ICO(クラウドセール)に投資したい人必見!始め方と注意点のまとめ

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ICO(クラウドセール)に投資したい人必見!始め方と注意点のまとめ

監修: 伊香賀 照宏 税理士

資金調達の新たな手法として、ICO(クラウドセール)が注目を集めています。仮想通貨取引所で事業者が仮想通貨(トークン)を発行し、投資家にビットコインなどで、これを購入してもらう、という資金調達手法です。

最近では、「COMSA」を始めとするICOを行うプラットフォームサイトが出現するなど、調達環境もより整ってきていて、投資対象としても存在感が高まってきています。

そこで今回はICO投資を検討している方のために、ICOのメリットとリスク、ICO参加の手順についてご説明いたします。

目次

ICOってなに?

ICOとは、事業者が独自の仮想通貨を新規発行することで行う、資金調達の一つの方法です。発行する独自の仮想通貨は「トークン」と呼ばれる事が大半です。

発行されたトークンは不特定多数の投資家に購入されることになります。トークン購入の際には、ビットコインやイーサリアムなど、既存の仮想通貨が支払手段として用いられます。

ICOの特徴

ICOは、銀行や証券会社などの仲介を必要とせず、インターネット上で小口から購入を受け付けています。よって、IPOと比べると参加が容易なうえ、より革新的で公益性の高い事業に投資することが可能という特徴があります。

ICOの仕組み

ICOによる資金調達は、仮想通貨取引所を通じて行われます。事業者は発行にあたり、事業計画や事業内容を記載した「ホワイトペーパー」、投資家との契約を規定する「オファー」を作成します。

発行されたトークンは投資家に、流通済みの仮想通貨で購入され、事業者は受け取った仮想通貨を取引所で円やドルの法定通貨に換金します。これにより事業者は事業資金を得て、投資家はトークンを受取ります。

投資家はトークンの値上がりによるキャピタルゲイン、あるいは事業者の財・サービスについての特典を受けることで、投資回収を行います。

ICOの分類

ICOは事業者の発行するトークンの性質に応じて、以下のように5つに分類することができます。尚、この分類は筆者独自の判断に基づいたものであり、正確性を保証するものではありません。

  1. トークンに他の仮想通貨同様の性質を与える「仮想通貨型」
  2. 投資家のトークン保有割合に応じて収益を分配する「収益分配型」
  3. トークンの流通を事業者の財・サービスの利用内に限る「プリペイド型」
  4. 投資家のトークン保有割合に応じて特典を付与する「優待型」
  5. 投資家から寄付として資金を募る「寄付型」

ICO投資のメリット

ICOへの参加メリットとしては、「小口投資」、「転売の容易さ」、「上手く行けばハイリターン」などが挙げられます。これらについて、以下で順にご説明いたします。

小口投資ができる

ICOに参加する際、投資家は小口からの投資をおこなうことができます。実際にCOMSAにおけるICO案件の場合は、参加の下限金額は設けられていません。よって手数料を考慮すれば、気軽に興味のあるプロジェクトに投資することができるのです。

トークンの転売が容易

ICOが仮想通貨型のものであれば、発行されたトークンは他の仮想通貨と同容に取引所で取引が行えます。仮想通貨は「ブロックチェーン」と呼ばれる分散型台帳システムを用いているため、インターネット上で即座に払込を完了できます。

また同様にして、転売も瞬時に行うことが可能であり、株式売却時にかかるような手数料も抑制することができます

ハイリターンが見込めるかもしれない

IPOは利用し難いが、ICOならば試したいといった、それまでに日の目を見ていなかった革新的な新興企業に投資する機会を得ることができる可能性があります。

事業が順調に成長していき、またトークンの流通も市場も成熟していったならば、将来的に大幅な売却益を獲得できる可能性があります。中には数百倍、数千倍のキャピタルゲインを得た、という事例もあり、非常にロマンのある投資手法です。

ICO投資のリスクとデメリット

他の投資手段にはない魅力を持つICOですが、登場して間もない調達手法である分、他の投資手法には無いデメリットやリスクを把握しておく必要があります。

トークンの流動性が低い

発行されたトークンの価値が低い段階では、実質的にはトークンが使用不可な状態になってしまいます。よって、短期的なリターンを見込むことは難しいといえます。

またこの状態が長期に渡って続く場合、投資金額の回収が困難になってしまうこともあります。

投資家保護が不十分

ICO投資においては、事業がうまくいくかどうかがわからない、という点が最大の問題です。しかも、IPOのように事業計画を公告させる権利を投資家は持てませんし、事業の経営について「物言う」権利も与えられません。

そして結果として事業が失敗したり、事業者が失踪した場合に、投資家を法的に保護する制度が存在しないのです。今後の仮想通貨法の整備次第ではこの点がカバーされうるのかもしれませんが、それまでは文字通り「自己責任」での投資ということになります。

