作家デビューが決まりました。税金関係は何から始めれば?
はじめまして。
今年小説家デビューが決まりました。税金関係が何が何やらさっぱりなので、教えていただければ幸いです。
1年後を目安に出版する予定で動いています。
現状、賞金はありません。なので今年は執筆による収入はなく、来年以降に出版で印税収入などが発生するそうです。
ただ出版が確約しており、しばらく小説家として作品を続けて出せそうです。
一応、おすすめされたので自分の筆名印鑑、ネットバンクの銀行口座を新たに作りました。また、授賞式があるので参加してくれ、とのことでした。名刺とか作ろうかなあ、と考えています。
質問は3つ。
1:青色申告とかいうのもしておいたほうが良いですか? 開業届とか聞くけどなんじゃそりゃと思っています。メリット・デメリットは?
2:筆名印鑑、授賞式参加の服、名刺作成費用などは経費にならないでしょうか? 今年、契約などのために買ったのですが。
3:そのほか、何が必要でしょうか? 税理士に相談する必要などありますでしょうか?
一切分からないので教えていただければ幸いです。出版前後は忙しくなる、と言われており、それなら今のうちにできることはしておきたいです。
どうぞよろしくお願いします。
税理士の回答
①青色申告は、したほうが、青色申告特別控除など、いろいろな税制上の特典があるので、開業届と一緒に青色申告承認申請書を提出するのがよいのではないかと思われます。
デメリットとしては、複式簿記による帳簿をつけないといけないので、煩雑である、ということです。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm
②筆名印鑑、名刺作成費用は経費になると思われます。授賞式参加の服は、普段使用することもできるので、微妙ですが、事業に使用する割合を明確にできるのであれば、その分だ必要経費にすることも可能だとは思います。
③お金に余裕があるのであれば、税理士に申告をお願いしたほうがよいでしょう。帳簿をつけるのは依頼すればやってくれたり、いろいろなアドバイスもしてくれます。
波多野暁生
小説家デビューおめでとうございます。
順番に回答します。
1.開業届・青色申告について
「開業届」は、個人で事業を始めたことを税務署へ届ける手続です。許可をもらうものではありません。
一方、「青色申告」は、一定の帳簿を付ける代わりに、青色申告特別控除や赤字の繰越しなどの特典を受けられる制度です。
今後、小説家として継続的に出版・執筆活動を行う予定で、事業として活動を開始しているのであれば、開業届と青色申告承認申請書を提出することを検討してよいでしょう。
ただし、今年はまだ単なる準備段階で、実際の事業開始が来年ということであれば、必ず今年開業届を出さなければならないものではありません。
特に注意していただきたいのは、青色申告承認申請書です。年の途中で新たに事業を開始した場合は、原則として事業開始日から2か月以内に提出する必要があります。
国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/42.htm
2.今年購入した印鑑、名刺、服などについて
小説家としての活動のために必要な支出であれば、収入が発生する前の支出でも、開業準備のための「開業費」などとして、事業開始後に必要経費にできる場合があります。
例えば、
・筆名で契約等をするための印鑑
・小説家として使用する名刺
・出版社との打合せの交通費
・授賞式参加のための交通費
などは、業務との関連性が明確であれば経費として考えられます。
一方、授賞式のために購入したスーツやドレスなど、普段の生活でも使用できる衣服については、私的な支出との区別が難しいため、原則として経費にするのは慎重に考えた方がよいでしょう。授賞式だけのために衣装をレンタルしたような場合は、業務との関連性を説明しやすくなります。
今年から、領収書や請求書、出版社との契約書などは保存しておいてください。
国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm
3.今後しておくこと
まずは、
・執筆関係専用の銀行口座を使用する
・収入と経費を記録する
・領収書、請求書、契約書を保存する
・出版社から送られてくる支払明細等を保存する
という程度から始めれば十分です。
