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個人事業税の判断について

2025年はJustAnswerでIT分野の技術回答・技術支援を行っていました。システム等の完成を請け負う契約ではありません。私の2025年分について、個人事業税上どの法定業種として認定されていますか。それとも法定業種外でしょうか。

税理士の回答

 JustAnswerでのIT分野の技術回答や技術支援(成果物の完成を目的としない準委任型の業務)は、原則として個人事業税の「法定業種外(非課税業種)」として扱われます。
 個人事業税は、地方税法に定められた「法定70業種」のいずれかに該当する場合にのみ課税される仕組みです。システムエンジニア(SE)やプログラマーなどのIT関連業は、この70業種に直接明記されていません。
 ただし、実務上の運用において、自治体(都道府県税事務所)からどのように認定されるか、またはグレーゾーンとして扱われるかの分岐点は以下の通りです。一般的に、当該業務が民法第632条に規定する請負契約に基づく場合、請負業として課税対象となる可能性があります。

 1. 原則:法定業種外(非課税)
 今回のように「システムの完成を請け負う契約ではない(成果物の納品義務がない)」場合、実態は「技術提供」や「アドバイス・相談業務」となります。時間や件数に応じた技術支援・回答業務は、法律上の「請負業」には当たらないため、原則非課税です。
 2. 例外的に認定される可能性のある法定業種
 原則は非課税ですが、確定申告書の記載内容や都道府県税事務所の判断(実態の解釈)によっては、以下の法定業種(第3種事業・税率5%)に当てはめられてしまうケースが稀にあります。
 コンサルタント業:技術的な「助言」や「指導」の側面が非常に強いと判断された場合。
 請負業(第1種事業・税率5%):「1件の回答ごとにいくら」という報酬形態が、広義の「仕事を請け負って完了させる業務」と誤解されてしまうケース。

ご回答ありがとうございます。

個人事業税について、追加で2点確認させてください。

① 2025年のJustAnswerについて

2025年はJustAnswerでIT分野の技術回答・技術支援を行い、確定申告では事業所得として申告しています。

ご説明いただいたとおり、特定のシステムやプログラム等の成果物を完成・納品する契約ではなく、ユーザーのITトラブル等に対する技術的な回答・支援が中心でした。

現在2026年9月ですが、2025年分の個人事業税の納税通知書がまだ届いていません。

この場合、都税事務所側でJustAnswerの業務を「法定業種外」と判断して個人事業税が課税されていない可能性が高いと考えてよいでしょうか。

それとも、9月時点で届いていなくても今後課税される可能性があり、都税事務所へ確認した方がよいでしょうか。

② 2026年のUpworkについて

2026年からはUpworkで海外クライアント向けにITエンジニアとして業務を行っています。

主な内容は、

・SRE / クラウドインフラ業務
・AWS / GCP / Azure
・Kubernetes / Terraform
・障害調査、トラブルシューティング、RCA
・既存システムの実装・修正・運用
・AI関連システムや自動化の実装

などです。

契約はHourly(時間単価)がメインで、UpworkのWork Diaryで作業時間を記録し、稼働時間に応じて報酬を受け取っています。

一方でFixed-Price案件も一部あります。ただし、Fixed案件についても単なるコンサルティングではなく、ITエンジニアとして実際に実装・設定・技術検証・トラブルシューティング等を行う案件が多いです。

このようなUpworkの業務についても、JustAnswerと同様に「システムエンジニア等のIT関連業」として、原則として個人事業税の法定業種外と考えることは可能でしょうか。

特に確認したいのがFixed-Price案件です。

Fixed-Priceであっても、契約の実態として「仕事の完成・成果物の納品に対して報酬を受ける請負」ではなく、一定範囲のIT実装・技術検証・調査・技術支援等を固定料金で行っている場合には、直ちに「請負業」になるわけではない、という理解でよいでしょうか。

