研究開発のコストがあれば節税につながる「研究開発税制」とは? - 節税や実務に役立つ専門家が監修するハウツー - 税理士ドットコム

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研究開発のコストがあれば節税につながる「研究開発税制」とは?

研究開発税制という制度をご存知でしょうか。研究開発税制とは、モノ作り又はサービス開発を行う企業を対象にした、基礎研究や応用研究ににかかった費用の一部を法人税から控除するという税制優遇制度です。

研究開発には多額の費用がかかりますが、この負担が少しでも減るなら、経営者にとっても嬉しい限りですね。

研究開発税制は、2017年の4月に改正もあり、税制の適用範囲がさらに広がりました。今回は、この研究開発税制について解説します。

目次

研究開発税制とは

研究開発税制は、試験研究費に対する税制控除制度です。法人事業年度に試験研究費が発生した場合に、この総額に対して一定割合に相当する金額を法人税額から控除します。

この研究開発税制は、企業の規模問わず利用できますが、中小企業の場合、さらに優遇されやすくなっています。これは、「中小企業技術基盤強化税制」という優遇措置によるもので、中小企業の経営者であれば、ぜひ活用を検討したいところです。

ちなみに「試験研究」とは、モノ作り企業の場合、以下の3つです。

1.基礎研究

自然界に存在する科学的な事実(理論、法則、物質、属性、性質、現象など)を発見・立証すること。

2.応用研究

基礎研究によって発見された知識を利用して、特定の目標を定めて実用化の可能性を確かめる研究や、すでに実用化されている方法に関して新たな応用方法を探索する研究のこと。

3.開発研究

基礎研究、応用研究および実際の経験から得た知識の利用であり、新しい材料、装置、製品、システム、工程などの導入または既存のこれらのものの改良をねらいとする研究のこと。

モノ作り企業であれば、上記の3つうちどれか行なっている可能性が高いのではないでしょうか。

なお、平成29年4月以降は、IoT、AI、ビッグデータ活用による新たなサービス開発を行っている企業にも、研究開発税制の活用の可能性があります。

試験研究費の対象は?

試験研究費の対象は、どのようになっているのでしょうか。

製造業によるモノ作りの研究開発の場合、経済産業省のホームページに掲載されている概要資料(平成29年3月までの制度概要)によると、以下のように記載があります。

各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される、「製品の製造」又は「技術の改良、考案若しくは発明」にかかる試験研究のために要する費用で次に掲げるもの。
試験研究費に充てるために他の者から支払を受けた金額(受託研究の対価・補助金等)がある場合には、その金額は試験研究費の額から除外。
1.その試験研究を行うために要する原材料費、人件費(専門的知識をもってその試験研究の業務に専ら従事する者に係るものに限る)及び経費
2.他の者に試験研究を委託する場合の委託研究費
3.技術研究組合に賦課される費用

研究開発税制の改正点

2017年4月に、研究開発税制の改正がありました。例えば、これまで試験研究費の総額か増加金額に応じて控除額が決まっていたところから、2017年4月以降は総額のみに適用させるように簡素化されました。

控除限度額は、法人税額の25%と改正前から変更はありませんが、税額控除率は、試験研究費の増減に応じて6~14%(中小法人:12%~17%)の間で決まります。

また、特別研究機関等、大学等、その他の者と共同で行う試験研究に関わる特別試験研究費の一定割合を法人税から控除できる「オープンイノベーション型」は、運用方法が改善されています。

具体的には、控除の対象が、契約変更前に生じた費用であっても、その契約に係るものであることが明らかで、その費用発生と契約変更日が同一事業年度にあれば対象となりました。対象費用の額の確認についても、領収書等との突合までは求めず、光熱費・修繕費などの間接経費も対象範囲となっています。

さらに、対象となる試験研究費は、従来の製品の製造、技術の改良、考案又は発明の他に「ビッグデータ等を活用した「第4次産業革命型」のサービス開発」が追加されました。 この「第4次産業革命型」には、以下の4項目が当てはまります。

自然災害予測サービス

ドローンにより山地の地形や土砂、降雪状況等を収集・分析して自然災害予測を提供するサービス

農業支援サービス

センサーにより農地の温度や湿度等を細かく収集・分析して効果的な農作業情報を配信するサービス

ヘルスケアサービス

ウェアラブルデバイスにより個人の健康状態を細かく収集・分析して健康維持サポート情報を配信するサービス

観光サービス

ドローンや人工衛星により自然界や生態系情報等を細かく収集・分析して観光情報(オーロラやクジラが見られる等)を配信するサービス

いずれのサービスも、今後有望な分野になりますので、着手する可能性も高いのではないでしょうか。ぜひ、念頭に置いていただきたいところです。

研究開発税制への対応をどうするか?

これまで、試験研究費の税額控除制度は、製造業等のもの作り企業を中心としたものでした。しかし、今回の改正によって、このような固定観念に縛られることなく、適用される研究開発業務がないか改めて確認してみるとよいでしょう。

AIやビッグデータ、ドローンを新たに活用しようとしている企業にとっては、大きなチャンスです。また、金融とITを融合させた金融サービスを提供する企業などにも、試験研究費の税額控除が適用される可能性があります。

また、自社で生じる費用で、税法上の「試験研究費」に該当するものがある場合、集計作業が必要となります。一年分の試験研究費を集計するとなると、膨大な量になることが予想されるため、後々行うとなると作業が終わらなくなる可能性があります。

できれば、早い段階から税理士などに相談し、税務ポリシーの策定と集計作業を進めておくことをおすすめいたします。

これまで研究開発税制を適用されていた企業も、適用範囲拡大により、さらに節税効果が見込めるかもしれません。特に、製造業であれば、製品や装置にセンサーをつけてIoT化を図ることが出てきているでしょう。このように、新たなサービスを付加した場合、研究開発税制の適用範囲が広がるかどうかも確認しましょう。

研究開発税制の節税効果

研究開発税制による節税効果はどれくらい見込めるのでしょうか。

研究開発税制は、試験研究費割合によって、適用される区分が大きく変わります。例えば、試験研究費割合が10%以下で、かつ増減試験研究費割合が5%以下の場合は、総額型で25%、オープンイノベーション型で5%までで、合計で法人税額の30%まで税額控除が可能となります。

他にも、試験研究費割合の利率や、上乗せ型や高水準型の組み合わせにより、適用される税額控除割合が変わってきます。

製造業など研究開発を行う企業は、大きな節税効果が見込るでしょう。

おわりに

研究開発税制は、上乗せ措置の有無や時限措置があるなど、様々な組み合わせがあります。自社内だけで、理解して解決しようすると、うまくいかないかもしれません。研究開発税制について、何が適用されるかわからない場合は、ぜひ税理士の方へ相談して見ましょう。研究開発税制をうまく活用して、自社の節税に役立ててください。

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