工事進行基準の税込→税抜経理変更による完成工事高への影響
当社は建設業で工事毎に工事進行基準と完成工事基準を採用しています。
前期まで税込経理で当期から税抜経理へ変更しました。
ある工事の完成工事高の計算方法についてお尋ねがございます。
工事期間3年
請負金額税込220,000（千円、以後同じ）
工事進行基準（原価比例法）
工期は3事業年度に渡る
◎質問◎
①以下のように、この工事の2期目の完成工事高算出は、1期目の工事原価投入額を税込→税抜にして計算して良いでしょうか。
②工期3期目は1期目の完成工事高を税抜金額にして計算して良いでしょうか。
③税務上、なにか調整等は必要になりますか。
◯工期1期目（前期）
税込経理（金額はすべて税込）
見積り総工事原価は88,000
1期目の工事原価投入額は6,600
完成工事高の計算
請負金額220,000✖️6,600/88,000＝16,500
◯工期2期目（当期）
税抜経理へ変更（金額はすべて税抜）
見積り総工事原価が80,000→90,000へ変更
2期目の工事原価投入額は50,000
完成工事高の計算
請負金額200,000✖️（1期目税抜6,000＋2期目50,000/90,000）＝124,444（切捨）
◯工期3期目（翌期）
完成工事高の計算
200,000-1期目税抜15,000-2期目124,444＝60,556
以上、よろしくお願いいたします。
税理士の回答
上田誠
① 税込経理から税抜経理へ変更した場合でも、進行基準の按分計算に用いる過年度原価を税込→税抜へ変換して用いる取扱いで問題ございません。
② 3期目の計算において、1期目の完成工事高を税抜に換算して用いることも問題ございません。
③ 税務上は、経理方式を税込→税抜へ変更したことによる「経理方式変更の遡及調整」は不要であり、期間損益を税抜基準に統一して計算している限り追加調整は生じないものでございます。
本投稿は、2025年12月04日 17時20分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。