逆に、Fixed-Price案件の中で明確にシステム等の完成・納品義務を負っているものだけが「請負業」と判断される可能性がある、という整理になりますでしょうか。

また、Hourly案件とFixed-Price案件、あるいは法定業種外のIT業務と請負業に該当する業務が混在している場合、個人事業税は事業全体に課税されるのか、それとも課税対象となる業務に対応する所得だけを区分して計算するのかについても教えていただけますと助かります。

 事業税は、課税庁が実態を直接見に来たわけでは無い場合、書類上の判断で行っています。判断に疑義がある場合には、お尋ねの文書や調査があるはずです。
 ① 2025年のJustAnswerについて:9月時点で通知が届いていない場合、都税事務所側で「法定業種外(非課税)」と判断されたか、または「事業主控除(290万円)」以下であると判断され、非課税処理が完了している可能性が極めて高いです。通常の発付時期個人事業税の納税通知書は、原則として毎年8月中旬に発送されます。所得税の修正申告をした場合や、都税事務所の審査が遅れている特殊なケースを除き、9月以降に突如として通常の通知が届く可能性は低いです。
 都税事務所への確認は必要か?
 自主的に確認する必要はありません。 個人事業税は「課税対象者にのみ」通知が届く仕組み(賦課課税方式)です。非課税の人には「非課税通知書」などは届きません。こちらから問い合わせることで、かえって不要な実態調査(お尋ね)を誘発するリスクがあるため、このまま静観するのが最善の対応です。
 ② 2026年のUpworkについて:法定業種の判定と計算方法
 Upworkでの業務についても、「時間給(Hourly)案件」および「準委任型(成果物の完成を目的としない)のFixed-Price案件」は、原則として法定業種外(非課税)と考えることが可能です。ご認識の通り、単に報酬の支払い方法が「Fixed-Price(固定額)」であるからといって、自動的に「請負業」と判定されるわけではありません。
 1. Fixed-Price案件の「請負業」判定基準
 都税事務所が「請負業」と判定するかどうかの本質は、契約書の形式ではなく「仕事の完成責任(納品義務)を負っているか」にあります。
 法定業種外(非課税)となるケース(Fixed-Price)
 「〇〇の環境構築に2週間技術検証として従事する」「既存のバグ調査とトラブルシューティングを固定150ドルで行う」といった、特定の作業(プロセス)の提供に対して対価が支払われる場合です。これは民法上の「準委任」に近く、請負業には該当しません。
 請負業(課税・税率5%)と判断されるリスクがあるケース
 「〇〇という機能を持つAI自動化ツールを開発し、納品・検収を完了させることで1,000ドルを支払う」というように、成果物の完成が報酬の絶対条件になっている場合です。

 

 文字数制限で書き切れないので、追加記載します。

2. 業務が混在している場合の計算方法(重要)
 法定業種外(非課税)のIT業務と、請負業(課税)に該当する業務が1つの事業の中で混在している場合、個人事業税は事業全体ではなく、「課税対象となる業務に対応する所得だけ」を区分して計算します。具体的には、以下のように按分(あんぶん)して申告・計算することになります。
 収入・経費の区分
 確定申告の際(または都税事務所からの「お尋ね」への回答時)、売上高を「法定業種外の売上(Hourlyや準委任)」と「請負業の売上(成果物納品型)」に明確に区分します。経費の按分サーバー代やPC代などの共通経費は、それぞれの売上比率などを用いて合理的に按分し、それぞれの「所得(利益)」を算出します。課税の対象請負業にあたる部分の所得だけが個人事業税の課税対象になります。
 事業主控除(290万円)の適用
 請負業の所得が290万円以下であれば、事業全体としてそれ以上の利益があっても、請負業部分に対する個人事業税は0円になります。2026年分の確定申告(2027年3月)に向けた対策Upworkでの活動について、都税事務所から「事業内容のお尋ね」が届く可能性を考慮し、今から以下の対策をしておくことを強くお勧めします。
 職業欄の記載に注意する
 確定申告書の職業欄には「ITエンジニア」や「システムインフラ技術支援」と記載し、「システム開発請負」や「ITコンサルタント」という言葉は避けてください。
 契約実態の証拠を残す
 Upworkの契約管理画面(Offer内容やMilestoneの条件)で、成果物の納品義務ではなく「技術的サポートや実装作業そのもの」が目的であると読み取れるテキスト(スクリーンショットなど)を保存しておくと、万が一「お尋ね」が来た際に「これは請負業ではない」と一発で証明できます。

