海外に二拠点生活の税務について
英国居住25年以上です。日本では住民票は置いておらず、現在は非居住者です。不動産所得があり毎年日本で確定申告しています。今後日本で住宅購入を予定しており、年間4か月程度もしくは半年くらい日本に滞在する二拠点生活を検討しています。住民票を日本に戻した場合の税務上の居住者判定、日英租税条約、住民税・国民健康保険への影響について相談したいです。
税理士の回答
土師弘之
日本の所得税法では、「居住者」とは、「日本国内に「住所」を有し、または、現在まで引き続き1年以上「居所」を有する個人をいい、「居住者」以外の個人を「非居住者」」と規定しています。
また、「住所」とは、「個人の生活の本拠」をいい、「生活の本拠」かどうかは「客観的事実によって判定する」ことになります。
つまり、住民票の有無ではなく、「生活の本拠」はどこかという実態によって判断することになります。
一方、イギリスでは、
次の要件のいずれかに当てはまる場合には、自動的に「英国居住者」となります。
・当年(4月~3月)に183日以上英国滞在または 91日以上継続して居住用の家が英国に有り、30日以上滞在した事、
・そして海外には住居が無いこと、又は有っても30日未満の滞在
・英国にフルタイムの職業が有ること、年間75%以上の日数で3時間以上の業務をしたこと
また、日英租税条約では、どちらかの国で「居住者」となる場合には他方の国で「非居住者」となり、それそれの国の税法で両方の国の「居住者」となる場合には、密接な住居を有する国の「居住者」とすることになっています。
このため、日本で数か月居住したとしても、イギリスでの「居住者」と思われます。
なお、日本の「非居住者」の場合は日本には住所がないことになりますので、「住民税」は課されません。
国民健康保険については「非居住者」は対象外であり、原則として、日本に帰国して1年以内に再出国する場合は、国民健康保険に加入できません。また、住民票を日本国内に移した場合でも、実際の生活の拠点が海外にあると判断されると、国保への加入が認められないことがあります。
さらに、短期滞在の事実を伝えずに加入し、1年以内に海外へ転出した場合、転入時にさかのぼって資格を取り消されることがあります。この場合、一時帰国中に保険証を使って治療を受けていると、保険給付費(医療費の7~8割)の返金義務が生じる可能性があります。
日本に住民票を戻し、年間4〜6ヶ月滞在する場合の影響は以下の通りかと存じます。
<居住者判定と日英租税条約>
住民票の復活や自宅購入により、国内法上は「居住者」と判定される可能性が高まります。
日英双方で居住者(二重居住者)となる場合は、日英租税条約の振分規定が適用されます。
恒久的住居や生活の本拠(家族や資産)が英国にある限り、条約上は「英国居住者(日本の非居住者)」とみなされ、日本での課税範囲は国内源泉所得(不動産所得など)に限定される余地は残るかと存じます。
<住民税・国民健康保険>
毎年1月1日時点で日本に住民票がある場合、前年の国内所得に対して住民税が課税されます。
また、住民票の復活に伴い国民健康保険への加入義務が生じ、前年の所得(国内の不動産所得等)に応じた保険料の支払いや、英国での社会保障制度との調整(二重加入防止など)が必要になります。
回答は以上となります。
ご参考になりましたら幸いです。
早速のご回答ありがとうございました。両方参考にさせて頂きます。
本投稿は、2026年07月14日 19時50分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。






