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貸金庫の現金で修繕する場合について

父親の1次相続を終え、今後2次相続が起きると想定する中で、1次相続時の遺産分割協議書内で貸金庫に現金があることを失念し、100万円単位あることが分かりました。遺産分割協議書内に、後で発覚した財産については被相続人が引き継ぐとなっています。(母親が1次相続で全て相続してます)

ちなみに、1次相続では基礎控除内であったので、相続申告はしていません。

今、家族内で意見が割れているのですが、この貸金庫の現金を使い、親名義で実家の修繕工事をする場合に、何かリスクというものはありますか?家族の中には、税務署には貸金庫の現金を消費しても分からないから、貸金庫の現金を使おうという意見が出ています。もちろん、貸金庫の現金から修繕工事費用との差額は2次相続において含めて申告する予定です。

私は、税務署はタンス預金や貸金庫の現金に対して、何等かの対策をしているのだから、預金口座からの振込みを推奨していますが、貸金庫の現金の消費を唱える家族がいるので、揉めている状態です。

申し訳ありませんが、今回のケースについて適切なご意見を頂ければと思います。よろしくお願い致します。

税理士の回答

お父様の現金であれば、まず一次相続の財産に加えて申告要否を再計算する必要があると考えられます。後で修繕に使っても、一次相続時の財産額が減るわけではありません。また、協議書の「被相続人が引き継ぐ」という記載は、お母様を指すのか原文確認が必要です。お母様の所有・負担すべき修繕なら現金払い自体が直ちに問題とは限りませんが、工事契約・領収書・現金残高の記録を残し、把握されないことを前提にしないでください。協議書と一次相続の財産一覧をお近くの税理士に提示し、帰属と申告対応をご確認ください。

結論として、「税務署には分からないから貸金庫の現金を使う」という進め方はおすすめできません。修繕そのものよりも、一次相続の申告漏れが問題になるかどうかが先決です。順にご説明します。

【1】まず一次相続の申告要否を確認
貸金庫の現金はお父様の相続財産ですので、一次相続の財産に加えて、遺産に係る基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数、相続税法15条)を超えるかを再計算してください。
・超えない場合:一次相続の申告は不要のままです。
・超える場合:申告が必要になります(相続税法27条1項)。お母様が全て相続していても、配偶者の税額軽減(相続税法19条の2)は申告書を提出して初めて適用される制度です(同条3項)。軽減後の税額がゼロでも、期限後申告(国税通則法18条)が必要になります。なお、協議書に後から見つかった財産の取得者を定める条項があれば、この現金も分割済みとして配偶者の税額軽減の対象にできると考えられます。

【2】「分からないだろう」で進めた場合のリスク
基礎控除を超えるのに申告しない、あるいは現金の存在を隠して使った場合、後日の調査で、
・無申告加算税(国税通則法66条。調査を受ける前に自主的に申告すれば割合は軽くなります)
・隠蔽・仮装と判断されれば重加算税(同法68条2項、40%)
・配偶者が隠蔽・仮装した財産は、調査を受けて期限後申告等をする場合、その部分が配偶者の税額軽減の計算から外されることがあります(相続税法19条の2第5項)
といった不利益があり得ます。配偶者軽減で税額ゼロのはずが、納税が生じる可能性がある点が特に重要です。貸金庫の契約や開閉の記録は金融機関に残ることがありますので、把握されないことを前提にするのは危険です。

【3】修繕に使うこと自体について
遺産分割協議書の条項によりお母様が取得した現金で、家の名義がお母様であれば、費用負担者と所有者が一致しており、贈与等の問題は通常生じません。登記がお父様のままの場合は、協議書で家を誰が取得したかをご確認ください。
また、家がお子様名義やお子様との共有の場合は、お子様の持分に相当する修繕費をお母様が負担すると贈与の問題になり得ます。

【4】二次相続を見据えた進め方
・相続税で家屋は固定資産税評価額を基に評価します(財産評価基本通達89)。通常の修繕では評価額は変わらないことが多く、二次相続では「現金が減り、家の評価はそのまま」という形になります。適正な修繕であれば問題ありませんが、その分、二次相続の調査で現金の使途を説明できることが大切です。
・そのため、ご相談者様のお考えどおり、現金をいったんお母様の口座に入金し、口座から工事代金を振り込む方法が、日付・金額・支払先が通帳に残り説明しやすいと思います。現金払いでも違法ではありませんが、その場合は工事契約書・見積書・領収書を必ず保管してください。
・残額は二次相続でお母様の財産として申告に含めるご予定とのことで、その方針で問題ありません。

お世話になります。

ご質問に対する回答)
 
何かリスクというものはありますか?