ご回答ありがとうございます。Upworkについて追加で、個人事業税と消費税(輸出免税)の2点を確認させてください。

【1. 個人事業税】

Upworkでは複数のクライアントから、それぞれクライアント自身では対応できない、専門知識がない、または外部委託したいIT業務の一部分を依頼されています。

業務内容はSRE、AWS/GCP/Azure、Kubernetes、Terraform、プログラミング、障害調査、設定・実装・修正・技術検証等です。

クライアント自身や他のエンジニアも作業しており、共同作業・部分的な技術支援が中心です。確認した限り、私がシステム全体や完成品の完成・納品責任を負った案件はありません。

Hourlyが中心ですがFixed-Priceもあります。Fixedも報酬額が固定されているだけで、実態は上記のような部分的な実装・調査・技術支援です。

ただ、UpworkのContract画面だけでは準委任・請負の区別が明記されておらず判断しづらいです。この場合、Job Description、Milestone、Work Diary、メッセージ、実際の作業内容等から総合的に判断するという理解でよいでしょうか。

また、この実態であればHourly・Fixedとも原則としてIT関連業(法定業種外)として、個人事業税の対象外と考えてよいでしょうか。

【2. 消費税・輸出免税】

Upworkのクライアントは複数かつそれぞれ別の海外クライアントで、海外在住者・海外企業が中心です。私は日本からリモートでIT技術支援を提供しています。

この場合、実際の役務提供先が海外の非居住者・外国法人で、日本国内で直接便益を受けるサービスではなければ、「非居住者に対する役務の提供」として輸出免税売上に該当するという理解でよいでしょうか。

また、Upworkは契約・決済プラットフォームであり、Upworkの所在地ではなく各クライアントの所在地・居住者区分を基準に判断するのでしょうか。

Contract画面だけでは個人/法人、正確な所在地、日本支店の有無まで分からない場合もあります。輸出免税の証拠としてContract/Offer、クライアント所在地、Job Description、Work Diary/Milestone、メッセージ、Invoice/Transaction History等のうち、どこまで確認・保存すれば十分でしょうか。

あわせて、freee上でのUpwork売上の適切な消費税区分も教えていただけますと助かります。

1. 個人事業税
 ご提示いただいた実態(システムの完成・納品責任がなく、部分的な技術支援・共同作業であること)であれば、Hourly・Fixed-Priceともに「法定業種外(非課税)」として個人事業税の対象外と考えて差し支えないと思います。
 ご認識の通り、海外プラットフォームであるUpworkの契約書(Contract)には、日本の民法上の「請負」や「準委任」という文言は明記されません。そのため、契約内容や業務の実態から総合的に判断することになります。都税事務所等から「事業内容のお尋ね」が来た際に、法定業種外であることを証明するため、以下の要素をセットで説明・提示できるようにしておけば十分でしょう。
 Job Description(案件概要):プロジェクトが「既存システムの運用・保守・トラブル対応」や「部分的な実装のサポート」であることを示す。
 Milestone / メッセージの履歴:「〇〇のバグ調査」「〇〇モジュールのTerraformコード修正」など、タスク単位での作業指示であること(完成品の検収条件がないこと)を示す。
 Work Diary(Hourlyの場合):時間単位で稼働し、その作業プロセス(活動)に対して対価が支払われている実績。
 Fixed-Priceであっても、「プロジェクトの完成責任」を負わず、バグ調査や部分的な実装・技術検証という「作業の提供」そのものが目的であるため、請負業(第1種)やコンサルタント業(第3種)には該当しないと主張可能です。

