配偶者控除は夫婦で相互に取り合うことはできますか。
配偶者特別控除については、夫婦がお互いを対象として相互に適用することはできないと明記された資料を見たことがあります。
一方で、配偶者控除については、夫婦双方がお互いを配偶者として控除の対象にすることができるのか分かりません。
所得税については、所得58万以下なら基礎控除により課税所得がなくり税額は発生しないので論点にすらならないと思います。しかし、住民税については配偶者控除の有無によっては均等割や所得割の課税に影響があると認識しています。
また、社会保険料への影響や、今後実施される可能性のある住民税非課税世帯向けの給付金制度への影響も気になっています。
そこで、夫婦双方が配偶者控除を適用できるかについてご教示いただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
税理士の回答
出澤信男
原則として夫婦での重複適用はできません。配偶者控除や配偶者特別控除は、夫または妻のどちらか一方が受ける控除です。
竹中公剛
そこで、夫婦双方が配偶者控除を適用できるかについてご教示いただけますでしょうか。
できません。
よろしくお願いいたします。
夫婦間における「配偶者控除」の相互適用の可否、および住民税・社会保険・給付金への影響について、税理士の視点から解説いたします。
結論から申し上げますと、配偶者特別控除だけでなく「配偶者控除」についても、夫婦双方がお互いを対象として相互に適用することはできません(どちらか一方のみ適用可能)。
理由と各種制度への影響について整理いたしました。
【1. 配偶者控除が相互適用できない理由】
配偶者特別控除については所得税法第83条の2第2項に明確な規定があり、配偶者控除についても国税庁の公式見解(手引きやガイド等)において「夫婦の間で互いに配偶者控除の適用を受けることはできない」と示されています。
仮に夫婦双方の所得が配偶者控除の対象となる基準(合計所得金額58万円以下=給与収入のみなら123万円以下など)であったとしても、同一世帯において両方が同時にお互いを控除対象とすることは認められず、どちらか一方を選択して適用することになります。
【2. 住民税への影響と実務上の考え方】
ご指摘の通り、所得税が基礎控除等により0円になる場合であっても、住民税(均等割・所得割)の課税ラインに影響するケースがあります。
① どちらか一方のみが適用可能
配偶者控除を適用した側は「控除対象配偶者あり」となるため、住民税の非課税限度額(均等割・所得割がかからない基準枠)が加算され、税負担が軽減されます。ただし相互適用はできませんので、夫婦双方の非課税枠を同時に広げることはできません。
② どちらで適用すべきか
夫婦のどちらの税額が高くなりそうか(またはどちらに配偶者控除をつけた方が世帯全体の住民税が安くなるか)を比較し、より有利な側で申告することになります。
【3. 社会保険料への影響】
税法上の「配偶者控除」と、社会保険(健康保険・厚生年金)の「被扶養者認定」は全く別の制度です。
社会保険の扶養に入れるかどうかは、実際の年間収入(原則130万円未満かつ被保険者の収入の2分の1未満など)で判定されます。税法上でどちらが配偶者控除を適用したかによって、社会保険の扶養資格や保険料が変わることはありません。
【4. 住民税非課税世帯向け給付金への影響】
政府や自治体による給付金制度の多くは、「世帯全員が住民税非課税であること」を要件としています。
配偶者控除を適用することで扶養人数が増え、適用を受けた側の住民税非課税限度額が上がって非課税対象となる場合があります。ただし、上述の通り相互適用はできませんので、片方の控除適用によって世帯全員が非課税要件を満たせるかどうかを試算して適用者を決定する必要があります。
【5. まとめ】
配偶者控除・配偶者特別控除ともに「夫婦で重複・相互適用は不可」となります。世帯全体の税負担(特に住民税)を最も抑えられる側に寄せて申告されることをお勧めいたします。
ご参考にしていただけましたら幸いです。
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本投稿は、2026年09月24日 19時35分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