 ↓
税務上リスクはございません。

お母さまがお父さまから相続したお金で、お母さま名義の実家を修繕するだけとなります。

そのため、修繕工事代金の支払は、その貸金庫の現金でも、お母さま名義の預金口座の残高でも、どちらでも構いません。
―――――――――――
補足)

「貸金庫の現金...」
「現金があることを失念...」
「母親が1次相続で全て相続...」
「基礎控除内であったので、相続申告はしていません。」

・・・といった前提から、質問者さまは相続税の基本的な制度をご理解されて対応されていると考えます。

そのため、気になるキーワードがあったものの、ご質問の貸金庫の現金を加えたら基礎控除を超えてしまうことや、その懸念に言及されていませんので、基礎控除内のままであると考えられ、その前提として回答させていただきます。


おそらく対応済みと思われますが、相続の登記のことも念のためご確認されることをおすすめ致します。
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00565.html

なお、金庫から顧客の金品が盗まれる事件が相次いだこときっかけとした金融庁の指導により、今年から金融機関の貸金庫に現金を保管することが禁止されている可能性があります。

―――――――――――

他の方のアドバイスも参考になさってください。少しでもご参考になりましたら幸いです。

お世話になります。

貸金庫の現金がお母様の財産として相続されたものであれば、その現金でお母様名義の実家を修繕すること自体に、税務上の問題は基本的にありません。お母様がご自身の財産を使うだけだからです。気をつけるべき点は、「現金で払うこと」よりも「使い道の記録が残るか」と「1次相続の申告が必要かどうか」です。

まず、遺産分割協議書の「被相続人が引き継ぐ」は、文脈から「相続人であるお母様が取得する」という趣旨と思われます。文言のままでは意味が通りにくいため、念のため内容をご確認ください。

次に、この現金を加えても1次相続の遺産総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数、相続税法第15条)以内であれば、申告は不要のままです。超える場合は期限後申告(期限を過ぎてから行う申告)をご検討ください。配偶者の税額軽減(相続税法第19条の2)で納税額がゼロになるとしても、この特例を受けるには申告が必要です。

2次相続の税務調査では、お母様の財産の過去の動きが確認されることが一般的で、貸金庫の開閉記録も金融機関に残ります。現金が減っていれば、その使い道を説明できるかが問われます。お母様宛ての工事請負契約書・見積書・領収書を保管しておけば、現金払いでも説明は可能です。ただ、いったんお母様の口座に入金してから振り込む方法のほうが記録が自然に残り、説明もしやすくなります。ご相談者様のご意見には十分な合理性があります。

なお、修繕ではなく増改築にあたる工事で、その分が固定資産税評価額にまだ反映されていない場合は、家屋の評価額に工事分を加える取扱いがあります(財産評価基本通達89、国税庁質疑応答事例【増改築等に係る家屋の状況に応じた固定資産評価額が付されていない家屋の評価】)。また、工事の対象がお母様名義以外の財産であれば、贈与税の問題が生じます。

「分からないから」という前提で処理するのではなく、お母様の財産を正当に使ったと示せる形にしておくことが、結果として2次相続での負担や揉め事を減らすことにつながります。

皆様方、早々のご回答ありがとうございます。

>遺産分割協議書内に、後で発覚した財産については被相続人が引き継ぐとなっています。

上記の部分の「被相続人」ですが、「相続人」の間違いです。

1次相続で貸金庫の現金と父親の財産総額を合計しても基礎控除内なので、そこの心配はないかと思います。

ここで、貸金庫の現金についてですが、父親名義の貸金庫であったものの、家族の証言では母親の現金を保管していたという事らしいのです。この場合、そもそも1次相続に含める必要はないかと思いますし、現時点の母親の財産として、貸金庫に現金があるという理解でいいのかと思います。ちなみに、実家は母親名義になっています。

その前提で、この貸金庫の現金で修繕工事の業者に現金振込みをする際のリスクはあるのか否か、預金口座から振り込む方がいいのか、工事契約書、見積書、領収書を業者から取っていれば、どちらでも構わないのかについてご教授頂ければ幸いです。

また、そもそも2次相続前の時期に修繕工事を行った場合、2次相続に係る相続税の税務申告において、修繕工事を行った事実を申告しないといけないのでしょうか?

よろしくお願い致します。


家族の証言では母親の現金...

 ↓
いまとなっては、いずれにしてもお母さまの現金となります。

従いまして、繰り返しとなりますが、修繕工事代金の支払は、その貸金庫の現金でも、お母さま名義の預金口座の残高でも、どちらでも構いません。


なお、増築や改築と認められる工事でない限り、物件の原状回復や通常の維持管理費用にあたる部分は、そのもの自体には換金価値(財産性)がありませんので、個別の相続財産(資産)として計上する必要はないと考えます。

例えば、バリアフリー工事などは資本的支出に該当して財産性を有するものとして加算して評価するものと個人的には整理しています。


宜しくお願い致します。

あと、ご家庭における「タンス預金」は何も悪いことでも疚しいことでもありません。

大きく減少しても昨年2025年7月時点でタンス預金残高は約47兆円あるようです。そのうちの一定額は、銀行の貸金庫での現金保管だと考えられます。


金融機関の預金口座に入っていない現金につきましては、盗難防止だけでなく、自然災害による消失リスクもありますし、相続時に集計洩れリスクもありますので、適切な把握・管理をおすすめ致します。


宜しくお願い致します。

本投稿は、2026年10月25日 21時43分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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