 2. 消費税・輸出免税
 ご認識の通り、日本国内から海外のクライアント(非居住者)に対して行うIT技術支援は、消費税の「輸出免税(免税売上)」に該当します。
 消費税法における役務の提供の判定は、プラットフォーム(Upwork)ではなく、「実際にサービスの提供を受ける相手方(契約相手である各クライアント)」の所在地・居住者区分を基準にします。相手方が「海外に本店がある外国法人」または「海外に居住する個人」であり、そのサービスが日本国内の支店や国内資産のために使われるものでなければ、輸出免税が適用されます。
 税務調査において輸出免税を証明するためには、「相手が非居住者であること」および「取引の内容」を客観的に証明できる書類の保存(7年間)が必要です。Contract画面で相手の正確な登録情報が追いきれない場合でも、以下のデジタルデータをPDF等で保存しておくことで、実務上は十分な証明書類(契約書・インボイスの代わり)となります。
 Invoice / Transaction History(Upwork発行のインボイス)クライアント名と、クライアントの国籍・国名(Country)が記載されているページ。
 Contract / Offer 画面の控契約日、契約金額(単価)、および契約の概要。
 Job Description & メッセージ履歴(要点のみで可)業務内容がITインフラの技術支援であり、日本国内で消費されるサービス(例:日本の店舗のホームページ制作など)ではないことを示す客観的証拠。
 ※ Upworkの仕様上、クライアントの日本支店の有無や詳細な住所まで把握することは困難ですが、国名が「United States」など海外になっており、やり取りが英語で、業務内容がグローバルなシステムであるならば、税務署から非居住者性を否定される可能性は極めて低いです。

 クラウド会計ソフト「freee」での適切な消費税区分
 freeeでUpworkの売上(報酬)を登録する際の、適切な税区分は以下の通りです。
 売上(クライアントからの報酬総額)税区分:「輸出売上」)
 ※「対象外(不課税)」と間違えやすいですが、国内から海外への役務提供は「免税」となるため、必ず「輸出売上」を選択してください。
 Upworkへの手数料(Service Fee / 10%等)税区分:「対象外(不課税)」
 ※海外事業者(Upwork)から受けるプラットフォーム利用サービスは、消費税法上の「電気通信利用役務の提供」のうち「事業者向け電気通信利用役務の提供」に該当します。これは「リバースチャージ対象取引」となり、通常の個人事業主(免税事業者、または簡易課税を選択している課税事業者)であれば、原則として「対象外(不課税)」として処理して問題ありません。(原則課税を採用しており、課税売上割合が95%未満の場合のみ特殊な計算が必要になります)。
 なお、「輸出売上」の税区分は初期設定では使用できない状態となっているため、以下の手順で設定変更が必要です。

①「マスタ・口座」→「税区分」をクリック

②「輸出売上」の「設定」ボタンをクリック

③「この税区分を使用する」にチェック

④「保存」をクリック

ご回答ありがとうございます。

個人事業税・輸出免税について理解できました。最後に、2026年分を2027年3月に確定申告する際の「実際の申告書への記入方法」について確認させてください。

① 個人事業税について
Upwork業務を今回ご回答いただいた「法定業種外」として申告する場合、確定申告書第二表「住民税・事業税に関する事項」の「非課税所得など」に、地方税法第72条の2の法定業種に該当しない所得として「10」を記載する方法でよいでしょうか。

