事業継承
個人で薬局を経営しています。7月に親から事業を引き継ぎました。
資産の使用賃貸や贈与については理解できました。
新たな質問です。
①資産についてですが、今後新たに機械を入れ替えた場合は、私側(息子)で取得処理して、親側は特に何もしなくてよろしいですか?
②親が亡くなるまで、親の事業用資産だったものの明細を管理していかなければならないですよね?(資産を廃棄した又は売却したなど)
③建物にかけている火災保険の前払分は、生計は別なので引き継げませんよね?
④親の帳簿をみると、車両費が60%くらい経費になっているのですが、私の場合ほとんど通勤と郵便局にレセプトを出しに行くくらいで、たまに患者様のところにも訪問します。同じ割合を経費にしてよいものでしょうか。(親は税理士事務所担当から60%経費にしてよいと言われたそうです)
何卒、ご教授願います。
税理士の回答
竹中公剛
①資産についてですが、今後新たに機械を入れ替えた場合は、私側(息子)で取得処理して、親側は特に何もしなくてよろしいですか?
はい、その通りです。
②親が亡くなるまで、親の事業用資産だったものの明細を管理していかなければならないですよね?(資産を廃棄した又は売却したなど)
そうなります。
③建物にかけている火災保険の前払分は、生計は別なので引き継げませんよね?
そのままにしておけばどうですか。
④親の帳簿をみると、車両費が60%くらい経費になっているのですが、私の場合ほとんど通勤と郵便局にレセプトを出しに行くくらいで、たまに患者様のところにも訪問します。同じ割合を経費にしてよいものでしょうか。(親は税理士事務所担当から60%経費にしてよいと言われたそうです)
実情に合わせて考えます。
事業のために購入を、事業以外で使用の場合には、それくらいの比率では。
髙畑智子
① 新たに取得する機械について
息子さんが購入し、代金を負担するのであれば、息子さんの事業用資産として計上します。
ただし、入れ替えによって親御さん所有の機械を廃棄・売却する場合は、親御さん側でも必要な処理を行います。
② 親御さんの事業用資産について
親御さんから使用貸借で借りている資産については、所有権が親御さんにあるため、引き続き資産の明細や処分状況を管理する必要があります。
ただし、贈与によって所有権が移転した資産については、取扱いが異なります。
③ 火災保険料の前払分について
親御さんが契約し、支払った火災保険料の前払分を、そのまま息子さんの経費として引き継ぐことはできません。
保険契約者、保険料の負担者、建物の所有者などを確認し、適切に処理する必要があります。
④ 車両費の経費割合について
親御さんが使用していた60%という割合を、そのまま引き継ぐことはできません。
息子さんご自身の実際の使用状況に基づき、事業使用割合を合理的に算定してください。
郵便局へのレセプト提出や患者さんへの訪問などは事業使用に該当します。自宅と薬局の往復についても、個人事業主の場合は事業上の移動として認められる余地があります。
走行距離などの記録を残し、客観的に説明できる割合で経費計上することをお勧めします。
なお、個人事業の承継では、資産の所有関係や減価償却費、保険料の取扱いなど、個別の状況によって税務処理が異なります。今後の申告や相続にも関係するため、一度、関係資料を持参して税理士に相談されることをお勧めします。
承継後の処理は、贈与済みの資産と親御様から借りている資産を分けて整理します。新しい機械の購入だけでなく、入替えで処分する旧機械の所有者側の処理も確認が必要です。火災保険は契約者・対象期間・負担者、車両費はご本人の走行距離等による事業使用割合を確認し、親御様の割合をそのまま用いないようにしてください。資産台帳、承継時の合意、保険証券と走行記録を近くの税理士事務所に提示し、親子双方の処理を確認されるとよいでしょう。
相亰俊信
お世話になります。
結論から申し上げますと、①はご認識のとおりです。②は無償で借りている資産について記録を残しておくことをお勧めします。③は引き継げません。④は親御さんの割合ではなく、ご相談者様ご自身の使用実態に応じた割合で経費にしてください。
①新たに購入する機械はご相談者様の資産となり、ご相談者様の帳簿で取得と減価償却(取得価額を耐用年数に分けて経費にすること)を行います。親御さん側の処理は不要です。ただし、入れ替えの際に親御さん所有の旧機械を売却した場合は、親御さんの譲渡所得として申告が必要になることがあります。
②贈与を受けた資産は、ご相談者様の資産としてご自身の帳簿で管理します。使用貸借(無償で借りている状態)の資産は引き続き親御さんの所有ですので、廃棄や売却の記録は、親御さんの所得税申告や将来の相続財産の把握のために残しておくとよいでしょう。なお、生計が別であれば、親御さん所有の資産の減価償却費はご相談者様の経費になりません。所得税法第56条の特例は、生計を一にする親族間に限られるためです。
③火災保険の契約者と支払者が親御さんであれば、前払分は親御さんが負担したものです。そのため、ご相談者様の経費や前払費用として引き継ぐことはできません。建物の贈与を受けてご相談者様が契約者となる場合、今後支払う保険料は事業用部分について経費になります。建物が使用貸借のままだと、建物を含む資産は親御さんの所有となりますのでご相談者様が保険料を負担しても上記②同様に生計を一にするかどうかで変わります。
④車両関係費は家事関連費(仕事と私用が混在する費用)にあたります。業務に必要な部分を明らかに区分できる範囲で経費になります(所得税法第45条、所得税法施行令第96条、所得税基本通達45-2)。この割合は事業主ごとの使用実態で決まるため、親御さんの60%をそのまま使う根拠にはなりません。事業利用割合の根拠(走行記録、日誌、取引先訪問記録など)を基に按分し記録を保存しておくことをお勧めいたします。
先生方、ありがとうございました。
個人事業主は、職場までの交通費も経費にできるのは初めて知りました。勉強になります。
追加質問で大変申し訳ないのですが、親の廃業時の在庫をこれもまた無償で引き継いだのですが、これは贈与になりますか?ちなみに親も私も免税事業者です。
みなし譲渡になるのですか?
本投稿は、2026年10月19日 18時37分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







