親の扶養控除
現在、母親(68歳)を扶養に入れている場合、今回の123万の壁によって103万を超えても扶養から外れなくなったと思うのですが、106万を超えた場合は社会保険に加入との内容がありますが106万を超えた場合は所得税の控除は外れないが社会保険料の負担が発生するということでしょうか。
その場合は123万ギリギリまで収入を得れば手取りは減らないのでしょうか。
よろしくお願いいたします。
税理士の回答

佐藤和樹
1. 123万円の壁と扶養の関係
2024年(令和6年)から導入された「123万円の壁(所得税の扶養控除の上限引き上げ)」によって、扶養親族の給与収入が103万円を超えても、123万円以下であれば所得税の扶養控除の対象から外れなくなりました。
• 103万円以下 → 扶養控除あり(38万円 or 48万円)
• 103万円超〜123万円以下 → 引き続き扶養控除あり
• 123万円超 → 扶養控除の対象外(あなたの税負担が増える)
ポイント:
✅ 123万円以下なら、引き続き扶養親族として扱われる(所得税上の扶養控除OK)
✅ 103万円の壁が事実上なくなり、扶養に入れながら収入を増やせる余地が広がった
2. 106万円の壁と社会保険
一方で、106万円を超えると「社会保険の加入義務」が発生する場合があるため注意が必要です。
✅ 社会保険加入の条件(106万円の壁が適用される場合)
106万円を超えても社会保険に入らなければならないのは、以下のすべてを満たす場合です。
1. 勤務先が社会保険の適用拡大対象の会社
• 従業員数 101人以上(2024年10月以降は51人以上)
2. 週の所定労働時間が20時間以上
3. 1年以上の勤務予定
4. 学生でない
▶ これに該当すると、106万円を超えた時点で社会保険(健康保険・厚生年金)に加入が義務化され、手取りが減る可能性あり。
しかし、勤務先が社会保険の適用拡大対象外(101人未満)であれば、130万円までは扶養内でいられます。
3. 収入を123万円ギリギリまで増やすと手取りは減らない?
▶ 収入を106万円~123万円の範囲で増やした場合
• 106万円を超えると、社会保険料(健康保険・厚生年金)の負担が発生し、手取りが減る可能性あり。
• ただし、社会保険料を払う分、将来の年金が増えるメリットもある。
✅ 勤務先が社会保険適用拡大対象外なら、130万円までは扶養内(社会保険料の負担なし)
✅ 106万円~130万円の範囲で収入を増やす場合、勤務先の規模を確認し、手取りをシミュレーションするとよい
4. 具体的な対応策
▶ ① 母親が「130万円以内」に抑える場合
• 勤務先が「社会保険適用拡大の対象外」(従業員100人以下)なら、130万円未満で働けば扶養を維持可能。
• 123万円ギリギリまで働いても、所得税の扶養控除は受けられる。
▶ ② 106万円を超える場合の影響を考慮
• 106万円を超えると社会保険の負担が発生するが、最終的な手取りがどうなるか試算が必要。
• 収入が115万円~120万円程度になると、社会保険料を差し引いても手取りが増える場合がある。
▶ ③ 130万円を超えても扶養を外れて社会保険加入を選ぶか
• 社会保険に入ると年金が増えるメリットがあるため、長期的に考えると悪くない選択肢。
• ただし、130万円を少し超える程度だと、負担が増えて手取りが減ることもあるので注意。
本投稿は、2025年02月27日 12時12分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。