その場合、金額欄にはUpwork等の法定業種外業務について、青色申告特別控除前の所得金額を記載するのでしょうか。

また、職業欄は実態どおり「ITエンジニア」または「システムインフラ技術支援」等でよいでしょうか。

② 補足・特記事項について
申告書またはfreeeに事業内容を補足できる欄がある場合、

「海外クライアントに対するSRE・クラウドインフラ等のIT技術支援。顧客との共同作業として調査・実装・設定・修正・運用等を行い、仕事の完成・納品を目的とする請負業ではない」

または「準委任型のIT技術支援」といった説明を記載した方がよいでしょうか。

記載した方がよい場合、確定申告書の具体的にどの欄へ、どのような文言で記載するのが適切でしょうか。

③ 消費税・輸出免税について
Upworkの対象売上はfreee上で「輸出売上」として記帳しておけば、2026年分の所得税確定申告上で別途記載・添付等が必要でしょうか。

2026年は免税事業者の予定ですが、将来の課税事業者判定等のためにも、輸出売上として正しく区分しておきたいと考えています。

可能であれば、freeeでの入力箇所も含めて、2027年3月の申告時に「どの欄へ何を入力するか」を教えていただけますと助かります。

① 個人事業税の記入方法について
 「非課税所得など」の欄とコード
 ご認識の通り、確定申告書第二表の「住民税・事業税に関する事項」にある「非課税所得など」の欄に、コード「10」(地方税法第72条の2の法定業種に該当しない所得)を記載します。
 金額欄に記入する数字
 ここには、「青色申告特別控除前」の所得金額(収入 - 経費)を記入します。
 ※もし事業のすべてがUpworkなどの法定業種外であれば、第一表の「所得金額(営業等)」の数字に青色申告特別控除額(55万円または65万円)を足し戻した金額と一致します。
 職業欄の書き方
 実態通り「ITエンジニア」または「システムインフラ技術支援」で全く問題ありません。都税事務所がパッと見て「システム開発請負(=課税業種)」と誤解しない表記にすることが重要です。
② 補足・特記事項の記載について
 確定申告書に詳細な文言を長文で書き込める専用の欄はありませんが、青色申告決算書の「本年中における特殊事情」欄に記載するのが最も有効です。記載する場所青色申告決算書の3ページ目(または4ページ目の下部など、様式による)にある「本年中における特殊事情」欄に記入します。
 (文例)「海外プラットフォーム(Upwork等)を通じた海外クライアントへのSRE・クラウドインフラ等のIT技術支援(準委任型業務)。顧客との共同作業、障害調査、実装、設定、修正、運用等が中心であり、特定の成果物の完成・納品責任を負う請負業(第1種)や、助言指導を行うコンサルタント業(第3種)には該当しない法定業種外の業務です。」
 この欄に先手を打って記載しておくことで、都税事務所がデータを確認した際に「これは非課税業種だな」と一発で納得し、後日の「事業内容のお尋ね」の書面自体が届かなくなる可能性が高くなります。
③ 消費税・輸出免税の記入とfreeeでの設定
 所得税確定申告での別途記載・添付
 2026年分において「免税事業者」である場合、所得税の確定申告(2027年3月)の際に、消費税の輸出免税に関する特別な書類の添付や、確定申告書への別途記載は一切不要です。通常通り所得税の申告だけを完了させてください。
 freeeでの入力箇所・税区分
 将来、課税売上高が1,000万円を超えて課税事業者になった時のため、また現在の正しい経営状況を把握するために、freee上での仕訳入力時に以下の設定を徹底してください。
 売上の仕訳登録時:「税区分」の項目で「輸出売上」を選択して登録します。
 ※これにより、freeeが自動的に「消費税がかからない正しい売上(ただし不課税ではなく免税)」として集計してくれます。

これまで何度も詳細な質問にご回答いただき、本当にありがとうございます。おかげさまで2026年分の確定申告について、個人事業税・輸出免税を含めかなり整理することができました。

