合同会社はどんな会社?株式会社との違いや向いている業種、税金について解説

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合同会社はどんな会社?株式会社との違いや向いている業種、税金について解説

監修: 山本 邦人 税理士

新しく起業したり法人成りする際に検討すべきことのひとつが「どの会社形態にするか」ということです。もっとも知名度が高く件数も多いのは「株式会社」ですが、近年では「合同会社」の創立件数も増えてきています。

この記事では、合同会社と株式会社の違いや合同会社が向いている業種のほか、かかる税金など合同会社の基礎知識を分かりやすく解説します。

目次

合同会社とは

「合同会社」は、アメリカのLLC(Limited Liability Company)と同じ会社形態で、2006年5月の会社法施行以降、有限会社に代わって新しく認められた企業形態のひとつです。

法人格があり、有限責任がある点では株式会社と同様ですが、「経営者と出資者が同じ持分会社」「出資者全員が有限責任社員」といった特徴があります。

知名度は株式会社に及ばないものの、2010年には約7,000社だった設立数が、2020年には5倍近くの約33,000社になるなど、年々設立数が増加している注目の会社形態です。

合同会社の設立件数

※参考:政府統計の総合窓口(e-Stat)|会社及び登記の種類別 会社の登記の件数

実はあの会社も!有名な合同会社

合同会社の形態で事業を行っているのは、なにも小さい会社だけというわけではありません。誰もがよく知っている大手企業や、珍しいところでは有名アイドルの所属事務所も、合同会社の会社形態を採用しています。

合同会社の一例

  • アマゾン・ジャパン合同会社
  • グーグル合同会社
  • Apple Japan合同会社
  • ユニバーサルミュージック合同会社
  • P&Gプレステージ合同会社(旧P&Gマックスファクター)
  • 合同会社西友
  • 乃木坂46合同会社

ご覧いただいてわかるように、外資系企業が多いことが特徴として挙げられます。外資系企業が日本法人を設立する際に合同会社を選択する理由としては、コスト削減や株主総会などの機関を設定する必要がないことなどが考えられるでしょう。

合同会社と株式会社の違い

株式会社と合同会社は、税法上はどちらも原則「すべての所得に対して普通税率で課税される普通法人」のため、税金の負担に関しては同じです。ただし、設立時のコストや事業を営む上で、下表のようにさまざまな違いがあります。

 株式会社合同会社
会社設立費用 (電子定款の場合は収入印紙不要)24万2000円
登録免許税 : 15万円
└収入印紙 : 4万円分
定款の認証手数料 : 5万円
└定款の謄本作成料 : 2000円
10万2000円
登録免許税 : 6万円
└収入印紙 : 4万円分
└定款の謄本作成料 : 2000円
会社の代表者の名称代表取締役代表社員
出資者の名称株主(発起人が出資額に応じて株主になる)社員(出資者全員が会社経営者となる)
資本金の額1円以上1円以上
最高意志決定機関株主総会社員(出資者)総会
株式の上場できるできない
役員の任期株式の譲渡制限規定を設けていれば10年、なければ2年任期なし
決算公告の義務ありなし
社会保険の加入義務義務

なお、設立後に合同会社から株式会社へと組織変更することも可能ですが、その際には社員全員の同意が必要となります。

「合名会社」「合資会社」とは?

合同会社と似たような名称で「合名会社」と「合資会社」があります。同じ持分会社に区分される会社形態として、どちらも合同会社と同様に会設立費用が安く、決算公告が不要というメリットがあります。

大きな違いは出資者責任の範囲です。合同会社が有限責任社員のみで構成されるのに対して、合名会社は無限責任社員のみで構成され、合資会社は無限責任社員と有限責任社員で構成されます。

有限責任社員とは出資した金額の範囲内でのみ、会社に対して責任を負う社員のことをいいます。たとえば会社が倒産した場合、出資した額以上には会社の負債を弁済する義務はありません。一方、無限責任社員は、会社の負債に対して無限の責任を負います。

合同会社のメリット・デメリット

上記の表を見てわかるとおり、合同会社は株式会社に比べて低コストで法人化できます。そのほか「決算公告の義務がないこと」や「役員の任期がないこと」などもメリットとして挙げられます。

簡潔に説明するとすれば、株式会社よりも手間や費用をかけずに設立できる企業形態だといえます。

一方デメリットとしては、合同会社という会社形態の認知度が低いことから、取引先によっては信用度が低いと認識されてしまう可能性があることも挙げられます。

合同会社に向いている業種は?

合同会社は、株式会社と比べると信用度・認知度はどうしても劣ってしまうため、法人格にこだわらない業種が向いているとされています。

たとえばBtoCビジネスで、商品名やサービス名を売りにしている会社は会社名の影響が少なく、一般の消費者は企業形態を気にしない人が多いのでマイナスにはなりません。

そのほか、自由度の高い経営を行えることから個人のもつ能力を生かした事業や、FXなどの投資事業、あるいは低コストで法人化したい許認可が必要な事業にもおすすめです。

以上のことから、次に当てはまる業種が合同会社に向いているといえます。

  • 企業形態による表面的な信用度が必要ない(BtoCビジネスなど)
  • 許認可事業のため低コストで法人格を有したい(飲食店、美容院、介護施設など)
  • 事業内容が個人の能力を中心としている(デザイナー、プログラマーなど)
  • FXなどの投資業(従業員を必要としない)

一方、企業を相手に取引や事業を行うBtoBビジネスや、上場や投資家からの資金調達を視野にいれている場合は高い信用度が必要となりますので、株式会社での設立を検討する方がよいといえます。

合同会社にかかる税金

最後に合同会社にかかる税金についても簡単に触れておきましょう。先述したとおり、税金の負担に関しては株式会社と同じで、以下の税金が課されます。

  • 法人税
    個人が得た利益には所得税が課せられますが、合同会社や株式会社といった法人が得た利益には「法人税」が課せられます。
  • 法人住民税
    会社を登記した都道府県・市町村に納める税金のこと。地方税の一種で、「均等割」と「法人税割」の2種類から構成されます。
  • 法人事業税
    登記をしている都道府県で事業を営むことに対する税金で、会社の利益に応じて都道府県ごとに定められた税額を納めます。
  • 消費税
    原則として事業を行っている者は課税事業者となり、消費者から預かった税金から仕入れなどで支払った税金との差額を納めます。

このほかにも、保有する建物・土地があれば固定資産税が、業種によっては酒税や印紙税などもかかります。

おわりに

個人にかかる税金である所得税等は増税の傾向にあるのに対し、法人税は引き下げの傾向にあるということもあり、合同会社は登記数も年々増え続けている注目の企業形態です。

会社設立を検討する際は、とりあえず法人格がほしい、BtoCビジネスだから社名の影響がないなどであれば、合同会社も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

迷う場合は、設立手続きや設立後の税務顧問なども含めて税理士に相談してみるのもよいでしょう。

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