、経営者本人の個人保証を不要とするほか、税務申告を2期以上行っている・所得税を完納していることを条件に、第三者保証人等を不要とすることが可能です。ただし、その分金利が高くなってしまう点に注意してください。

金利に関しても優遇措置があります。たとえば国民生活事業の場合、女性または35歳未満か55歳以上の人であれば、特別金利Aが、技術・ノウハウ等に新規性があると融資担当者に認められれば特別金利Bが適用され、通常の基準利率よりも低い金利で借り入れを行うことが可能です。

融資の際のポイント

再挑戦支援資金の融資実績が年間703件(2016年度の実績)であり、新規開業向けの融資である新創業融資制度の2万4662件と比較すると決して多くはありません。

また、債務の返済の見込みが立っていること、経営者自身が過去の失敗とどう向き合っているかなどが、融資する上で重要となることから、審査が厳しいと思われます。事業計画書の策定資金計画については万全の形で揃えておきましょう。

信用保証協会による「再挑戦支援保証」とは

再挑戦支援保証」とは、過去に廃業経験のある創業者が融資を受ける際に、信用保証協会と呼ばれる組織が債務保証を行うことによって、銀行からの資金調達の円滑化を図る制度です。つまり、再チャレンジしたい人借り入れをしやすくするために支援を行う役割を持っています。

利用できる人

利用できる人は、事業を廃止または会社を解散してから5年以内であり、かつ以下に該当する方になります。

なお、この制度を利用する際は、各都道府県にある信用保証協会の窓口で申し込みます。

  • 現在、事業を営んでいない個人で、1か月以内に新たに事業を開始する人
  • 現在、事業を営んでいない個人で、2か月以内に新たに会社を設立する人
  • 事業を営んでいない個人が事業を開始して、5年未満の個人事業主
  • 事業を営んでいない個人が設立した会社で、設立後5年未満

保証内容

具体的な保証内容については、各都道府県の信用保証協会によって異なるので、ここでは和歌山県信用保証協会の再挑戦支援保証を例に紹介します。

再挑戦支援保証の内容
資金の使いみち運転資金・設備資金
保証限度額2000万円
利率(年)取扱金融機関の所定利率
信用保証率年1.00%
保証期間10年間(据置期間1年以内)
担保・保証人無担保・保証人は原則法人代表者のみ

参考: 和歌山県信用保証協会|再挑戦支援保証

制度利用の注意点

再挑戦支援保証制度は、5年以内に事業を廃止した人や会社の解散を経験した人でこれから、事業を始める人を対象にしています。したがって、一度事業に失敗したあと、個人事業主として事業を既に始めてしまった人は、利用することができません。

地方自治体による再チャレンジ支援事業

横浜市や三重県、群馬県などの一部の地方自治体では、金融機関や信用保証協会などと協力して、再チャレンジしようとする人に対して独自の支援行っています。

横浜市の制度融資を例に、その支援内容を紹介します。

横浜市の再挑戦支援事業とは

横浜市では、一度事業に失敗した経営者を対象に、経営アドバイスと制度融資の、両面からの支援を行っています。

経営アドバイス(再挑戦支援事業)では、横浜市経済局に再挑戦支援窓口を設置し、経営者の相談を受け付けています。また、再挑戦支援の経験を持つ弁護士や公認会計士、経営コンサルタントを派遣して特別相談を行うほか、経験豊富な企業経営者からなるメンターによる支援・育成が行われます。

さらに、横浜市、地元金融機関、横浜市信用保証協会の三者が連携した制度融資、創業おうえん資金「再挑戦」を設けています。通常制度融資の際に必要となる信用保証協会の保証料が全額免除になるのが特徴です。申込みの窓口は、横浜市内の取り扱い金融機関になります。

利用できる人

利用できる人は、市内で新たな事業を始めようとしている人で、以下の条件を全て満たしている人になります。

  • 過去に自らが営んでいた事業を経営悪化により廃止した経験のある人、または過去に経営悪化により解散した会社の解散の日において、会社の業務を執行する役員であった人(または新たな事業を開始してから5年未満の人)
  • 事業の廃止日または解散日から5年未満の人
  • 横浜市の再挑戦支援事業の支援を受けている人

前述した、経営アドバイス(再挑戦支援事業)の支援を受けていないと対象になりません。また、新規事業を開始してから5年未満の人も融資の対象となります。

創業おうえん資金「再挑戦」の融資内容

創業おうえん資金「再挑戦」の融資内容は以下になります。

創業おうえん資金「再挑戦」の融資内容
資金の使いみち運転資金・設備資金
融資限度額2000万円以内
利率(年)固定金利 2.0〜2.4%
変動金利 短期プライムレート+0.7%以内
返済期間
(運転資金)
7年以内(うち据置期間1年以内)
返済期間
(設備資金)
10年間(据置期間1年以内)
信用保証料全額免除
担保・保証人無担保・保証人は原則法人代表者のみ

