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非上場株式の相続税評価ルールが大改正へーー。増税になりやすい会社と、今できる備えを税理士が解説

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非上場株式の相続税評価ルールが大改正へーー。増税になりやすい会社と、今できる備えを税理士が解説
freeangle / PIXTA

中小企業のオーナー経営者にとって、相続財産の大半を占めるのが「自社株(非上場株式)」です。市場で売買されない「非上場株式」は、国税庁が定めた通達(財産評価基本通達)のルールに沿って評価額を算定しますが、いま、この評価ルールが約60年ぶりに抜本的に見直されようとしています。

きっかけは、会計検査院の指摘です。現行の評価方法では、「会社の規模が大きいほど株式の評価額が相対的に低く算定される」傾向があり、純資産価額に対する申告評価額の割合は大会社ほど低くなる「逆転現象」が生じていると問題視されたのです。

加えて、比較の基準となる「類似業種比準方式」による評価額が、実際の純資産価額と大きく乖離しているケースや、配当還元方式で使われる還元率が、昭和39年当時の金利水準のまま据え置かれている点なども、公平性の観点から見直しの対象になっています。

これを受けて国税庁は、2026年4月20日に「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」の第1回会合を開催。日本商工会議所や日本税理士会連合会、大学教授、M&Aアドバイザーらが参加し、会議はその後も回を重ねています。

今後、2026年内の議論のとりまとめと年末の税制改正大綱への反映、2027年のパブリックコメントを経て、早ければ2028年1月から新しいルールが適用される見通しです。

この見直しは、単なる増税ではなく「継続企業を前提とした評価」や「事業承継税制との整合性」も含めた大きな枠組みの議論とされています。現時点で内容は確定していませんが、内容次第では、これまで有利に評価されてきた会社の株価が上がり、相続税・贈与税の負担が重くなる可能性があります。

そこで、この見直しの現状の進捗と、オーナー経営者・後継者が今から押さえておくべきポイントについて、高山弥生税理士に話を聞きました。

●制度の盲点を利用した租税回避スキームが問題視されている

ーーそもそも現行の評価方法の何が問題とされているのでしょうか。

中小企業は日本の雇用の7割を支えており、日本経済において非常に重要な存在です。そのため、中小企業が相続税の負担により事業継続を断念することのないよう、類似業種比準方式による評価は、評価額が低くなるように改正が重ねられてきました。

このことを利用し、「純資産価額方式による評価が入り込まないように会社規模を大きくする」「資産構成を変更する」など、様々な租税回避スキームが作り出されています。

配当還元方式は、還元率が高すぎるという指摘とともに、無議決権株式を利用した租税回避スキームが問題視されています。

●歴史の長い保有資産が多い会社ほど税負担増に

ーー制度の見直しによって、評価額が上がり、相続税・贈与税の負担が増えやすいのはどのような会社でしょうか。

今までのように評価方法に事業承継の役割を担わせるのではなく、評価段階ではあくまでも非上場株式の「時価」を求め、事業承継は別途税制を作る方向性のようです。

「時価」を考えるにあたり、今回参考にされているM&Aにおいては、コストアプローチ(時価評価した純資産価額による評価)をほぼ全件で適用しているという意見もあり、コストアプローチが採用されるのであれば、昔から持つ資産の“含み益”が大きい会社ほど税負担が大きくなることになります。

事務局はM&Aをかなり意識しており、インカムアプローチによる評価方法もあり得るかもしれません。この場合は収益を上げる力が大きい会社が評価が高くなると予想されます。

●現行の評価額の把握と後継者選びが重要に

ーー新ルールの適用開始までに、自社株を持つオーナー経営者や後継者の備えがあればお教えください。

現行の評価額がいくらになるのかを把握し、後継者を誰にするのかを考えておくことが大切です。

今後、有識者会議を経て国税庁より改正案が提出されますが、それで評価が高くなってしまっても、「税制」により税負担はかなり軽減されることになるという可能性もあります。

新しい評価方法、税制による税負担と比較し、現行評価額が低いのであれば、相続時精算課税制度を利用した贈与という方法も考えられます。まずは現状把握が備えの第一歩となります。

【取材協力税理士】
高山 弥生(たかやま やよい)税理士
VSG相続税理士法人溝の口オフィス代表税理士。実務の傍ら、執筆やセミナー講師を務める。
VSG相続税理士法人では、相続税申告において日本最大級の実績とノウハウにより、顧客の立場に立って一番有利な相続アドバイスを行う。グループの行政書士・司法書士・社会保険労務士法人と連携をとり、あらゆる相続の悩みに対応している。
事務所名 :VSG相続税理士法人
事務所URL:https://vs-group.jp/sozokuzei/
相続専門税理士チャンネル【VSG相続税理士法人】:https://www.youtube.com/@souzoku/featured

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