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国内外貨口座から同通貨建で家族カードで支払った場合の為替差益は誰に課税されるか

私の国内外貨口座に外貨預金があります。海外で同一通貨(外貨)建のまま出金や支払いのできるデビットカードを発行可能です。この度、家族の海外旅行用に家族用のデビットカードを作りました(以下、「家族カード」とします。キャッシュカード兼デビットカードであって、クレジットカードではありません)。私の口座から引き落とされますが、カード名義は家族です。

最近の円安で為替差益が生じていると思われるので、現地で外貨(現地通貨)建で家族カードを用いて買い物をした場合、当該差益は課税対象となり雑所得として確定申告が必要だと思うのですが、申告義務があるのは外貨を購入・保有していた口座名義人の私でしょうか、それとも実際に外貨を使用したカード名義人の家族でしょうか。

両名とも会社員のため、ほかに確定申告する理由がなければ、20万円までの差益は申告不要ということは理解しております。また、贈与税については無視してください(大半が現地での生活費で、暦年贈与上限の110万円を超えることはないはずですので)。

実際には為替差益の申告が必要になるほど現地で家族カードを使わないかもしれませんが、予め把握しておきたいと思い質問させていただきました。どうぞよろしくお願い申し上げます。

税理士の回答

【結論】

外貨預金から家族カード(デビットカード)を通じて海外で外貨建の買い物をした場合、為替差益が生じていれば雑所得として確定申告が必要です。申告義務があるのは、外貨を取得・保有していた口座名義人です。

【理由】

1. 為替差益の課税根拠

外貨預金の外貨を用いて物品・サービスを購入する行為は、所得税法第57条の3第1項に定める「外貨建取引」(外国通貨で支払が行われる資産の購入等)に該当します。この場合、外貨の取得時の為替レートと使用時(決済時)の為替レートとの差額が為替差損益として実現し、雑所得(総合課税)の対象となります。

1. 申告義務者が口座名義人である理由

為替差益は、外貨という資産の「取得→保有→処分(使用)」という一連のプロセスから生じる所得です。外貨預金を取得・保有・管理しているのは口座名義人であり、家族カード名義人はカードの利用権限を付与されているに過ぎず、外貨資産の帰属者ではありません。したがって、所得の帰属は口座名義人となります(所得税法第12条・実質所得者課税の原則)。

1. 為替差益の計算方法

為替差益=(決済時の為替レート − 取得時の為替レート)× 使用外貨額

取得時の為替レートは、外貨を複数回に分けて購入している場合、総平均法に準ずる方法等により算出します(所得税法施行令第118条第1項の有価証券の取得価額の規定に準じた計算)。

【確定申告が不要となる場合】

給与所得者(年収2,000万円以下、給与を1か所から受給)で、給与所得及び退職所得以外の所得の合計が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要です(所得税法第121条)。

詳しく解説してくださりありがとうございます。実際に為替差益を享受しているのは家族カード使用者であっても、口座名義人である私が差益を享受しているとみなされるわけですね。

大変恐縮ですが、もしよろしければ追加の質問についても教えてください。前記の私の口座内の外貨を家族カードで引き出したり決済に使ったりするのではなく、家族の外貨口座に同一の外貨建で送金し、その家族名義の口座から家族本人のデビットカード等で外貨のまま出金したり決済に使ったりした場合も、為替差益を認識する必要があるのは私(贈与者)になるのでしょうか? それとも、家族(受贈者)が私(贈与者)の購入時価格を引き継ぎ、円転や外貨建取引をした時点で家族(受贈者)が差益を認識するのでしょうか?

【結論】
結論から申し上げますと、為替差益を認識する必要があるのは「ご家族(受贈者)」となります。ご認識の通り、ご家族が質問者様(贈与者)の購入時価格を引き継ぎ、外貨を決済等に使用した時点で、ご家族に差益が実現して課税対象となります。

【理由】
理由は以下の通りです。
・外貨を贈与した場合、贈与した側(質問者様)には原則として所得税は課税されないためです。税法上、贈与時に利益が実現したとみなして課税される特例規定がありますが、これは土地や株式など限られた資産が対象であり、外貨から生じる為替差益(雑所得)には適用されません。
・贈与によって取得した資産を譲渡(使用)した場合、受け取った側(ご家族)は、贈与した側(質問者様)の「取得した時の価格(購入時の為替レート)」を引き継ぐというルールがあるためです(所得税法60条1項1号)。

したがって、ご家族が自分名義の外貨口座からデビットカード等で決済した時点で、初めて為替差損益が実現し、ご家族の雑所得として計算することになります。

本投稿は、2026年02月08日 11時33分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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