認定支援機関(経営革新等支援機関)とは?利用するメリットや検索方法を解説

中小企業であれば、補助金や融資を受けようと思ったときに「認定支援機関(経営革新等支援機関)」という言葉を耳にするでしょう。認定支援機関に相談することで企業は様々なメリットが得られます。
本記事ではそんな「経営革新等支援機関」について、どのようなときに活用できるのか、目的別の検索方法について解説します。
目次
経営革新等支援機関(認定支援機関)とは
「経営革新等支援機関(認定支援機関)」とは、経済産業省よって専門知識、実務経験が一定レベル以上あると認定された税理士や公認会計士、金融機関などのことです。事業計画策定や融資・補助金の申請などにおいて中小企業をサポートし、専門性の高い支援事業を行っています。
平成29年6月30日までに認定をうけた認定支援機関のうち、税理士・税理士法人の割合が70%以上と最も高く、ついで公認会計士や金融機関、中小企業診断士がおよそ15%を占めます。
認定支援機関に相談するメリット
認定支援機関に経営相談をすることで、事業者は以下のようなメリットを受けられます。
資金調達がしやすくなる
融資制度や補助金・助成金の申請には、認定支援機関による計画書の確認などを要件としているものもあります。
そのなかのひとつが日本政策金融公庫が設けている「中小企業経営力強化資金」です。この融資は、経営拡大によって新たな事業活動への挑戦を行う中小企業が対象となり、申請の際には認定支援機関から支援を受けることが条件となっています。
税制優遇措置を受けられる
節税につながる税制優遇措置のなかには、認定支援機関による支援を要件のひとつにしているものがあります。
例として「先端設備等指導計画」制度における税額控除があります。これは中小企業・小規模事業者等が生産性を高めるための設備を取得した場合、この制度を適用することで固定資産税が軽減されるというものです。適用申請するにあたって、事前に認定支援機関から当該計画の確認を得る必要があります。
融資の際の保証料が安くなる
信用保証協会を利用して融資を受ける際に保証料が安くなるというのも、認定支援機関に経営相談を行うことで得られるメリットのひとつです。
たとえば「経営力強化保証制度」では、中小企業は認定支援機関からサポートを受けながら経営改善に取り組み、四半期毎に金融機関に対して事業計画の実行と報告を行います。そうすることで信用保証協会の保証料が概ね0.2%減額されます。
経営アドバイスを受けられる
上記以外にも、事業計画や生産管理・品質管理の策定をはじめ、人事や労務、海外展開など経営に関わる包括的なアドバイスを受けることができます。認定支援機関の支援を受けて事業計画を見直すことで、効率的に経営力強化を目指すことができるのです。
認定支援機関の選び方
認定支援機関の探し方は大きく2つあります。
ひとつは、中小企業庁のホームページにて都道府県などの条件から検索する方法で、もうひとつは中小企業庁認定の地域プラットフォームに相談し、専門家派遣を依頼する方法です。地域プラットフォームとは、中小企業庁が認定した地域の機関による中小企業支援の連携体です。
ただし登録数は全国で3万を超えるため、企業が自社にあった認定支援機関を選ぶには、以下2つのポイントに留意しましょう。
専門分野を確認する
ひとくちに認定支援機関といっても得意分野は各専門家で異なります。そこで相談したい内容に合わせて、まずは相談可能内容や支援可能業種を確認しましょう。
たとえば資金調達での支援を希望するなら「創業支援」「事業計画作成支援」に強い認定支援機関を選ぶとよいですし、「ものづくり補助金」における採択率もチェックしておくとよいでしょう。
料金形態を確認する
認定支援機関を利用する際にかかる料金はその機関によって違います。
成功報酬型であれば融資額の何割と決められていたり、あるいは結果に関わらず一定の着手金が必要であったりと様々です。また、事業計画の伴う融資や税制措置の場合には、金融機関への事業進捗報告のたびに料金が発生する場合もあるので注意が必要です。
税理士を選ぶべき理由
金融機関における認定支援機関との提携実績を見ても、税理士がもっとも多く選ばれています(※平成29年度)。
また、企業側も、税務のプロフェッショナルである税理士の支援を受けることで、必要書類の作成効率と精度が上がり、融資の手続きなど素早く行うことができます。
おわりに
認定支援機関は経営アドバイスや税制措置、融資の手続きなど、中小企業をサポートしてくれる心強い存在です。利用するかしないかでその後の審査の通過率や効率は大きく変わります。
また、現在は全国で33000を超える認定支援機関が存在します。利用する際には得意分野や料金形態など、よく確認した上で自社にいちばん合った認定支援機関を選ぶことが大切です。
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