おしどり贈与 現金を贈与で住宅ローンを肩代わりし、持ち分を変更できるか
・夫から妻におしどり贈与として現金2110万円を贈与(条件はクリアしている)
・妻はその贈与された現金から夫借入の住宅ローン残債元本に相当する金額を夫口座に送金し肩代わり
・この場合、その肩代わりした2110万円に相当する不動産持ち分を妻に増やすことができるか
・ローン残債を補填したので、持ち分計算は購入時の価格での按分
いかがでしょうか よろしくお願いいたします
税理士の回答
結論から申し上げますと、現金2,110万円を贈与した上で、その資金を用いて夫の住宅ローンを肩代わりし、妻の不動産持ち分を増やすこと自体は可能ですが、ご記載頂いた「購入時の価格での按分」という持ち分計算ではなく、現在の時価による按分が必要となるかと存じます。
以下、実務上のポイントと注意点を記載させて頂きましたのでご確認下さい。
1. 夫婦間売買としての構成(おしどり贈与の適用条件)
妻が夫のローン残債に相当する額を支払い、見合いの不動産持ち分を取得する行為は、法的には「夫から妻への不動産持ち分の売買」となります。
おしどり贈与(贈与税の配偶者控除)は、配偶者から居住用不動産を取得するための「金銭の贈与」にも適用できるため、受贈した2,110万円を夫の持ち分買い取り(売買代金)に充てる構成であれば、特例の要件をクリアできるかと存じます。
2. 注意点:持ち分計算は「購入時の価格」ではなく「時価」
親族間・夫婦間の不動産売買であっても、税務上の取引価格は「移転時(現在)の時価」で行うのが原則となります。
もし、現在の時価が購入時よりも上がっている場合、購入時の価格での按分は「低額譲渡」とみなされ、時価との差額に対して妻にみなし贈与税が課税される恐れがございます。
逆に時価が下がっている場合は、夫から妻への贈与とみなされるリスクも生じます。
なお、時価の算出方法については以下のような算出の仕方が一般的かと存じます。
●土地: 国税庁の「路線価」は時価の約8割を目安としているため、路線価を0.8で割り戻した金額や、近隣の取引事例価格、公示地価などを参考に算出します。
●建物: 建築代金(購入代金)から、経過年数分の「減価償却費」を差し引いた未償却残高(現在の帳簿上の価値)をベースとするのが実務上一般的かと存じます。
*より客観的な根拠を持たせるため、複数の不動産会社による査定書や、不動産鑑定士の鑑定評価書を取得・保管しておくとより確実にはなります。
3、実務上の手続きと証拠保全
親族間であっても「不動産売買契約書」を作成し、金銭の授受と同時に、法務局で「売買」を原因とする持分移転登記を確実に行うことが不可欠となります。
以上となります。
一連のお取引の参考になりましたら幸いです。
夫から妻への2,110万円の贈与がおしどり贈与(配偶者控除)の要件を満たしている場合、贈与税の特例適用が検討されます。
そのうえで、妻が受贈資金を原資として夫名義の住宅ローン元本返済を負担された場合、その負担額に応じて妻の不動産持分を増やすこと自体は検討の余地があります。
もっとも、持分変更が当然に認められるわけではなく、「妻の資金が実際に住宅取得資金またはその取得のための借入返済に充当されたこと」や、登記の変更時期・経緯などを総合的に確認する必要があります。
なお、持分割合の算定は、一般に返済額そのものではなく、購入時の取得価額や各自の実質負担額を基礎に検討されることが多いため、慎重な確認が必要かと存じます。
先生方 ご回答ありがとうございました マンションの価格が購入時よりも高騰しているため 将来の相続を見据えて不動産の持ち分割合を変更する手段を考えて質問させていただきました 持ち分の評価が時価となると結構厳しいことがよくわかりました 時価の計算方法も とても参考になりました もう少し検討してみます
本投稿は、2026年05月28日 13時44分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。






