板野友美さん、マルチな活躍で「代表取締役」に就任…どんな責任を負う?
会社設立

元AKB48の板野友美さん(30)が5月9日、自身がディレクションを担当するライフスタイルブランド「Rosy luce(ロージールーチェ)」のスターティングイベントを行った。
デイリースポーツなどによると、昨年1月に知人とブランドを立ち上げ、今年2月には、「株式会社Rosy luce co.」を設立して、代表取締役に就任した。経営者になることについて、「めっちゃ大変です。責任もあるけど、その分お客様に広がったプロダクトを届けたい」と話しているそうだ。
板野さんはタレントだけでなく、経営者としての道も歩んでいくことになるが、代表取締役はどんな責任を負うことになるのか。報酬は税務上、どのような扱いになるのか。蝦名和広税理士に聞いた。
●役員報酬の厳格なルール
まずは役員報酬から説明しましょう。役員報酬は所得税法上、給与所得の扱いとなります。通常の従業員が貰う給与と同じ扱いです。ですが、報酬額の決定や損金(法人税法上の経費)計上の可否については厳格なルールがあります。
報酬額については、通常株主総会や取締役会等で決定され、通常同機関での決議無しで報酬額の変更を行うことはできません。
また、従業員給与はほぼ無条件で損金にできますが、役員報酬は法人税法上のルール(報酬額改定は原則年一回、毎月同金額の支給など)を守らなければ損金に計上できません。これは役員報酬による利益調整や不正を防ぐためです。
●代表取締役の権限と責任
次に代表取締役がどのような責任を負うのかを説明します。
まず、代表取締役とは、会社法で定められた企業の最高責任者のことであり、定款の定めにより株主総会や取締役会等で選任され、業務の執行や会社を代表して契約締結を行う権限を持ちます。
会社法の規定にある通り、代表取締役は対外的に会社の代表として、会社業務のすべてに権限=責任を持っています。
取締役等が負う責任=義務は、大きく2つあり「善管注意義務」と「忠実義務」があります。
善管注意義務とは「善良な管理者の注意義務」の意味で、取締役という地位にある者として一般的に要求される程度の注意を払って業務を行う、会社との委任契約により負うこととなる義務の事です。
忠実義務とは「取締役は、会社の利益と自分の利益が相反する場合、会社の利益を優先させなければならない」というものです。
その2つの義務に基づき、取締役はたとえば以下のような行為があった場合などに会社に対し損害賠償責任を負います。
・任務を怠って損害を株式会社に生じさせたとき
・違法な自己取引を行ったとき
・職務を遂行する時に第三者に対し悪意、重大な過失があったとき など
これだけではありませんが、当然取締役は権限を与えられるだけでなく社外、社内においても重責を負うことを常に念頭において日々の職務を遂行する必要があります。
【取材協力税理士】
蝦名 和広(えびな かずひろ)税理士
特定社会保険労務士・海事代理士・行政書士。北海学園大学経済学部卒業。札幌市西区で開業、税務、労務、新設法人支援まで、幅広くクライアントをサポート。趣味はジョギング、一児のパパ。
事務所名 :Aimパートナーズ総合会計事務所
事務所URL:https://office-ebina.com