離婚に伴う自宅売却と財産分与・慰謝料について
現在、夫婦で離婚について話し合っており、離婚前に夫名義の自宅を売却する予定です。
売却代金から住宅ローン残額、仲介手数料などの売却に必要な費用を差し引いた残額について、夫25%・妻75%の割合で分けることで夫婦間では合意しています。
この75%には、妻の財産分与に加えて、夫の長期間の不貞行為に対する慰謝料も含める予定です。
なお、現在の自宅は夫名義ですが、婚姻期間が長く、住宅取得や夫婦の生活・仕事についても夫婦双方が関わってきました。
のような場合、妻が受け取る75%について、
① 財産分与・慰謝料として扱うことで、贈与税の対象とならないと考えてよいでしょうか。
② 75%という割合が一般的な財産分与の割合を超えている場合、贈与とみなされる可能性はありますか。
③ 贈与とみなされないために、離婚協議書や公正証書には、財産分与と慰謝料についてどのように記載しておくのが適切でしょうか。
④ 自宅売却に関しては、譲渡所得や3,000万円特別控除についても確認しておきたいです。今回のような離婚による売却の場合、注意すべき点はありますか。
売却後に残った金額から、公正証書作成費用などの必要経費を差し引いた上で75%・25%に分ける形にすることについて、税務上問題はありますか。
できれば、一般論ではなく、上記のようなケースで注意すべき点を教えていただけると助かり公正証書には、財産分与と慰謝料についてどのように記載しておくのが適切でしょうか。
④ 自宅売却に関しては、譲渡所得や3,000万円特別控除についても確認しておきたいです。
以上よろしくお願い致します。
税理士の回答
ご質問の場合、税務上は「夫名義の自宅の売却」と「売却後のお金を妻へ渡すこと」を分けて考えると整理しやすいと思います。
まず、自宅が夫の単独名義で、夫が第三者へ売却するのであれば、売却による譲渡所得は原則として夫について計算します。売却後のお金を妻75%・夫25%で分けても、譲渡所得が75%・25%に分かれるわけではありません。
譲渡所得は、売却代金から取得費と仲介手数料等の譲渡費用を差し引いて計算します。住宅ローンの返済額そのものや、離婚に関する公正証書の作成費用は、通常この譲渡費用には含まれません。
そのため、実際に75%・25%を決める前に、夫にどの程度の譲渡所得税・住民税が発生するのかを試算しておくことをお勧めします。ローン返済後の金額だけを基準に分けてしまうと、その後に夫側で納税資金が不足する可能性があるためです。税負担を財産分与の中でどのように考慮するかについては、夫婦間の合意にも関係しますので弁護士にも確認されるとよいでしょう。
マイホームの3,000万円特別控除については、要件を満たせば夫側で適用できます。すでに夫が別居して自宅を出ている場合には、「住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」という売却期限がありますので、いつ自宅を出たのかも確認しておいてください。
次に妻が受け取る金銭ですが、離婚に伴う財産分与については通常、贈与税はかかりません。ただし、婚姻中に夫婦が協力して得た財産の額その他の事情を考慮してもなお多すぎる部分については、その部分が贈与税の対象となることがあります。
したがって、75%という割合だけで直ちに贈与になるわけではありませんが、「財産分与」と記載すれば必ず贈与税がかからないというものでもありません。
今回の75%には不貞行為に対する慰謝料も含めるとのことですので、財産分与と慰謝料をどのように位置付けるか、その根拠が後から分かるようにしておくことが重要だと思います。可能であれば両者の金額を分けて合意しておく方法も考えられます。
ただし、財産分与・慰謝料としてどの程度の金額が相当か、公正証書にどのように記載するかは法律上の判断にもなりますので、この部分は弁護士に確認した上で公正証書を作成されることをお勧めします。
なお、売却によって譲渡損失が生じる場合には、一定の要件を満たせば給与所得等との損益通算や繰越控除を受けられる制度もあります。
今回の場合は、売却を実行する前に、
①自宅の取得費
②売却予定額と仲介手数料等
③住宅ローン残高
④夫が自宅を出た時期
⑤概算の譲渡所得税・住民税
⑥財産分与と慰謝料の金額・考え方
まで整理してから、最終的な75%・25%の分け方と公正証書の内容を決めるのが安全だと思います。
本投稿は、2026年09月21日 21時45分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。






