退職所得控除額の計算について
今年60歳定年で確定給付年金1500万円を受け取る予定です。勤続35年です(退職所得控除額は1850万円かと思います)。再雇用で仕事は65歳まで続けます。3/4を一時金でもらい、1/4を10年確定年金でもらいます。65歳になったら年金原資の残りを一時金でもらいます。またDCが60歳で終了なので、idecoに移換してその後も毎月拠出を続けます。idecoも65歳で一時金で受け取ります。65歳時の退職所得控除額はいくらでしょうか。
税理士の回答
【結論】
結論から申し上げますと、65歳時の退職所得控除額は「約1,120万円」となる見込みです。
一般的な「期間の重複」による減額はありますが、60歳時の受取額が控除枠上限より少なかったため、その「使わなかった枠」が考慮され、比較的大きな控除額が確保できる計算になります。
【理由】
理由は、退職所得の「重複期間の調整計算」において、過去の受取額に応じた有利な規定が適用されるためです(所得税法施行令第69条)。
本来、前回の退職金から19年以内の受け取りには「勤続年数の重複分を差し引く」というルールがあります。しかし、前回の受取額(1,125万円)が当時の控除枠(1,850万円)より少なかった場合、重複期間をすべて引くのではなく、「受け取った金額に相当する期間(みなし勤続年数)」だけを差し引けばよいことになっています。
【計算の目安】
ご提示の数字をもとに試算します。
1. 今回の計算基礎となる期間(通算)
企業型DC(35年)+ iDeCo(5年)= 通算40年
→ 本来の控除額:2,200万円
(計算式:800万円 + 70万円 × (40年-20年))
2. 前回(60歳時)使ったとみなされる控除額
受取額1,125万円から逆算した「みなし勤続年数」は約24年です。
→ 差し引く控除額:1,080万円
(計算式:800万円 + 70万円 × (24年-20年))
3. 今回(65歳時)使える控除額
2,200万円 - 1,080万円 = 1,120万円
したがって、65歳で受け取る「iDeCo一時金」と「DBの残り(一時金)」の合計が1,120万円以下であれば、退職所得税はかかりません。
【具体策】
手続きの際は、以下の点を確認してください。
1. 「退職所得の受給に関する申告書」の正確な記入
65歳の受取時、金融機関へ提出する申告書に「60歳時に受け取った退職金(1,125万円)」の情報を正確に記載してください。これで上記のみなし計算が適用されます。
2. 65歳時のDB残高の確認
65歳で受け取るDB(確定給付年金)の残りが、一時金として支給される規定になっているか(退職所得扱いになるか)を確認してください。
【注意点】
もし、iDeCoとDB残金の合計が1,120万円を大きく超えるようであれば、超過分に対して税金(×1/2×税率)がかかります。その場合は、一部を「年金受け取り」にして公的年金等控除(65歳以上は最低110万円の控除枠あり)を利用するのも有効です。
計算が複雑なケースですので、受取直前に正確な金額が出た段階で、一度税務署や税理士に最終確認されることをお勧めします。
本投稿は、2026年02月08日 15時50分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







