19年ルールを踏まえた退職所得控除の考え方
A社で24年勤務し、企業DCと企業DBに入っていました。退職時に、企業DBを一時金として受け取り、24年分の退職控除1080万を活用しました。A社退職翌月からB社に転職し、B社の企業DCへ移管し、4年間勤務しました。B社を退職後はiDeCoへ移管し8年ほど継続し、一時金受取を予定しています。iDeCo受取時の退職所得控除の考え方は以下で正しいでしょうか?
A社:24年 B社:4年 iDeCo:8年 通算36年
退職所得控除額は36年分として 800万+70万×16年=1920万
A社退職時の利用額1080万を除いた840万(70万×12年分)が、iDeCoを一時金で受け取る場合の退職所得控除額となる。
税理士の回答

土師弘之
iDeCo一時金の際の退職所得控除額は「掛金の納付期間」(移行があった場合には移行前の企業年金の掛金の納付期間を含みます)で計算します。A社及びB社での勤続年数ではありませんので、掛金の納付期間を確認しておく必要があります。
また、退職所得控除額の調整計算は、企業DB一時金受給の際に実際に使用した退職所得控除額1,080万円を直接控除するのではなく、企業DBの掛金の納付期間とiDeCoの掛金の納付期間の重複する「期間」を控除する方法で計算します。退職所得控除額自体の調整ではなく「勤続期間(納付期間)」を調整する方法ですので、840万円にはならない場合があります。
ご指導有難うございます。前半の納付期間について、現在の確定拠出管理元であるNRK情報では、A社入社から起算し、B社在籍の現在まで空白なく通算加入者期間として示されています。結果的に 勤続期間=納付期間と理解し、先の質問表記となりました。ご指摘の通り、納付期間が重要であることはもっともと思います。以降は納付期間として表現したいと思います。
後半の調整計算について、確定給付と確定拠出の重複期間はA社勤務の24年になります。DCおよびiDeCoの確定拠出期間のみで非重複期間は12年です。これらの数字は納付期間です。
この場合、退職所得控除の計算はどちらがルールに即するのでしょうか?
ケース1:先の仮説の通り、納付期間20年を超えての12年のため、70万×12年=840万
ケース2:非重複期間をゼロから計算。20年未満ととらえ、40万×12年=480万
細かくて恐縮ですが、改めてご指導いただければ幸いです。

土師弘之
退職所得控除額の調整計算は、「重複期間がないものとした場合の退職所得控除額」から「重複期間だけで計算した退職所得控除額」を差し引くため、結果的にはケース1(70万円部分だけが残る計算)の金額となります。
大変わかりやすくご指導いただき、有難うございました。ケース1の計算法で、納付期間をベースに計算すること、理解しました。重ねてお礼申し上げます。
本投稿は、2025年09月14日 17時51分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。