老朽化した建物付きの土地の時価について
よろしくお願いします
Aさんが所有の土地建物があります(現状Aさんが住んでいる)
この土地建物の固定資産税評価額としては
土地300万円、建物150万円です(説明のため若干実際の数字とは違う)
この建物は筑50年ほどと相当老朽化しています
仮に解体する場合500万円ほど掛かる専門業者の見込みです
質問
この土地建物を買う場合、まだ実際にこの建物を取り壊すか活用するか決めていないのですが
その場合でも解体費用が掛かることを見越しての金額が時価ということでよいでしょうか?
つまり300+150ではなくそこから解体費500万円掛かることを見越してほぼ0に近い金額が時価ということでよいでしょうか?
もちろん売主もそれに納得した場合です
税理士の回答
荒川直宙
結論から申し上げますと、築50年の古家付き土地において「更地評価額(実勢価格)から解体費用を差し引いてほぼ0円とする」という価格設定自体は不動産の評価実務上あり得ます。
さらに、購入後に実際の解体工事を行い、その費用が想定額(500万円)と同額以上かかったという実績は、「当初の時価設定が妥当であったこと」を客観的に証明する極めて強力な補強証拠となります。
税務上の評価理由と、実際の解体を踏まえた実務上の注意点を整理いたしました。
【1. 税務上「時価=ほぼ0円」として認められる条件】
① 解体の意思決定ではなく「客観的根拠」が重要
不動産評価の実務において、老朽化により経済的価値を持たない建物が立つ土地は「更地としての実勢価格から解体費用を差し引いた金額」を市場価格(時価)とする考え方が確立されています。
② 根拠資料なしで0円設定にするリスク
固定資産税評価額や当事者同士の話し合いだけで「ほぼ0円」と設定してしまうと、客観的な時価の算定根拠がないと判断され、税務調査で適正時価との差額に課税(みなし贈与等)されるリスクが生じます。
【2. 実際の解体実績(実費)が強力な補強証拠となる理由】
購入後に実際に解体工事を行い、解体費用の実費が想定(500万円)と同額またはそれ以上であった場合、以下の2点が税務調査での強い反論材料となります。
(1)見積もりの恣意性が否定され、客観的妥当性が証明される
(2)「解体前提の取引(更地渡しと同等)」という実態が後から立証される
【3. 実際の解体実績を税務上の証拠とするための注意点】
実績を強力な証拠として機能させるためには、以下の4点にご注意いただく必要があります。
① 解体実行時期の近接性(時期の遅れに注意)
購入から解体までの期間が空きすぎると「当初から解体目的だった」という主張の説得力が弱まります。購入後おおむね1年以内に解体を実施することが望ましい目安となります。
② 証拠書類の完全な保管
解体業者との見積書、工事請負契約書、請求書、領収書、解体前後の写真などを必ず保存しておく必要があります。
③ 想定より安く済んだ場合のリスク
もし実際の解体費用が想定(500万円)より大幅に安く済んだ場合、浮いた差額分が「過剰な値引き」とみなされ、みなし贈与等を指摘されるリスクが生じます。
④ 更地価格自体の妥当性
解体費用の実績が正しくても、ベースとなる「更地価格(土地の実勢価格)」の見積もりが過小であれば意味がありません。不動産業者の査定書等で更地価格の根拠も併せて残す必要があります。
【4. まとめ】
「実際に購入後速やかに解体を行い、その実費が500万円以上かかった」という事実は税務上非常に有利な材料となります。土地の査定書と解体工事関係の書類一式を揃えて保存しておくことをお勧めいたします。
ご参考にしていただけましたら幸いです。
内容がお役に立ちましたら、ぜひベストアンサーに選んでいただけますと大変励みになります!
