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生前贈与の可能性について

子の配偶者に100万円程度生前贈与することになっていたにもかかわらず、死亡時までに銀行からの引き出しが10万円程度間に合わず、死亡後の引き出しと合わせて渡す場合について、2点教えてください。
①死亡後の引き出し分は生前贈与の一部となるでしょうか、または、単なる贈与やみなし贈与になるでしょうか、あるいは、贈与やみなし贈与にならないのでしょうか。
②死亡後の引き出し分は債務控除できるでしょうか。

税理士の回答

① 死亡後に渡す10万円分は「生前贈与の一部」として扱えるか?

◆ 結論:

原則として、死亡後の引き出し分(10万円)は生前贈与とは認められず、贈与ではなく「相続財産」扱いになります。

つまり、相続税の対象財産として計上される可能性が高いです。



◆ 理由と根拠:

■ 贈与が成立するには、民法上「当事者間の合意」と「給付(引渡し)」が必要
• 贈与契約自体は口頭でも成立しますが、税務上は**財産の移転が完了していること(=引渡し済み)**が非常に重視されます
• 死亡後に引き出した10万円は、相続開始時点(死亡時点)ではまだ被相続人の財産に残っていたことになる

■ 税務上の取扱い(国税庁・相続税基本通達など)
• 贈与の成立時点は「実際に財産が移転した日」
• 死後に渡されたお金は、通常「贈与ではなく、相続人が相続財産から支出した金銭」として扱われる



② 死亡後の引き出し分は「債務控除」できるか?

◆ 結論:

債務控除は原則としてできません。



◆ 理由と根拠:

■ 相続税法では、死亡時に確定している債務のみ控除可(相続税法第13条)
• 贈与は「債務」ではありません(貸金債務などとは異なる)
• 被相続人の「一方的意思(贈与の意思)」だけでは、法的に確定した債務とみなされません

■ 実務上の判断
• 「死亡前に贈与契約書など書面による証拠があり、かつ支払いが物理的に間に合わなかった」という極めて限定的なケースであれば、債務としての性質が認められる可能性はある
 → ただし、これは税務調査で厳格に確認される領域

佐藤先生、よくわかりました。
ありがとうございました。

本投稿は、2025年07月03日 04時43分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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