販管費削減の糸口
中小企業のメーカーです。製造は外注で開発が主となり、販社の要素も多分に含んでおります。強みは販売力。
損益の構成は売上原価比率65%、販管費比率43%で赤字が続く状況です。
当然、売上増、粗利率の好転の戦略も立てるのですが、販管費の削減。これも重要なこととなります。しかし実務者としてなかなか難しい・・・
主な内訳は人件費24%営業活動費(旅費や車両燃料)7%維持管費11%(家賃や支払手数料、リース車両)となります。上の指示で営業活動費に支障を来す削減はしないと。そのような事を言ったら何もありません。ちょこちょこ会費や雑費なんかの見直しをしても少額。とても赤字を解消できる抜本的な改革にはなりません。
このような状態なのですが、どのような視点をもって取り組めばよいのか。
アドバイス戴けると幸いです。
税理士の回答

新木淳彦
こんにちは。
経費削減は、どこの会社でも必要な作業であることは言うまでもあありません。しかしながら、相談者様の会社のように削減に努めても思うような結果を出すことのできない会社も多いのも事実です。
そこで、一旦経費削減という視点から離れて、損益分岐点売上高を過去5年分くらい算出してみて下さい。
損益分岐点売上高は計算式を少し工夫するだけで、利益を算出するときの予測売上高も出すことが出来ます。
まず、この計算を行ったうえで、実際の売上と損益分岐点売上高の数値との差額を見て下さい。
この差額があまりにも大きい場合には、専門家の助けを必要としなければ変わることは難しいかもしれません。
逆に、差額が僅かでもうちょっと頑張ればなんとかなるという水準であれば、社内情報として共有しつつ、予算建てをすることです。
当然立てた予算の内容についても社内共有して下さい。
その予算内に収まる経費の使い方を工夫することで、かつ社員全員、特に役員も含めて厳しい目で予算を実行することでかなりの成果は出ると思われます。
ご検討をお願いいたします。
有難うございます。ちょっと変な質問ですが、例えば
売上高3,077,441 売上原価1,879,756 販管費1,362,798 営業利益△165,114だったとします。分岐点は3,501,700 実売上との差額は424,260
ここで言えるのは、後424,260売上を稼ぐか。若しくは売上、原価共に変更なければ粗利額1,197,685-販管費1,362,798=165,113販管費を削減する。
これが通期の数値だとしたら割る12で、ひと月14の販管費の削減が必要。
このような説明が成り立つと思うのですが正しいですか?
なんか、幼稚のような・・・誰でもわかるような・・・どうも理論的な説明ができません

新木淳彦
こんにちは。
損益分岐点売上高に間違いがなければ理論上は相談者様のお考えのとおりですね。
ただし、あくまでも理論上の事であり、実態が伴ってきますと、理論通りに上手くはいきません。
まず、相談者様が例として挙げた金額の単位は円単位でしょうか?それとも千円単位でしょうか?
円単位での14,000円を毎月削減することは可能かもしれませんが、千円単位の場合の14,000,000円を削減するのは至難の業かもしれません。
たぶん、気持ちの上で萎えてしまいそうな気がします。
円単位の数字であれば、気持ちが萎えることは無いとは言いませんが、少ないでしょう。その理由は先が見えるからです。
ところが、先の見えない数字を追いかけるのは、気が重いですし、どちらかと言えば、今までできなかったことをこれからやろうとしてもできるわけがないと、実行する前から気持ちが負けている場合もあります。
ですからそのような場合には、専門家のお力を借りる方が絶対に早いです。
逆に円単位での例題であった場合には、売上目標を3,550,000円に設定し、御社を取り巻く環境を注視しつつ経費に対する予算を作成します。それにより、何を改善すれば達成可能が見えてくるのかがおのずと見えてくるでしょう。
ご検討をお願いいたします。
本投稿は、2021年09月01日 09時56分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。