今さら聞けない「タワマン税制」、まだ高層階に節税の効果はあるのか - 税金やお金などの身近な話題をわかりやすく解説 - 税理士ドットコム

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今さら聞けない「タワマン税制」、まだ高層階に節税の効果はあるのか

今さら聞けない「タワマン税制」、まだ高層階に節税の効果はあるのか
タワーマンションが立ち並ぶ光景(PIXTOKYO / PIXTA)

あこがれる人も、皮肉を投げかける人も含めて、多くの人が注目する「タワーマンション」。

「マンションの高層階って、なんで高いの?原価的には低層階と同じじゃん」。以前、こんなタイトルのスレッドが、ネットの掲示板に立ち上がり、意見が交わされました。

「原価が同じでも不味いラーメンと美味いラーメンの値段は違う」「馬鹿は高いところが好き」「三階から上は虫が来なくなる 六階から上は電線の高さからか鳥も来なくなる」などの意見が出て、結局は需要と供給の関係で、単純に人気だから、という理由に落ち着きました。

税金の面から見ると、「タワマン税制」という言葉を聞くこともありますが、どのようなものなのでしょうか。新井佑介税理士に聞きました。

●高層階の節税効果はなくなったわけではない

「確かに、タワマン税制という言葉を聞くことがありますね。一般的には相続税の節税スキームの一環として登場する場合が多いのではないでしょうか」

それはどのようなものでしょうか。

「タワマン関連の税制については、2017年に『固定資産税における計算方法』の改正が行われています。この税制改正によって『相続税の節税効果』はなくなったと指摘されることもありますが、誤った情報です。なぜなら『固定資産税』の計算方法は改正されましたが、『相続税』の計算方法は改正されていないからです」

具体的には、何が変わっていないのでしょうか。

「相続税の申告の際、被相続人(亡くなった人のことです)が所有しているタワマンを評価します。その際、建物価格の評価は固定資産税評価額をベースに行うのですが、この固定資産税評価額と実勢価格との差が節税効果として現れます。

そして、以前は、高層階も低層階も、床面積が基準で、固定資産税評価額が変わらなかったため、高層階を買って相続した方が、節税につながりました。

2017年の改正で計算方法が変わり、固定資産税評価額が実勢価格に近くなりました。高層階になるほど、固定資産税の負担を増やすよう改正されてはいますが、まだまだ実勢価格との乖離があるのも事実です。この点において、相続税の節税効果は完全になくなったわけではありません。その意味では、高層階を購入することがお得な場合もあるでしょう」

●節税目的だと評価を否認される可能性も

注意するべき点はないのでしょうか。

「ここまで、節税効果について説明してきましたが、そもそも節税を目的とした投資は本末転倒です。節税目的の投資は財産評価基本通達6項(俗に6項否認)によってその評価を否認される可能性も十分あります。実際に国税庁は注意喚起していますし、最近ではタワマン節税が6項否認された事例もでています。

私がはっきり言いたいことは、節税効果はあくまで効果であること。これを目的化することで、タワマン本来の収益性(賃料や修繕費や資金調達コスト)をしっかり検討せずに決断することは致命傷になる場合もあります。

国としてもまだ東京オリンピックまでは税制改正によって不動産バブルを崩壊させるわけにはいかないのが実情でしょう。本当にタワマン節税の効果を抑制するためには、『相続税』の計算方法の改正が必要ですから。ぜひ、この辺の経済動向も踏まえながら、タワマンについて考えて頂けると面白いと思います」

【取材協力税理士】
新井 佑介(あらい・ゆうすけ)税理士・公認会計士
AAG arai accounting group 代表。慶応義塾大学経済学部卒業後、BIG4系ファームを経て現職。MASコンサルティングや様々な融資案件に積極的に関与している。
事務所名 : AAG Arai Accounting Group / 経営革新等支援機関 新井綜合会計事務所 
事務所URL:http://shozo-arai.tkcnf.com/pc/

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