企業年金を一時金で受け取る際の税率について
4年前に50歳で早期退職し、退職金の一部1000万円を企業年金として、60歳から受け取る
設定にしていました。
諸事情により、その1000万円を年金ではなく一時金として今年受け取りたいと思います。
現在年収は1400万であり、所得税率は33%です。
受け取る1000万円の一時金への税率は33%と住民税10%になりますでしょうか?
あるいは、退職金として扱われて、より低い税率になりますでしょうか?
当該企業には22年勤めていました。
税理士の回答

道田哲史
お世話になります。
退職一時金は原則的に分離課税で給与所得等、他の総合所得課税と切り離されて計算されます。
①:勤続年数に応じて退職所得控除を算定
(20年目までは40万円/年、21年目以降は70万円/年)
※なお、1年に満たない端数は切り上げとなります。
②:(収入金額-退職所得控除額(=①))×1/2
③:②に退職所得の分離課税の税率(20.42%を乗じる
質問者様の勤続22年のケースですと、下記の計算になります。
①:40万円/年×20年+70万円/年×2年=940万円
②:(1,000万円-940万円)×1/2=30万円
③:30×20.42%=61,260円
■参考:国税庁タックスアンサーNo.1420
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1420.htm
参考になれば幸いです。
説明不足で申し訳ありません。補足させて頂きます。
4年前に22年勤めた会社を50歳で早期退職し、退職金3500万のうち、2500万を一時金として受け取り
分離課税で2500万-(800万+70万*(22-20))で4年前に税金を納めました。
残り1000万円を企業年金として、60歳から受け取る設定にしていましたが、
諸事情により、その1000万円を年金ではなく一時金として今年2023年に受け取りたいと思います。
現在年収は1400万であり、所得税率は33%です。
受け取る1000万円の一時金への税率は33%と住民税10%になりますでしょうか?
あるいは、退職金として扱われて、退職所得の分離課税の税率20.42%になりますでしょうか?

道田哲史
残り1,000万円についても当初から一時金として受け取る予定であれば、分割支給として最初に税額を決めて分割金額ごとに按分するようなのですが……(*1)。
退職所得控除を二度使うことにはならない(このような分割払いが圧倒的に有利になってしまう)ので、一時金受給時に遡って計算し直すということになるのかもしれません。
似たようなケースの案内がパナソニックの企業年金ページに載っていましたのでご参照ください(*2)。また、更正の請求について解説している国税庁のタックスアンサーも併せてご参照のうえ、税務署にご相談されてみてください(*3)。
【*1】参考:国税庁HP質疑応答事例
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/gensen/04/08.htm
【*2】参考:パナソニック企業年金HP
https://nenkin.jpn.panasonic.com/nenkin/page_02.html
【*3】国税庁タックスアンサーNo.2026
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2026.htm
有難うございました。大変参考になりました。
本投稿は、2023年09月22日 14時42分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。