相続した土地と家屋の利用方法について
相続した土地の利用方法についてのご相談です。
昨年母が亡くなり、母が住んでいた戸建て、駐車場(賃貸中)、マンション一室(賃貸中)を相続いたしました。相続人は私ひとりで、登記、相続税申告はおわりました。
戸建てにつき、遠方で管理が難しく今後も住むことはない為、壊して駐車場にしようかと考えまして複数業者に見積もりをとったところ、壊すことと整地にかなりの資金がかかり、駐車場にしたとしても収入と固定資産税などを加味すると『赤字』です。
売買は税金など優遇があったとしても手放す気はありません。
この状況で質問です。
① 母から相続した駐車場とマンション一室、加えて私が所有するマンション一室(こちらも賃貸中)の収入合計から、戸建てを壊して駐車場にした『赤字』物件の相殺も考えております。
住民税、介護保険料、健康保険料などが安くなるかもしれませんが、この判断は如何でしょうか。
② 壊す前に人様に一度貸してから壊して駐車場にした場合、壊した費用は経費として申告できるのでしょうか。経費とした場合、何年くらい経費として申告可能でしょうか。
③ 人様に貸すとなると、私一人で個人での募集は無理で、大手の賃貸管理会社(この家の建築に携わった会社の賃貸部門)に聞いてみたところ、全面リフォームが必要で壊すくらい費用がかかるそうです。家賃でどれほど相殺できるかどうかもわからず、賃貸者がなかなかでていってくれない問題もでてくるかもしれません。
私も高齢者ですので、管理会社に頼んだとしても将来を見越すと遠方のこの戸建てを人様に貸す事に少々不安があります。
家を貸した時の固定資産税、駐車場にした時の固定資産税は、自宅として使用している現在の固定資産税より、それぞれ何割くらい高くなりますでしょうか。
①から③までを踏まえて、家を貸すメリット、デメリット、駐車場にするメリット、デメリットを教えてください。
④ 駐車場の会社によっては、壊した後の整地(駐車場にする為のアスファルト、停止措置、精算機などの構築物設置)の費用を会社が負担するというところと、私が負担するところがあります。駐車場の会社が負担する場合と私個人が負担する場合のメリット、デメリットを教えてください。
以上、長々失礼いたしました。よろしくお願い申し上げます。
税理士の回答
相続された不動産の活用について、収支と税務の両面から整理して回答いたします。
① 赤字による損益通算について
不動産所得の赤字は、他の賃貸収入などの黒字と相殺(損益通算)でき、結果として所得税・住民税や健康保険料などの負担軽減に繋がる可能性はあります。
しかし、節税額以上に手元の現金(解体費等の支出)が減るため、「意図的に赤字を作って節税する」ことは投資の観点からは慎重に検討する必要があるかと存じます。
② 貸付後の解体費用の経費化
一度でも賃貸の用に供した建物を取り壊す場合、建物の未償却残高と解体費用は、取り壊した年の不動産所得の「資産損失」としてその年の1年間で全額経費計上できます(複数年での分割ではありません)。ただし、経費化のみを目的とした実態のない一時的な賃貸などは、税務署から否認されるリスクがあるため注意が必要です。
③ 固定資産税の変化と活用別のメリット・デメリット
家を貸す場合、固定資産税は現在と同じ(更地の約1/6の評価)ですが、駐車場にすると住宅用地の特例から外れるため、現在の約3〜4倍(最大6倍)に上がります。
<家を貸す場合>
●メリット: 固定資産税が現在のまま安く維持できる。
●デメリット: 多額の初期リフォーム費用がかかる。将来の立ち退きトラブルリスクや、遠方での建物管理の不安が残る。
<駐車場にする場合>
●メリット: 立ち退き問題がなく、将来的な転用や処分が容易。建物の老朽化に関する不安がない。
●デメリット: 固定資産税が増加し、多額の解体費用がかかる。
④ 駐車場設備費用の負担方式の比較
業者負担(一括借り上げ方式など)
メリット: 初期費用ゼロで始められ、空車リスクがなく毎月の収入が安定する(定額保証)。
デメリット: 業者の利益や初期費用分が差し引かれるため、毎月の賃料収入は低くなる。
自己負担(管理委託方式など)
メリット: 売上がそのまま収入になるため、収益性が高い。
デメリット: 初期費用の持ち出しがあり、空車リスクや設備の修繕費をご自身で負う必要がある。
遠方管理へのご不安やご年齢を考慮いたしますと、手出しを抑えつつリスクを手放す「業者負担での駐車場化」も有力な選択肢かと存じます。
増加する税負担と見込める収益のシミュレーションを慎重に比較し、ご判断されることをお勧めいたします。
回答は以上となります。
ご参考になりましたら幸いです。
本投稿は、2026年09月03日 09時28分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。






