学習塾・教育業で税理士をつけるメリットは?塾や教室を営む経営者必見

学習塾などの教育業では、月謝などの売上の計上漏れや期ズレについて税務調査で指摘を受けることが多いそうです。そのため、経理や会計業務は税理士にお願いするのがよいでしょう。
そこで、税理士をつける具体的なメリットや業界特有の会計・税務について、佐藤全弘税理士事務所の佐藤全弘先生に解説いただきました。あわせて税理士顧問料の実例も紹介します。
目次
他業種とここが違う!学習塾・教育業の会計・税務
学習塾や音楽教室、英語学校などの教育業では、会計・税務処理で注意すべき点が他の業種とは異なります。
そこで、佐藤全弘税理士事務所の佐藤全弘先生に、学習塾・教育業を営む方が知っておきたい会計・税務のポイントをお聞きしました。
ー 佐藤全弘 税理士
この業界で税務調査の際に指摘を受けることが多いのが、入学金や月謝などを現金でもらっている場合(3か月毎や初月のみ現金でもらうなど)における売上の計上漏れです。なお、売上計上のタイミングにも注意が必要です。
また、講師に対する報酬についても税務調査の対象となることがあります。たとえば、業務委託契約として外注費で処理したとしても、給与に該当すると認定されると、消費税の仕入税額控除が否認されたり、所得税の源泉徴収漏れを指摘される可能性があります。
報酬については、単純に契約書のみで判断することなく、実態で判断することが必要です。
学習塾・教育業で顧問税理士をつけるメリットは?
このように、学習塾・教育業に精通した税理士と顧問契約を結ぶことで、税務調査を見据えた会計・税務処理を行うことができます。そのほか、顧問をつけることで得られるメリットについて、佐藤全弘先生にお聞きしました。
ー 佐藤全弘 税理士
教育業で税理士と顧問契約するメリットは、正確な申告ができたり仕訳のアドバイスを受けられるだけではありません。
たとえば、新店舗出店などの事業拡大に伴い高額な複合機などの導入を検討している際に、購入なのかリースなのかそれぞれのメリット・デメリットを考慮して、個々の事情に相応しいアドバイスを受けることができます。
さらに、補助金や税額控除などの優遇制度の利用が速やかに受けられるのは、大きなメリットになるでしょう。
では、税理士を選ぶ際にはどのようなことを基準にするとよいのでしょうか?
ー 佐藤全弘 税理士
すでに同業種の顧問をしているなど、顧問経験があると相談の際に話がスムーズで適切なアドバイスを受けることができるのではないでしょうか。
生徒の入学や卒業の入れ替えのタイミングによっては、資金繰りに大きな影響を与えることや、フランチャイズの場合は「加盟金」や「研修費」、「システム使用料」などの初期費用が多くなることを考えると、融資のサポートを受けられることやキャッシュフローをより重視する税理士が良いと考えられます。
学習塾・教育業の税理士費用、相場はどれくらい?
税理士に顧問を依頼するメリットを理解したところで、やはり気になるのが「報酬金額」です。
税理士ドットコムでご契約された方のご相談を見ると、学習塾など教育業を営む方が税理士に依頼したときの顧問料の平均は、個人経営の方で約17万円、法人で約30万円となっています(※)。
ただし、これはあくまで実績平均なので、実際には売上規模や、税理士にどこまで業務を依頼するかなどによって変わります。
※税理士ドットコムの「税理士紹介サービス」にてのご相談実績
実際いくら?学習塾・教育業の税理士報酬実例
では実際、学習塾・教育業を経営される方が、税理士といくらで顧問契約をしているか、税理士ドットコムへお問い合わせいただいたデータを元に実例を紹介します。
実例1)年間顧問料:180,000円
売上高600万円/学習塾(東京都・個人事業主)
開業されたばかりの個人事業主の方が、顧問税理士をお探しというケースです。
売上が低いうちはなるべくお安い金額で、仕訳や会計ソフトの使い方などもサポートしてくれる税理士がよいとの希望でした。
最初に面談した税理士と、確定申告料込みで年間18万円(税別)でご契約されました。
実例2)年間顧問料:270,000円
売上高2,000万円(見込み)/学習塾(広島県・法人)
合同会社を設立され、フランチャイズの学習塾を運営されている法人の方が、顧問税理士をお探しというケースです。
日々の会計処理・税金対策について親身になってご対応いただける税理士を希望されていました。
複数紹介された中から近くの税理士事務所と面談され、決算申告料込みで年間27万円(税別)でご契約されました。
実例3)年間顧問料:360,000円
売上高1,000万円/学習塾(京都府・個人事業主)
学習塾をされている個人事業主の方から、顧問契約を前提に法人成りの相談をお願いできる税理士をお探しというご相談です。
法人設立の流れや決定すべき事柄など、手厚いアドバイスが受けられる税理士を希望されていました。
司法書士と連携している税理士と、年末調整と決算申告料込みで年間36万円(税別)でご契約されました。
実例4)年間顧問料:390,000円
売上高5,000万円/学習塾(大阪府・法人)
学習塾をはじめとした様々な事業を行なっている法人の方から、学習塾の分社化にあたって顧問税理士を探しているというご相談です。
なるべく自計化をされたいということで、経理や税務について丁寧にサポートしてくれる税理士を希望とのことでした。
3事務所の税理士と面談し、そのうち印象がよくお見積りも希望通りであった税理士と、決算申告料込み年間39万円(税別)でご契約となりました。
実例5)年間顧問料:120,000円
売上高400万円/音楽教室(東京都・法人)
個人事業主から法人成りされたため、税理士をお探しというケースです。
記帳は会計ソフトを利用して自社で行いますが、仕訳の仕方や法人化に伴う手続きなどの相談にのっていただける税理士を希望されていました。
2つの事務所と面談され、親身に対応してくださり、希望の予算におさまる税理士事務所と、決算申告料込み年間12万円(税別)でご契約となりました。
実例6)年間顧問料:200,000円
売上高500万円/英会話教室(神奈川県・法人)
契約中の税理士事務所は、担当者が頻繁に変わり相談しにくいなど、サービス内容に不満があるので、税理士を変更したいというケースです。
税務や節税などの相談がしやすく、経営者に外国人がおられるため、英語で対応できる税理士を希望されていました。
2つの事務所と面談した結果、親密なコミュニケーションが期待できると感じた税理士と、決算申告料込みで年間20万円(税別)でご契約されました。
学習塾や音楽教室など教育業に強い税理士をお探しのときは
「売上があまりないのでなるべく安い税理士が良い」「資金調達や事業承継も相談できる税理士を探している」など税理士探しでお悩みの方は、税理士ドットコムの<税理士紹介サービス>までお問い合わせください。経験・実績豊富なコーディネーターがご要望に合う税理士をご提案します。
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