参考:横浜市|経済局 中小企業融資制度のご案内 創業おうえん資金(再挑戦)

再チャレンジに特化した投資ファンドによる支援

日本ではまだ珍しいですが、再チャレンジを目指す経営者への支援に特化した投資ファンドがあります。

一般社団法人「MAKOTO」は、再チャレンジ環境の整備や福島県の震災復興の観点から、福島銀行と共同で、企業の再チャレンジに特化した投資ファンド「福活ファンド」を立ち上げました。

「出資」による資金調達

先ほど紹介した「再挑戦支援資金」や「再挑戦支援保証」、地方自治体の制度融資は、単に融資制度であったり、銀行からの融資を受けやすくするための支援をする制度です。しかし、投資ファンドの場合は、企業に対して資金を提供する「出資」という形になります。

そのため金融機関からの借り入れと異なり、出資金の返済義務が発生しない点がメリットとなります。その反面、ファンドが経営に関与するため、経営の自由度に制約がかかります。なお一般的に、融資を受けるよりも出資金を受ける方が、資金調達のハードルは高くなります。

応募できる人

福活ファンドに応募できるのは、以下の条件のいずれかに当てはまり、福島県内に設立または移転する法人であることが条件です。

  • 倒産等の経験があり、これから再起を計画中の元経営者
  • 倒産等の経験があり、すでに再起業した経営者
  • まだ倒産等をしてはいないが、企業が実質的に倒産状態であり、再起を計画中の経営者

ファンドの概要

ファンドの概要は以下になります。

福活(ふっかつ)ファンドの概要
ファンド名称福活(ふっかつ)ファンド
管理・運営福活ファンド投資事業有限責任組合
出資総額10億円
投資金額1社あたり最大1億円程度を想定
投資手法普通株式・優先株式・転換社債など
設立2015年8月
運営期間10年間
投資期間(案件受付期間)7年間

参考: 福活ファンド投資事業有限責任組合

ファンドのポイント

福活ファンド」による支援を受ける際のポイントは2つあります。

1つ目は、選考基準です。日本初の再チャレンジ専用ファンドということもあり、起業家の志を重視しています。そのため、優れた事業計画書を作成することも重要ですが、失敗の経緯や経営者の人格についても選考する上で重要なポイントになります。

2つ目は、応募条件を満たした上で、福島県内に設立または移転する法人にのみ投資を行うということです。これは、福島県に全国から起業家を呼び込み、復興を加速させることがファンドの目的のひとつだからです。

再チャレンジ向けの資金調達のまとめ

この記事で紹介してきた制度についての概要・メリット・デメリットなどについてまとめたものが、以下の表になります。

 「再挑戦支援資金」
(日本政策金融公庫)
「再挑戦支援保証」
(信用保証協会)
「再チャレンジ支援事業」
(横浜市の例)
投資ファンドの出資
(福活ファンドの場合)
概要廃業歴のある人を対象にした融資制度廃業歴のある人を対象が銀行から借り入れをしやすくするための制度廃業歴のある人を対象にし、制度融資と経営相談が同時に利用できる制度廃業歴のある人を対象に出資を行うファンド
メリット・他の融資制度と比較すると借り入れしやすい
・低金利で借り入れができる
・民間金融機関からの借り入れがしやすくなる・担保が不要・返済義務が不要
デメリット・融資時に、これまでの借金の返済のめどをつける必要がある
・経営サポートが手薄
・保証料が発生するため資金調達のコストが上がる・調達できる金額が比較的少ない
・住民税等の滞納があると利用できない
・経営の自由度に制約がかかる
資金調達のしやすさ各都道府県により異なる
調達できる金額の大きさ

おわりに

政府が2013年に発表した日本再興戦略では、倒産などを経験した起業家の再チャレンジ支援が政策の一つとして挙げられています。

そのため近年では、先ほど紹介したような公的機関などの融資制度などが登場し、以前よりも再チャレンジがしやすい環境になってきています。

とはいえ、公的機関などの融資を受ける場合、債務整理などを行い返済に見通しをつける必要があったり、税金の滞納があると制度を利用することができない場合もあります。

また、投資ファンドの活用も1案ですが、投資先として採用される可能性はかなり低くなっています。つまり、再チャレンジの際の資金調達に関しては、公的機関からの融資を検討することが現実的だといえるのです。

一度はやむを得ない事情で経営に失敗したけれど、再チャレンジをしたい人で、実際に融資を検討する場合には、資金調達に強い税理士に相談してみることをおすすめします。

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