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取得費

2004年に購入した売買契約書(マンション)には、3,200万円という総額しかなく、土地・建物の内訳も消費税の記載もありません。
この場合、国税庁の「建物の標準的な建築価額表」などを使って、土地と建物を按分して取得費を計算することになりますか?

税理士の回答

結論から申し上げますと、おっしゃる通り「建物の標準的な建築価額表」を使って土地と建物を按分(あんぶん)し、取得費を計算する方法で問題ありません。

消費税の記載がないということは、売主が個人(個人間売買)であった等の理由で消費税が非課税だったケースと考えられます。この場合、総額(3,200万円)を合理的な基準で土地と建物に分ける必要があります。

実務上、このようなケースでは主に2つの按分方法があり、ご自身の状況(手元に残っている資料)に合わせて選ぶことになります。

【1】「建物の標準的な建築価額表」を使う方法(ご質問の方法)

国税庁が公表している「建物の標準的な建築価額表」を用いて、建物の購入価額を逆算し、残りを土地の価格とする方法です。

◆ 計算のイメージ
・そのマンションが「建築された年」の構造(鉄筋コンクリート造など)に応じた1㎡当たりの標準単価を調べます。
・単価にマンションの床面積を掛けて、建築時の建物の価額(新築価額)を算出します。
・(※中古で購入した場合)建築時から購入した年(2004年)までの経過年数に応じた「減価償却費」を差し引き、2004年購入時点での建物の価値を出します。
・3,200万円から建物の価値を引いた残額を、土地の取得費とします。

◆ マンション特有の注意点
床面積は、登記簿上の「専有面積」をそのまま使って差し支えありません(国税庁の取扱いでも、マンションの場合は専有部分の床面積で計算してよいとされています)。共用部分を含めた延床面積まで計算し直す必要は通常ありませんので、シンプルな計算が可能です。

【2】購入時の「固定資産税評価額の比率」で按分する方法

もう一つの一般的な方法が、購入した年(2004年)の土地と建物の「固定資産税評価額」の割合を使って、3,200万円を振り分ける方法です。税務署にも最も客観的であると認められやすい方法です。

◆ この方法のネック(2004年購入の場合)
役所での固定資産税の評価証明書の保存期間は自治体によって異なりますが、すでに長期間が経過しているため、現在役所に行っても2004年当時の評価証明書を取得することはできない可能性が高いです。
したがって、この方法は「2004年当時の固定資産税の納税通知書(課税明細書)」や、購入時の「売買代金精算書(固定資産税の月割精算などが書かれた書類)」が手元に保管されている場合にのみ使える方法となります。

【3】今後の進め方のアドバイス

◆ まずは昔の書類を探してみる
2004年当時の「固定資産税の課税明細書」や、不動産会社が作成した「精算書」が手元に残っていないか確認してみてください。もしあれば、計算が簡単な「固定資産税評価額の比率」を使う方法が選べます。

◆ 書類がなければ「標準的な建築価額表」で計算する
当時の資料が全く残っていない場合は、ご質問にある通り「建物の標準的な建築価額表」を使うのが、実務上最も現実的かつ合理的な方法となります。

ご自身で「標準的な建築価額表」を用いた計算(特に中古で購入した場合の減価償却の計算など)が少し複雑だと感じられた場合は、計算過程のメモを添えて税務署の無料相談窓口や税理士に確認してもらうと、より安心して申告できるかと思います。

その考え方で問題ありません。契約書に総額しかなく内訳も消費税額もない場合、実務では「建物の標準的な建築価額表」を使って建物価額を算定し、総額から差し引いた残りを土地の取得費とする方法がよく用いられます。国税庁の譲渡所得の手引きでも、区分できない場合の方法として示されています。ただし、これが唯一の方法ではなく、合理的であれば他の按分方法も認められます。
区分の方法(優先度の考え方)
まず、契約書以外に内訳がわかる資料がないか確認します。重要事項説明書、売主(デベロッパー)のパンフレットや価格表、精算書などに建物価格や消費税額が書かれていることがあります。売主が事業者(新築分譲など)で消費税額がわかれば、当時の税率5%から建物価額を逆算でき、これが最も実態に即した方法です。売主が個人であれば消費税はかからないため、この方法は使えません。
資料がない場合の主な方法は次の2つです。
① 標準的な建築価額表による方法
建築年の構造別単価(マンションなら通常は鉄骨鉄筋コンクリート造または鉄筋コンクリート造)× 床面積で建物の取得価額を求め、総額から差し引いた残りを土地とします。床面積は一般に登記簿上の専有部分の面積を使います。
2004年購入時に中古だった場合は、建築年の単価で新築時の価額を出し、そこから購入時までの減価償却相当額を差し引いて購入時点の建物価額とします。
② 固定資産税評価額の比率で按分する方法
取得時(2004年度)の土地(敷地権)と建物の固定資産税評価額の比で総額を按分します。これも合理的な方法として実務・裁決で認められています。
①と②で結果がかなり違うことがあるため、両方で試算し、合理性を説明できる方を採用するのが実務的です。
その後の計算での注意点
建物の取得費からは、所有期間の減価償却費相当額を差し引きます。居住用など非業務用の場合、耐用年数は法定耐用年数の1.5倍(RC・SRCの住宅用は47年→70年)、2007年3月以前取得なので旧定額法(取得価額×0.9×償却率×経過年数)で計算します。経過年数は6か月以上の端数を1年、6か月未満を切り捨てます。賃貸していた期間がある場合は、その期間は業務用として別途計算が必要です。
また、購入時の仲介手数料や登記費用(登録免許税等)などの付随費用も、土地・建物の比率で配分して取得費に含めます。
最後に、計算した実額の取得費が譲渡価額の5%を下回るようであれば、概算取得費(譲渡価額×5%)を使う方が有利になる点も確認しておくとよいと思います。

詳細に丁寧な回答、ありがとうございます。

申告大変でしょうが、参考にしていただければ幸いです。

譲渡所得の取得費は購入代金等が基礎になりますが、建物部分は減価償却相当額の調整も必要です。総額しか分からない場合も、まず契約書以外の精算書・当時の資料で内訳を確認できないか探すとよいでしょう。購入時に新築か中古か、構造、床面積、その後の賃貸利用も整理し、標準的な建築価額表を使う場合の計算の合理性と減価償却を、お近くの税理士事務所に資料を示してご相談されることをお勧めいたします。

お世話になります。

個人的には、可能であれば、固定資産税評価額による按分について、まず模索することをおすすめ致します。

同一の公的機関が同一時期に合理的な評価基準で評価した固定資産税評価額による土地及び建物の価額比で按分する方法が最も合理的というべき(福岡地裁 平成13年12月14日)とされており、実務上も定着しています。


なお、以下の考え方もありますので、2003年が評価替の年でしたので、余力があれば、おすすめとなります。

土地及び建物の双方を同一の機関で定めている固定資産税評価額を基礎とする方がより合理的である。なお、固定資産税評価額は、請求人が主張するように3年に1度しか評価替えが行われないことから、評価替えを行った年度(以下「基準年度」という。)以外の年度に取得した物件については、基準年度からその取得した年までの価格変動及び損耗について、当該評価額を補正する必要がある。
(平成12年12月28日裁決)


他の方のアドバイスも参考になさってください。少しでもご参考になりましたら幸いです。

本投稿は、2026年10月02日 21時22分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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