竹中公剛
Aが全くの他人ならば、
両社の合意で時価を決めます。
固定資産の評価額は関係はない。
建物は0円でよい。・・・通常納得するでしょう。
土地の値段は固定資産の評価額ではなく時価になる。通常÷0.7くらいか。
税務署の倍率方式か路線価で試算ください。その÷0.8=がほぼ時価で問題はない。
「実際に購入後速やかに解体を行い、その実費が500万円以上かかった」という事実は税務上非常に有利な材料となります。土地の査定書と解体工事関係の書類一式を揃えて保存しておくことをお勧めいたします。
ありがとうございます
最初に書いたように、この建物は解体するかそのまま活用するかは未定のまま購入します
その後実際に解体するか活用するかは五分五分といったところなのですが
その場合でも解体費用をみての値付けで問題ないでしょうか
荒川直宙
ご質問ありがとうございます。
「解体か活用か未定のまま取引を行う」ことが確定している前提での、税務リスクを最小化するための実践的な対応策と注意点を解説いたします。
結論から申し上げますと、未定であっても「契約時点でその建物が客観的に見て価値ゼロ(経済的残存価値がない)である」ことを合理的に説明できれば、解体費用を見込んだ価格(ほぼ0円)で取引すること自体は不動産評価上可能です。
ただし、購入後の「結果(解体・リフォーム・現状利用)」によって税務調査での説明のしやすさ(安全度)が大きく異なります。
【1. 売買契約時点での実務ポイント(未定の前提)】
契約時点では、買主様の主観的な意図ではなく「物件の客観的な価値」を根拠にして価格を設定します。
① 客観的価値ゼロの説明
「築50年で老朽化が著しく、現況では建物としての利用価値が存在しない」という客観的な状態を前提として価格を決定します。
② 契約書への特約の明記
売買契約書に「本物件の建物は老朽化により利用価値がなく、更地評価額から解体費用見込額を控除した価格にて取引する」旨の特約を明記しておくことが有効です。
【2. 取引後の「結果」による税務リスクの判定】
購入後、実際にどのような選択をしたかによって税務上の安全度が大きく変わります。
① 解体した場合、または同等以上の大規模リフォームを行った場合【安全度:高い】
実際に解体工事を行った場合はもちろん、解体をせずとも多額の費用をかけてスケルトンリフォームや大規模改修を行った場合も「元の状態のままでは利用価値がなかった」ことの強力な裏付けとなり、当初の価格設定の正当性を主張しやすくなります。
② 特段の改修をせずそのまま活用した場合【安全度:低(リスク高)】
大きな費用をかけずにそのまま居住や賃貸などで利用できてしまった場合、税務調査で「現状で経済的価値があった」と判断されやすくなります。この場合、解体費用相当額(500万円)の値引きについて「不当な低額譲渡(みなし贈与)」と指摘された際に反論が難しくなります。
【3. 税務上の安全性を高めるための証明手段】
更地価格の査定書などの証拠書類は、法律上の絶対的な必須条件(義務)ではありません。税法上求められるのは「価格の客観的合理性」であり、証拠書類が多いほど税務調査での安全性が高まるというグラデーションの関係にあります。
(1)「更地実勢価格」の査定書を取得しておく
不動産業者による更地での市場実勢価格の査定書があると、根拠となる更地価格の信頼性が大きく向上します。
(2)専門業者による「解体見積書(500万円分)」を取得しておく
第三者である解体業者からの正式な見積書があると、控除した解体費用の客観的根拠となります。
(3)建物の老朽化を示す写真や記録を残しておく
建物がそのままでは利用できない状態であることを示す写真等を保存しておくことも、有効な立証資料となります。
【4. まとめ】
査定書等の取得は「必須」ではありませんが、揃えておくほど税務調査での安全性が高まります。特に「そのまま活用する」ことになった場合は評価の根拠を問われやすくなりますので、事前に客観的な資料(査定書・見積書・写真など)を用意しておくことをお勧めいたします。
ご参考にしていただけましたら幸いです。
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本投稿は、2026年09月11日 14時49分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。






