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不動産を活用!中小企業の事業承継における節税テクニック

事務所や工場、店舗、倉庫など、すべての企業は不動産を保有または賃貸しています。企業経営をする上で、不動産とまったく関わらない企業はありません。

不動産を企業経営に役立てる戦略は、「CRE戦略」と呼ばれています。CREとはCorporate Real Estate(コーポレートリアルエステート)、つまり企業不動産の略です。

CRE戦略は大企業のみのものと考えられがちですが、事業承継の問題を抱える中小企業においても、CRE戦略は有効です。そこでこの記事では、事業承継を見据えた中小企業のCREについて解説します。

目次

事業承継は中小企業特有の問題

最初に、事業承継は中小企業特有の問題であることを認識する必要があります。

大企業は株価が公開されており、次期社長も社員の中から選ばれることが多いため、事業承継で悩むことはほとんどありません。

一方で、中小企業の場合、大部分の株式を社長が持っているため、株式、つまり財産の承継に問題が発生します。また、近年では適切な後継者がいない場合も多く、経営の承継にも問題が発生します。

つまり、中小企業は「財産」と「経営」のふたつの承継に関して問題を抱えており、これはあまり大企業には見られないケースなのです。

承継パターンによって対策を変える

事業承継は大きく分けて「親族内承継」「従業員への親族外承継」「M&A」の3つのパターンに分かれます。つまり財産の承継についても、3つのパターンに分けて対策を考える必要があります。

「親族内承継」に関しては、2018年4月1日より事業承継税制が大きく緩和されたことにより、財産承継がスムーズに行えるようになりました。

「M&A」に関しては、とにかく高く買ってもらうことが一番であるため、収益力の向上が課題となります。

一方で、もっとも対応が難しいのが「従業員への親族外承継」です。従業員へスムーズに株式を移行するには、やはり株価を下げていく対策が必要となってきます。

従業員への親族外承継は、社内の優秀な番頭的立場の人が承継することから、経営や事業の承継に関してはスムーズなことが多いようです。しかし、財産の承継は難しいことから、現実的には最も選択しにくい承継方法となっています。

そこで、次からは従業員への親族外承継を中心に、不動産を活用した株価対策についてご紹介します。

不動産を活用した節税テクニック

財産承継の対策は、株価を安くした状態で株式を移していくのが典型的な対策です。評価額を低くして次世代へ承継させるという点では、個人の相続税対策ととても似ています。

非上場会社の株式は、「類似業種比準方式」と「純資産価額方式」の2つを用います。このうち、純資産価額方式は、相続税評価額で資産評価が行われるため、まさに個人で行う相続対策と同じことをすると、株価を下げることができます。

たとえば、個人が行う相続対策の典型としてアパート経営があります。同じように、中小企業でもアパート経営を行うことで株価を下げることが可能です。

アパート経営の場合、建物部分については借家権割合による評価減を受け、土地部分については貸家建付地評価減の適用を受けます。さらに借入を用いることで、負債が純資産価額を小さくする働きをしてくれます。

ただし、法人の場合、投資したアパートの評価が株価に反映されるのは、投資から3年を経過した後になります。株価が下がったタイミングで、従業員への株の移行を図れば、贈与税の節税もでき、財産承継がスムーズになります。

純資産価額による株価を下げるには、個人の場合と同じ相続対策に効果があるという点がポイントです。

法人で不動産投資を行うメリットとデメリット

先述のように、法人で不動産投資を行うと、純資産価額方式における株価を下げるメリットがあります。また、本業以外で安定した家賃収入も入ってくるため、経営基盤の強化にも繋がります。

一方で、借入を用いる場合、一般事業会社による不動産投資は設備投資とみなされるため、借入期間が最長でも20年でしか借りることができません。

個人で行うアパート投資は、30年のような長期ローンを組むことができますが、法人の場合、20年と短い期間でのローンとせざるを得ず、返済条件が厳しいというのがデメリットです。また、普通の不動産投資と同様に、空室リスクなどの事業リスクも抱えます。

不動産投資が本業の下支えになることもありますが、逆に本業の足を引っ張る可能性もあるというデメリットも認識しておく必要があります。

リスクを最小限にとどめる不動産の選び方

事業承継対策で行う不動産投資も、通常の不動産投資と同様に投資のリスクを十分に勘案する必要があります。

もし、元々、立地のよい場所に遊休地を持っているのであれば、そこにアパートを建てるのがベストです。建物投資だけでアパートが建築できるため、リスクを最小限に抑えることができます。

土地を持っていなければ、立地のよい土地をなるべく安く購入することから始めます。ただしそのような場所はなかなか売りに出ませんので、普段から情報アンテナを高くしておく必要があります。

よい物件を見つけたらいつでも購入できるよう、ある程度の自己資金を準備しておくことも重要です。リスクを最小限に留めるにはよい立地の物件を購入することにこだわるようにして下さい。

おわりに

以上、不動産を活用した事業承継の節税テクニックについて解説しました。事業承継税制が改正されたとはいえ、「従業員への親族外承継」にはまだまだ課題が残ります。

従業員への親族外承継を選択する際は、不動産を活用してしっかりと株価対策を取るようにしましょう。

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