iDeCo掛金の引き上げについて
会社員の月額62,000円に引き上げられる掛金について教えてください。
企業年金とiDeCoを合算しての62,000円だというのは理解しています。
勤務先は、確定給付企業年金(DB)を含むポイント制の退職金制度を採用しています。
60歳の誕生月に退職金の額が確定します。
定年が65歳のため繰り下げて受け取ります。
定年までの5年間は退職金が増えませんが、在職中は企業年金(DB)を引いた金額しか拠出できませんか?
iDeCoで62,000円の拠出ができますか?
よろしくお願いいたします。
税理士の回答
結論から申し上げますと、60歳から65歳の定年退職までの期間、iDeCoで月額62,000円の満額拠出ができる可能性は低く、基本的には「62,000円から企業年金(DB)の掛金相当額を引いた金額」がiDeCoの拠出上限となるかと存じます。
その理由と仕組みは、以下の3つのポイントに集約されるかと存じます。
1. 2026年12月以降の新しい上限額の仕組み
法改正により、企業年金とiDeCoを合わせた全体の拠出枠が「月額62,000円」に引き上げられると同時に、従来の「iDeCo単独での上限枠(月額1.2万円や2万円といった縛り)」は撤廃されます。
これにより、計算式は非常にシンプルになり、【 62,000円 − DBの他制度掛金相当額 = iDeCoの拠出可能額 】となります。この計算で残った枠の範囲内であれば、iDeCoへ自由に拠出することが可能です。
2. 退職金が増えなくても「DB相当額」が引かれる理由
60歳の誕生月で退職金(ポイント)が確定し、以降は増えない状態であっても、制度上「DBの加入者」として留まる限り、iDeCoの枠からはDBの掛金相当額が差し引かれ続けます。
これは、DBが個人の専用口座ではなく「会社全体のお財布」で運用・管理される制度だからです。
個人の退職金ポイントが増えなくても、会社は65歳での支払いを確実にするため、全体のお財布に対する維持費や運用悪化リスクを引き続き負担しています。そのため、法律上は「DBの加入者=会社の保証を受けている状態」とみなされ、個人の積立額ではなく、規約で定められた一律の「仮想の掛金額(平均値など)」が毎月の枠を消費していると判定される仕組みです。
3. iDeCoで満額(62,000円)拠出できる例外ケース
もし、勤務先の規定が「60歳で退職金が確定した時点で、DBの『加入者』資格を喪失し、単に65歳での支払い開始を待つだけの『待期者』となる」というルールであれば、その時点からDB相当額の控除は0円扱いとなり、iDeCoで62,000円の満額拠出が可能になります。
【実務上でご確認すべきアクション】
ご自身の正確なiDeCo拠出可能額を確定させるためには、勤務先の人事担当者様へ以下の2点を直接確認していただくのが最も確実かと存じます。
・「60歳で退職金が確定した後も、65歳までDBの『加入者』扱いのままですか?」
・「加入者のままである場合、全体の枠から引かれる私の『他制度掛金相当額』はいくらですか?」
*退職金が増えない期間にiDeCoの枠だけが制限されるのは直感に反する部分がありますが、これが確定給付企業年金の「全体でリスクを負う」という性質に由来するルールの実態となります。
以上となります。
ご参考になりましたら幸いです。
ご丁寧にありがとうございました。
とてもわかりやすく助かりました。
本投稿は、2026年05月02日 23時19分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。