原稿料や印税については、通常、出版社が所得税等を源泉徴収してから支払います。その源泉徴収された税額も、確定申告で精算することになります。
国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2792.htm
現段階で必ず税理士と契約する必要まではないと思います。ただ、出版後に印税や原稿料が大きくなった場合や、事業所得・雑所得の判断、青色申告について不安がある場合には、一度相談されるとよいでしょう。
なお、「開業届を出せば自動的に事業所得・青色申告になる」というものではなく、小説家としての活動が事業所得に該当するかは、活動の継続性や規模など実態によって判断されます。
竹中公剛
一度近くの税理士会に電話をして、対面で相談してください。
よろしくお願いいたします。
至急です。
みなさま回答ありがとうございました。
とりあえず領収書は都度都度保管しておき、税理士相談も視野に入れてみます。
相亰俊信
お世話になります。
継続して出版の見込みがあるのであれば、今年のうちに開業届と青色申告承認申請書を出しておくことをおすすめします。印鑑・名刺は経費になりますが、授賞式の服は原則として経費になりません。税理士への依頼は必須ではありません。
1.開業届は、事業を始めたことを税務署に知らせる書類で、開業から1か月以内に提出します(所得税法229条)。青色申告は、帳簿をきちんとつける代わりに税金の優遇を受けられる制度で、承認申請書は開業日から2か月以内に提出します(所得税法144条)。
メリットは、最大65万円の青色申告特別控除(租税特別措置法25条の2、電子申告等の要件あり)と、赤字を3年間繰り越せることです(所得税法70条)。デメリットは複式簿記(取引を二面から記録する方法)の手間ですが、会計ソフトで軽減できます。
なお、お勤めの傍らの執筆で収入が少額の場合は、事業所得ではなく雑所得とされ、青色申告の対象外となることがあります(所得税基本通達35-2)。
2.印鑑・名刺は、執筆のための支出であれば経費になります。開業前の支出は「開業費」として計上できます(所得税法施行令7条)。服は普段も着られるため、原則として私的な支出(家事費、所得税法45条)です。領収書は保管しておいてください。
3.印税は、原則10.21%(100万円超の部分は20.42%)の所得税が差し引かれて支払われます(所得税法204条)。差し引かれた税金は確定申告で精算します。また、一定の要件のもとで平均課税(所得税法90条、年ごとの税負担を平準化する計算)も使えます(例えば、「原稿料」や「著作権の使用料」など年ごとの変動が著しい変動所得)。
出版社からインボイス(適格請求書)の登録について尋ねられることもあるので、経過措置も含めて確認しておくとよいでしょう。
税理士は、収入が増えた段階で検討すれば十分です。今は事業用口座で入出金を分け、領収書を保管することから始めてください。
青色申告は事業所得等が対象で、帳簿や申請期限の要件があります。出版前でも、まず契約日、活動開始の状況、支払った費用と使用目的を記録し、領収書や出版社との契約を保存してください。印鑑・名刺と普段も使う衣服は、業務との関係や私用部分を分けて確認します。出版予定と今年の支出一覧を持って、お近くの税理士事務所で、事業開始日、青色申告の申請時期と費用の処理を早めに相談されることをおすすめします。
山本快夫
お世話になります。
小説家デビュー、心よりお祝い申し上げます。
多くの税理士の方からご説明済みですが、私からは以下の内容だけ回答させていただきます。
小説家などの執筆業の税務について、執筆業に特有な「取材費」という少し特殊な論点があります。
質問者さまが小説を執筆するために実施するさまざま聞き取り取材や体験取材や情報収集など、そもぞも必要経費に算入できるのか否か、どこまで必要経費に算入できるのか、等について悩ましい場面が出てくると想定されます。
そのため、最初のうちだけでも、税理士に関与してもらうことも、個人的にはおすすめ致します。
他の方のアドバイスも参考になさってください。少しでもご参考になりましたら幸いです。
本投稿は、2026年10月18日 03時37分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