長々とお付き合いいただき恐縮ですが、最後に今後の申告で問題になりそうな点だけ確認させてください。こちらを最後の質問とさせていただきます。

①【2027年の消費税】
2026年1~6月のUpwork等の課税売上高(輸出免税売上を含む)が1,000万円を超えた場合でも、特定期間の判定について「給与等支払額」を選択できると理解しています。従業員への給与支払が0円の場合、2027年も免税事業者を継続できるという理解でよいでしょうか。

また、2026年年間の課税売上高が1,000万円を超えた場合、原則として2028年から課税事業者になるという理解でよいでしょうか。輸出売上中心の場合、2028年以降は原則課税と簡易課税のどちらを検討すべきでしょうか。

②【Upworkの売上計上・外貨換算】
UpworkはUSDで報酬が確定し、その後Payoneer等を経由して円で受け取っています。
Hourly・Fixedそれぞれについて、売上計上日はいつとするのが適切でしょうか。またGross売上・Upwork手数料を円換算する際の基準日・為替レート(TTM等)、Payoneer出金時との差額を為替差損益として処理する方法についても教えていただけますと助かります。

③【輸出免税の例外】
海外クライアントでも、日本支店向け、日本国内で直接便益を受ける業務等は輸出免税にならない場合があると理解しています。Upwork案件で輸出免税から除外すべきケースを判断する際、特に確認すべきポイントがあれば教えてください。

④【11月からの自宅兼事務所】
2026年11月頃に購入した戸建へ転居予定で、一室およびLDKの一部をUpwork業務に使用予定です。
建物の減価償却、住宅ローン利息、固定資産税、火災保険、電気・通信費等について、合理的な事業使用割合で按分して必要経費とする理解でよいでしょうか。また住宅ローン控除との併用で特に注意すべき点があれば教えてください。

これまで非常に丁寧にご回答いただき、本当にありがとうございました。

 ①【2027年の消費税・2028年の選択】
 2026年1〜6月(特定期間)の売上高(輸出免税売上を含む)が1,000万円を超えた場合でも、特定期間の判定基準を「給与等支払額」に切り替えることが認められています。従業員への給与支払額(青色事業専従者給与やアルバイト代)が0円であれば、給与ベースの判定(1,000万円以下)を満たすため、2027年も免税事業者を継続することが可能です。
 2028年以降の事業者区分と「原則・簡易」の選択
 2026年年間の課税売上高(輸出免税売上を含む)が1,000万円を超えた場合、2028年からは自動的に「課税事業者」となります。輸出売上が中心(売上の大半が消費税0%)である場合、検討すべき課税制度は「原則課税(本則課税)」の一択となります。
 原則課税を選ぶべき理由(還付のメリット)
 原則課税では「預かった消費税」から「支払った消費税」を差し引いて納税します。Upworkによる売上は消費税0%(免税)のため「預かった消費税」は0円ですが、国内での経費(PC購入、サーバー代、通信費、電気代など)には消費税10%を支払っています。この差し引きがマイナスになるため、支払った消費税が国から全額「還付(キャッシュバック)」されます。
 簡易課税は「売上の消費税」に一定のみなし仕入率を掛けて国に納める仕組みです。売上の消費税自体が0円であれば、どれだけ経費を使っていても還付を一切受けることができません。

②【Upworkの売上計上・外貨換算】
 Upworkのプラットフォームの特性に合わせ、以下のタイミングと為替ルールで処理します。
 1. 売上計上日(実現主義のタイミング)
 Hourly(時間単価案件)毎週日曜日(または月曜日)の「タイムシート確定日」を売上計上日(サービス提供完了日)とするのが実務上最も合理的です。Work Diaryに記録された時間がクライアントによってレビューされ、報酬として確定したタイミングになります。
 Fixed-Price(固定額案件)各マイルストーン(Milestone)が承認・受託された日(Approved日)を売上計上日とします。そのフェーズの技術支援作業が完了し、報酬の権利が確定した日です。
 2. 外貨換算の基準と為替レート(TTM)
 売上計上時の換算
 売上計上日のTTM(対顧客電信売買相場の中間値)を使用し、Upwork上のGross(手数料が引かれる前の総額)を円換算して売上高(免税売上)とします。
 手数料(Service Fee)の換算
 同じく売上計上日のTTMを使い、差し引かれた手数料(USD)を円換算し、「支払手数料(不課税)」として経費計上します。