実際に海外では、ICOを装った詐欺の事例が発生しています。「Confido」というスタートアップ企業が、投資家から仮想通貨を受取った後、対価となるトークンを受渡さずに失踪してしまったのです。このときの投資家側の被害総額は、合計で4,200万円を超える金額でした。

こういった事例をうけて海外では、悪意あるICO案件から投資家を保護する動きも出てきています。香港に拠点を置く仮想通貨取引所「KuCoin」や、エストニアに本社を構える分散型のプラットフォーム「Descrow」です。

KuCoinでは、Confidoへの出資で損が生じたユーザーに対して一定額の保証を行うと発表しました。またDescrowは、投資家自身に多数決でプロジェクトの信頼性を判断させる制度を導入しています。今後は日本においても、こういった投資家保護の動きが強まっていくことでしょう。

ICO投資を行う際は、なるべく投資家保護の制度がある取引所や、ICOプラットフォームを通じてICO案件に投資する、ということも念頭に置いておきましょう。

ホワイトペーパーの理解が困難

ICO案件によっては、事業者のプロジェクトが技術的に高度であることがあります。また、海外のICO案件に投資する場合には外国語理解の問題が生じることもあり、ホワイトペーパーを理解すること自体が困難であるケースもありえます。

この場合は投資を控えるか、事業者に連絡を取ってきちんと事業の理解を得た上で、ICOへ参加することを心がけましょう。

ICOへの参加手順

投資家がICOに参加(投資)する場合の手順は、以下のとおりです。

  1. ICOの情報を得る
  2. 参加するICOに必要な仮想通貨を購入する
  3. ICOに参加してトークンを購入する

1. ICOの情報を得る

まずは、直近でどのようなICO案件があるのかを探すところから始まります。

ICOについての情報を記載した代表的なサイトには、日本語のサイトでは「Crypto Currency Magazine」や「ICO MARKET」があります。また、英語のサイトでは「ICO Countdown」や「Coinshedule」などが代表的です。

実際にICOへ投資を行う人のブログなども参考にし、様々なサイトをチェックしてみることをおすすめいたします。

またICOを選定する上では、事業者のホワイトペーパーとオファーの内容について熟知しておくと良いでしょう。ホワイトペーパーを読む際には、以下のような疑問を抱きながら読み進めると、より安全に投資を行うことができるでしょう。

  • なぜICOによる資金調達が必要なのか?具体的に何に充当するのか?
  • 事業の具体的な構想・ビジネスモデルを想定しているか?
  • トークンにはどのような性質が備えられるのか?
  • どの仮想通貨を、トークンの購入時に使用可能にするのか?
  • 事業を成功に導けそうなメンバーが揃っているか?

2. 参加するICOに必要な仮想通貨を購入する

ICOの多くはビットコインとイーサリアムを取引通貨に定めていることが多いですが、その他の仮想通貨での購入を可能にしている場合もあります。いずれにしても、ICOに参加するためには、まず仮想通貨を購入しなければなりません。

仮想通貨の購入は、「Coincheck」や「bitFlyer」、「Zaif」などの仮想通貨取引所で行うことができます。

仮想通貨を購入したら、ICOでの送金のために「ウォレット」を作成しましょう。ウォレットは銘柄によって様々なものが存在します。例えばイーサリアムも含め、いくつかの仮想通貨を送金できるウォレットとして「My Ether Wallet」というウォレットがあります。

このウォレット上では、保有仮想通貨の残高確認に加え、送金先のアドレスを指定して送金を実行することができます。

3. ICOに参加してトークンを購入する

ウォレットを作成したら、取引の宛先となるアドレス、送金数量を入力し、送金を行います。すると数日後に、購入したトークンが手元に入ってくることになります。これをもって投資は完了です。

ICOでかかる税金

投資家の方は、ICOで購入したトークンで利確を行った場合に、税金が課されることになります。

一般に、仮想通貨取引で課税がなされるのは以下の3パターンです。

  1. 仮想通貨で財・サービスを購入する
  2. 仮想通貨を円貨に替える
  3. 仮想通貨と仮想通貨の交換

このうち、ICOでのトークン購入は3.のパターンとみなされます。トークン購入時に保有している仮想通貨が値上がりしているのであれば、その差額分が課税対象になりますので、注意しましょう。

おわりに

将来性あふれるICO投資ですが、投資にあたっては事業の成長性・信頼性を十分に見極めることが肝要です。この点で確信をもてないICO案件への投資は、決して行わないようにしましょう。

もしも投資が大成功して節税対策で悩むような場合には、お近くの税理士に相談することをおすすめいたします。無料で税理士に相談できる「みんなの税務相談」も活用してみてください。

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