直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税を受けたい場合の面積について
親と子が建設資金を出しつつ賃貸併用二世帯住宅を新築中です。
また、親から子へ贈与もしたいとの、親からの申し出があり1000万円贈与を受ける予定です。
【現況】
・ハウスビルダーの言いなりに建設してしまい、以下の床面積となっています。
・その後、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度を知り、240平米上限要件を知り愕然としました。
・建物の登記(面積・所有者等の登記)はまだの段階です。
【建物の床面積】
合計 258㎡
(内訳)
・親子住居 135㎡
・賃貸部分 90㎡
・共用部 33㎡
どうしても「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度」を受けたいのですが、共用部と、その他(親子住居+賃貸部分)とで区分登記を行い、共用部(33㎡)を独立させたうえで(持分は親または子のどちらかに100%寄せるか思案中)、その他(親子住居+賃貸部分=225㎡)に親からの贈与分を充てて当該制度を受けることは可能でしょうか。
国税庁のHPに「土地・建物の登記事項証明書については、贈与税の申告書に不動産番号を記載することなどにより、その添付を省略することができます。」とあり、不動産番号単位で国税庁に確認されるとなると、不動産番号は1棟単位で付される番号のようなので、区分所有登記をしたとしても1棟まるまるを見られて、共用部の区分登記が不自然に思われて(租税回避とみなされて)しまう懸念はありますでしょうか。
せっかくの親からの厚意なので、節税しながら活用したいと思っているのですが、上記方法だと難しいかのアドバイス、またはその他の方法のお知恵をお貸しいただければ大変助かります。
何卒よろしくお願いいたします。
税理士の回答

三嶋政美
結論から申し上げますと、ご相談の手法、すなわち共用部分を区分登記により切り離し、住宅部分の床面積を240㎡以下に調整することで、「直系尊属からの住宅取得等資金贈与の非課税制度」の適用を受ける——ことは形式上は可能です。
しかしながら、税務においては実態重視の原則が貫かれます。共用部の機能や構造上の一体性、また贈与者と受贈者の関係性を含め、租税回避と見なされるリスクは否定できません。不動産番号が個別に付された場合でも、建物全体としての利用実態を国税側が把握することは可能であり、調査対象となった場合には「一棟の住宅」として判断されるおそれがあります。
より確実に非課税制度を適用するには、登記前の段階で住宅部分のみを贈与対象とし、その部分の持分に対する贈与であることを明確に記録・証明することが望ましいと考えます。制度活用にあたっては、形式ではなく実質を整えることが肝要です。
三嶋先生、ご回答誠にありがとうございました。(ベストアンサーにさせていただきました。)
念のため、再度お教えいただきたいのですが、(当初質問した、「共有部」だけ分離、ではなく)賃貸部分と住宅部分とで分けて区分登記を行い、かつ「住宅部分のみに贈与」の旨を明記した贈与契約書を締結することで、「実質を整えた」ことになり、当非課税制度の適用を受けることは可能になりますでしょうか。
お手数ですがご教示いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。

三嶋政美
ご質問の件につきましては、賃貸部分と住宅部分を明確に区分登記したうえで、贈与契約書に「住宅部分のみを贈与の対象とする」旨を明記することで、住宅取得等資金贈与の非課税特例の適用対象となる可能性がございます。当該制度では、実質的に居住用の不動産取得を目的とした贈与であることが要件とされており、ご指摘のように契約内容と登記上の整合性が確保されていれば、実質要件を満たすものと解されます。ただし、実際の居住実態や使用状況等も含め、総合的に判断される点にはご留意ください。
本投稿は、2025年04月08日 20時45分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。