3. Payoneer出金時との差額(為替差損益の処理)
 売上計上日からPayoneer経由で日本の銀行口座へ着金するまでの間に生じた為替の変動は、すべて「為替差損益」で処理します。
 具体例(100ドルの売上時、計上時1ドル=150円、日本入金時152円の場合)
 売上計上時:売掛金 15,000円 / 売上高 15,000円
 日本口座着金時:普通預金 15,200円 / 売掛金 15,000円、為替差益 200円
 (※Payoneerから円建てで引き出す場合、着金した実際の日本円額と売掛金円貨額との差額をそのまま「為替差損」または「為替差益」の勘定科目で記帳して相殺します)

③【輸出免税の例外(注意すべきケース)】
 クライアントの企業自体が海外(米国など)であっても、提供するIT技術支援が以下のケースに該当する場合は「輸出免税」にはならず、通常の「国内課税売上(10%)」として処理する必要があります。
 日本支店・国内拠点のシステム構築・運用
 保守相手法人が外国企業であっても、依頼内容が「日本国内にある支店、オフィス、または国内のデータセンター内のインフラ」に直接帰属する作業である場合、便益の消費地が日本国内とみなされます。日本国内向けのサービス・アプリのインフラ支援海外法人が運営しているものの、そのシステムやAIアプリが「専ら日本国内のユーザー(居住者)向け」に提供されているものである場合、役務の提供が国内で行われたと解釈されるリスクがあります。
 判断のポイントJob Descriptionやメッセージで、作業対象のシステムやサーバーが「グローバル展開(または海外拠点)のもの」か、それとも「日本の拠点や日本市場に限定されたもの」かを確認してください。通常のグローバルなクラウドインフラ(AWSの海外リージョン等)の共同開発・運用支援であれば、問題なく輸出免税(0%)として処理して構いません。
④【11月からの自宅兼事務所・住宅ローン控除との併用】
 必要経費の家事按分戸建ての購入後、業務に使用するスペース(個室やLDKの一部)の床面積が、建物全体の床面積に占める割合(またはコンセント数や使用時間などを加味した合理的な割合)を算出し、以下の項目を按分して経費にできます。
 経費にできるもの:建物の減価償却費、住宅ローン利息(元本は不可)、固定資産税、火災保険料、電気代、インターネット通信費。
 住宅ローン控除との併用における「最重要注意点」
 持ち家で住宅ローン控除と事業経費を併用する場合、「事業用割合(按分率)」のパーセンテージによって住宅ローン控除の適用額が劇的に変わるため、慎重に決定する必要があります。「税金そのものが直接引かれる(税額控除)」ため、所得から引く「経費(所得控除)」よりも節税効果が非常に高いです。そのため、実務上は「事業用に使用している面積を建物全体の10%以下(例:9.5%など)」に厳密に計算・設定するのが最もお得です。これにより、住宅ローン控除を100%満額受けながら、同時に約10%分をしっかり事業経費に落とし込むという「いいとこ取り」が可能になります。LDKの一部を含める場合も、専用のデスクスペースの面積だけを算入するなどして、家屋全体の「10%以下」に収まるよう調整することをお勧めします。

承知致しました。長々お付き合い頂きありがとうございました。参考にさせていただきます。

 参考になれば幸いです。
 なお、事実をどのように評価するかは、課税庁の担当者次第です。
 ですから、事実を正確に伝えることが重要となってくるのかと思います。
 よろしくお願いいたします。

本投稿は、2026年09月03日 07時07分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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