合同会社に税理士は必要? - 顧問報酬の相場や料金実例
(監修:AAG新井綜合会計事務所 新井佑介 税理士)
合同会社は、設立費用やランニングコストが安かったり、利益分配や組織設計など経営の自由度が高いといった理由から、近年人気が高まっている会社形態です。
設立の手続き自体は難しくありませんが、多忙であったり他の作業に集中したいという場合は、専門家に手続きを代行してもらうことも可能です。また、税理士であれば設立手続きと一緒に顧問契約を依頼するケースもありますが、どんなメリットがあるのでしょうか。
目次
合同会社にかかる税金
合同会社を経営するにあたりかかる税金は以下のとおりです。決算日から2か月以内にこれらの税金について申告と納税が必要になります。
- 法人税
- 法人住民税
- 法人事業税
- 消費税(消費税の納税義務者のみ)
このほかに、不動産を所有していれば「固定資産税」、自動車を所有していれば「自動車税」なども課税されます。
かかる税金は会社形態によって差はなく、事業規模や利益(課税所得額)によって決定されます。
合同会社に顧問税理士は必要?
会社を設立する際には、顧問税理士の必要性について検討する方も多いでしょう。
結論としては、合同会社も基本的な会計処理や税務処理は株式会社と同じなので、可能であれば税理士と顧問契約を結ぶことをおすすめします。
ただ合同会社は株式会社と比較すると、設立にかかる初期費用を低く抑えられることから、本格的に事業を拡大する目的で設立するのではなく、自分自身の資産管理会社として設立するケースもあります。
会社の税務や経理を自身で行えるようであれば、必ずしも顧問税理士がいなくても問題はありません。その場合は、決算や確定申告のみ依頼するという方法もあります。
一方で、法人設立によって事業を拡大したいと考えている方は、税理士と顧問契約を結んで税務会計業務をアウトソーシングしたほうが、費用負担よりメリットのほうが上回るケースが多いといえます。
顧問契約するメリット
次に、税理士と顧問契約するメリットを紹介します。
税務会計業務をアウトソーシングできる
創業当初は事業の拡大に人材を配置する必要があるため、直接的に利益を生み出しにくい税務会計部門に多くの経営資源を投入することは難しいでしょう。
税理士と顧問契約を結べば、決算申告はもちろんのこと日々の記帳代行など、会社の税務会計部門そのものをアウトソーシングできるので、人件費の削減や経営のスリム化が実現できます。
適切な節税対策ができる
顧問税理士は顧問先の経営状態や税務状況を常に把握しているので、単発で税理士に相談するよりも効果的な節税対策などのアドバイスを受けられます。
顧問期間が長くなればなるほど、会社の利益の流れや傾向を税理士自身が把握でき、先を予測して対策が打てるようになるので、事業を運営していくうえで顧問税理士との信頼関係はとても大切です。
税務調査リスクの軽減
顧問税理士にアウトソーシングすることで、税務会計の正確性を担保できるので税務調査リスクを大幅に軽減できます。また、税務署から指摘が入ったとしても、顧問税理士が窓口となって対応してくれますので非常に心強いです。
顧問契約の報酬相場
税理士に支払う顧問料の金額は、法人の規模や売上高、依頼する業務の種類等によって決まるのが一般的です。
たとえば、売上3000万円の小規模企業の場合、顧問料が月額3~5万円、決算料が顧問料の4~6か月分程度が相場です。
設立手続きも依頼する場合
税理士に設立手続きのみを依頼することは、ほぼありません。顧問契約が前提で設立手続きを税理士に依頼した場合は、1万円〜3万円程度が設立代行の相場となります。中には実費のみで手数料は無料で行ってもらえるケースもあります。
ただし、登記手続きは司法書士の業務なので、実際の手続きは税理士ではなく提携している司法書士が行うことになります。
失敗しない税理士の探し方
会社設立・創業支援に強い税理士というのは、法人顧問をメインに行っている税理士のことなどをいいます。
税理士と顧問契約するにあたり重要なのは、会社設立や法人顧問に特化しているか、ということだけでなく、相性や事務所との距離も重要になります。時間に余裕があれば、複数の税理士に見積もりをとって契約前面談をし、比較検討することをおすすめします。
税理士の探し方は、自分でインターネットなどで調べる方法のほか、紹介サービスを利用する方法もあります。
税理士選びでお悩みの方へ
「どんな税理士がいいの?」「もっと親身な税理士に変更したい」など税理士選びでお困りの方は、税理士ドットコムの<税理士紹介サービス>までお問い合わせください。経験・実績豊富なコーディネーターがご要望に合う税理士をご提案します。
また、予算が気になる場合は<税理士の費用・料金相場>を参考に、おおよその料金を把握しておくとよいでしょう。
税理士選びでお悩みなら税理士ドットコムにご相談ください

※ショッパーズアイ調べ 2020年6月調査