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「事業用資産の買換え特例」とは?注意点や要件を解説

アパート経営などで不動産収入があると、手持ちの物件が駅から遠い、周りの道路が狭い、地形が悪いといったことから、もっと入居者の集めやすい物件に買い換えたいと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

また、建物や設備が古くなり、建替えや設備の取替を迫られたタイミングで買い換えを検討する方もいるでしょう。そんな方たちを、税制面からバックアップしてくれるのが「事業用資産の買換え特例」です。

目次

「事業用資産の買換え特例」とは

この特例は、買換えによって発生する「譲渡所得」の80%を繰り延べできるというものです。

土地を売って100万円利益が出れば、通常は、個人でも法人でも100万円全額に対して税金がかかります。しかしこの特例を使えば、20%の20万円に対してしか税金がかからないのです。ただし、この特例は課税の繰延べなので、買換え資産を次に譲渡するときには、減税になった分も含めて課税されることになります。

特例の適用要件

買換え特例は「租税特別措置法」という法律に規定されています。買換え特例を使うためには要件がいろいろあるのですが、そのひとつに、「譲渡資産と買換え資産は、決められた一定の組み合わせになっていること」というものがあり、その中に次のような組み合わせがあります。

譲渡の日の属する年の1月1日において、所有期間が10年を超える国内にある事業用の土地等や建物又は構築物を譲渡して、国内にある事業用の土地等、建物又は構築物を取得する場合
国税庁|No.3405 事業用の資産を買い換えたときの特例 2 特例を受けるための要件

不動産収入がある方が、条件の悪い物件から条件のよい物件に乗り換えるときの特例は、この組み合わせを使います。土地等の「等」は借地権のことです。

国内にある土地等を譲渡して、国内にある土地等を取得するとありますから、地域は問われません。どこにある不動産を売って、どこにある不動産を買ってもよいのです。

ただし、譲渡する不動産は10年を超えて事業を営んでいるものに限られます。アパートやマンションなどの貸家建付地だけでなく、工場、事務所、倉庫、駐車場、資材置き場、なんでも対象となりますが、遊んでいる土地やただ空き地になっているだけの運動場などは対象外です。また、工場中に備え付けられている機械装置などは対象外です。さらに、買い替える不動産も、同じく事業に使うものでないといけません。

この特例は、平成32年3月31日までの譲渡について適用となっています。延長されるかもしれませんが、そのときにならないとわかりません。

買換え資産が土地等の場合

買換え資産が土地等のときは少し厳しい要件があります。

「工場、事務所、アパートなどのための敷地として用いられる土地は、300㎡以上の面積を有するものでなければならない」というものです。

ただし、面積制限のない譲渡資産を売って、土地と建物がセットになった、あるいは建物だけの買換え資産を取得するときは、買換え資産を「建物」として特例の適用ができますから、特例適用のケースは相当あるものと思われます。

買換え資産の面積制限と取得時期

買換え資産に土地等が含まれていて、その土地等の面積が譲渡資産の土地等の面積の5倍(一定の農業用の場合は10倍以内)を超える部分については、特例対象の買換え資産とは見なされません。100m²の土地を売って、1000m²の土地を買うときは、500m²までしか、特例の対象にならないのです。

また、買換え資産を取得する時期ですが、資産を譲渡した年とその前年、翌年の3年間に限定されています。前年、翌年に買換え資産を取得するときは決められた届出書、明細書を提出する必要があり、「買換え資産は取得したときから1年以内に事業に使うこと」という要件もあります

課税対象所得の計算例

ここでは、国税庁のタックスアンサーに出ている計算例を見ていきましょう。

<事例>
・譲渡価額:3億円
・買い換えた資産の取得価額:5億円
・譲渡資産の取得費:9000万円
・譲渡費用:1000万円

まず譲渡所得ですが、「収入 − 経費」です。

「収入」は譲渡価格の3億円、「経費」は「譲渡資産の取得費9000万円 + 譲渡費用1000万円 = 1億円」ですから譲渡所得は差額の2億円です。この20%ですので、2億円 × 20%の4000万円が課税対象金額となります。国税庁の書き方は少し違って、収入、経費にそれぞれ20%をかけて差額を計算していますが、結果は同じです。

課税が繰り延べられた金額の1億6000万円(2億円の80%)ですが、これは取得資産の簿価が減額されると考えてください。取得価額の5億円が1億6000万円減額されて、3億4000万円で帳簿に記録されます。

ですから買換え資産を次に売るときは、減額後の取得価額3億4000万円が経費となり、この分譲渡所得が増加して、通算してみると100%課税が実現するわけです。

おわりに

要件が多すぎて、買換え特例の適用をあきらめてしまう方もいるかもしれません。しかし、手持ち物件のステップアップをするためには、うまく税法の特例が適用できるような買換えを作り出していく努力も必要です。

そんなときは、税理士に相談しながら上手な買換えを実現していきましょう。

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